Project/Area Number |
23K19591
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井本 効志 九州大学, 大学病院, 特任助教 (70984368)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | FALD / fibrosis |
Outline of Research at the Start |
先天性心疾患に対するフォンタン手術の遠隔期合併症の一つであるフォンタン関連肝疾患(Fontan-associated Liver Disease; FALD) は一般的なうっ血性肝障害より線維化を来しやすく、肝硬変・肝細胞癌を発症する患者は増加傾向にある。FALDによる肝線維化の発症機序にリンパ液のうっ滞が関与することが示唆されているが、詳細な機序は不明である。本研究は、うっ血とリンパ液のうっ滞を併発する動物モデル及びFALD患者コホートの肝生検組織サンプルを用いた網羅的遺伝子発現解析を行うことで、リンパ液のうっ滞が肝線維化を促進する機序の解明を目指すとともに治療標的の探索も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
フォンタン関連肝疾患 (Fontan-associated Liver Disease; FALD) は一般的なうっ血性肝障害より線維化を来しやすいとされ、肝硬変・肝細胞癌を発症する患者は増加傾向にあり、治療法の開発は喫緊の課題である。肝線維化の発症機序にリンパ液のうっ滞 (Lymphostasis)が関与することが示唆されているが、詳細については未だ不明である。今回、Control群、うっ血性肝障害の動物モデルとして肝直上で下大静脈を部分結紮したPartial inferior vena cava ligation (pIVCL)群、Lymphostasisを起こすために肝門部リンパ管結紮術Hilar lymphatic ligation(HLL)を追加したHLL群及びpIVCL+HLL群の4群を作成して、鬱血にLymphostasisが加わることの影響を検討した。予備検討の結果の妥当性を確認するため、再度qPCRによる遺伝子発現解析を行ったところ、qPCRは予備検討の結果と同様に、Control群と比較して、pIVCL+HLL群でCol1a1、Col1a2、TGFβ、CTGFが有意に上昇するとともに、pIVCL群と比較して、pIVCL+HLL群において、Col1a1、Col1a2、TGFβが有意に上昇することが確認された。以上より、うっ血にLymphostasisを合併することが線維化進展に影響する可能性が示唆された。次にpIVCL群、HLL群、pIVCL+HLL群及び対象群としてCCl4群の合計4群のサンプルを確保し、現在、RNA-seqのライブラリ作成中である。 FALD患者コホートについては、現在までに70人以上の登録が終わっており、患者の一部においては、肝生検検体の一部を網羅的遺伝子発現解析用のサンプルとして確保している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物サンプル数を確保しするのに時間を要したが、RNAseq提出までは行うことができている。患者コホートについては、受診患者数は増加傾向にあり、現在、さらに登録数を追加しており、必要に応じて生検を行い、網羅的遺伝子発現解析用のサンプルを確保している。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のようにサンプル数確保に時間を要したが、研究の方向性としては作業仮説に矛盾なく、概ね当初の計画の通りの方向で進めて良いものと考えている。RNA-seqの結果を待ち、pIVCL+HLL群で特異的に発現上昇/下降する遺伝子群の同定することで、Lymphostasisによる肝線維化促進因子を検討する予定である。 RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析で得られたデータを元に、線維芽細胞株を用いたin vitroでの検証も行うとともに、RNA-seqの結果から、線維化に関わる因子やシグナルパスウェイを特定し、免疫染色で評価するとともに、特定の細胞種の関与が考えられる場合には、FACSで同細胞種を単離して、機能解及びFALDの新たな治療標的の探索を行う予定としている。 また、FALD患者コホートの肝生検検体を用いて、FALDにおける遺伝子発現を他の肝疾患と比較することにより、FALDに特異的な遺伝子発現変化を同定すると共に、FALDマウスモデルの解析で同定した遺伝子発現変化のvalidationを行うことも検討する予定である。
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