Project/Area Number |
23K19672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0906:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 まひる 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30822209)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 卵巣機能不全 / マクロファージ / 組織リモデリング / 線維化 / 化学療法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、化学療法による卵巣機能不全モデルマウスを用いて、卵巣マクロファージによる組織リモデリングが、卵巣機能低下に果たす役割を検討する。単球由来マクロファージ欠失の効果を、CCR2ノックアウトマウスを野生型と比較し検証する。さらに、化学療法後のヒト卵巣検体を用いて、モデルマウスで得られた知見がヒト臨床でも同様に認められるか検証する。本研究により、化学療法による卵巣機能不全に対する新たな治療戦略を見出しうると期待され、その医学的意義は大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
卵巣機能不全モデルマウスにおける検討として、C57BL/6メスマウスに卵巣毒性の高いアルキル化剤(Cyclophosphamide, Busulfan)を腹腔内投与し、卵巣機能不全をきたすモデルを作成した。さらに、臨床現場において若年女性に用いられることの多い、Paclitaxel、Carboplatinの2剤についてもマウスへの腹腔内投与を行い、卵巣機能を低下させるモデルを作成した。これら抗がん剤投与したマウス卵巣組織を15日、60日目に回収し、卵胞数が著明に減少することを確認した。同時期の血清検体のホルモン値(AMH FSH E2)が卵巣機能不全を裏付けるものであるか、検討する準備を行った。 アルキル化剤投与マウスでは、治療後15日目には卵巣に組織学的に線維化がみられることを明らかにした。今後線維化に関わるサイトカインの発現レベルをq-PCR法で検証するため、準備を進めている。また、線維化が卵胞数減少にどのように関わるか明らかにするため、線維化阻害薬(Pirfenidone)投与の予備実験を行った。 ヒト卵巣組織の検討として、婦人科悪性腫瘍手術で病変のない卵巣組織を合わせて摘出している症例のうち、45歳以下のものについて、化学療法歴の有無による組織学的特徴を検証した。化学療法歴のある症例で、卵胞数の減少、線維化の増加が認められた。今後、マウスモデルで得られた知見がヒトにおいてもあてはまるかどうか、検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルの作成では、薬液調整法について試行錯誤したため、予定よりも時間を要したが、それ以降の実験は順調に進捗しているため。 臨床検体の検討も予定どおり、行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度の卵巣機能不全マウスモデルの検討では、アルキル化剤投与により卵巣線維化が起こることが示されたため、今後は線維化の原因となる細胞群と因子の同定を目指したい。さらに、線維化を抑制することが、卵巣機能不全の病態にどのような影響を及ぼすか検証する。 今後、マウスモデルで得られた知見がヒトにおいてもあてはまるかどうか、ヒト臨床検体でも検証する予定である。
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