Gene expression profiling of skin ulcers for short-acting in vivo gene therapy
Project/Area Number |
23K19673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0906:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 基 岡山大学, 大学病院, 助教 (70739507)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 潰瘍 / RNA / 皮膚潰瘍 / 遺伝子治療 / mRNA / siRNA |
Outline of Research at the Start |
皮膚潰瘍は、動脈性虚血、静脈うっ滞、リンパ浮腫などが原因で治癒が遅れ、しばしば難治化する。本研究では、各循環不全タイプのマウス皮膚潰瘍モデルを作成し、皮膚潰瘍部の遺伝子発現プロファイルの解析、in vitroおよびin vivoスクリーニングを通じて、局所循環不全を抱えたまま短期間で創治癒が得られる遺伝子導入因子としてのRNA配列を明らかにする。またRNAの特徴である短期的にしか作用しないという遺伝子導入能を利用し、容易に再発する潰瘍を繰り返し安全に治癒できる手段として、局所の循環因子や潰瘍部の治癒過程に合わせた新たな治療法を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
循環不全を有する患者の皮膚潰瘍では炎症期が遷延し、容易に慢性化する。背景因子である循環不全に対する治療は、集学的な治療が行われるものの完治は難しく、同一患者に潰瘍が再発する危険性も非常に高い。本研究では、皮膚潰瘍の難治化に重要な影響を及ぼす代表的な局所循環不全の背景に着目し、背景因子や創傷治癒時期の異なる潰瘍部において 特徴的に発現している遺伝子を同定し、同時期の健常皮膚潰瘍部において特徴的に発現している因子と比較することで、遺伝子発現プロファイリングの違いを背景因子ごと・治癒段階ごとに評価する。 再現性が高く治療介入後の経時的なin vivo評価にも適した下肢循環不全の皮膚潰瘍モデルの確立が必要と考え、動脈・静脈・リンパ管のそれぞれの局所循環不全状態を類似の手術操作で作成可能かつ個体差の影響を極力低減するために健常側との比較が可能となるモデルを、報告された過去の循環不全の動物モデルを参考にして考案した。 鼠径部の動静脈およびリンパ管に操作を与える側(患側)と与えない側(健側)の下腿皮膚を全層で切除し、急性期の皮膚潰瘍モデルを作成する。側副路が発達するなどの理由で慢性期の評価に適さない場合は、臨床治験が行われた遺伝子治療薬の動物モデルに採用された方法に準じて、外腸骨・深大腿・回旋動脈を含む大腿部へ向かう動静脈を可及的にすべて切除・結紮してモデルを作成した。短期的には潰瘍の形成が維持できたが、特に健常側における潰瘍底は創収縮による創縁の縮小が顕著で、2週間を超える慢性潰瘍の安定的な形成はラット・マウス共に困難であった。 また、潰瘍の作成部位による収縮の遅延が期待できるかもしれないと考えて、背側皮膚、腹側皮膚など様々な部位で潰瘍を作成したものの、結果的に優位な部位は特定できなかった。 そこで当初の計画を若干変更し、比較的急性期の潰瘍部における、瘍部遺伝子プロファイリング研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再現性が高く治療介入後の経時的なin vivo評価にも適した下肢循環不全の皮膚潰瘍モデルの確立が必要と考え、動脈・静脈・リンパ管のそれぞれの局所循環不全状態を類似の手術操作で作成可能かつ個体差の影響を極力低減するために健常側との比較が可能となるモデルを、報告された過去の循環不全の動物モデルを参考にして考案した。 鼠径部の動静脈およびリンパ管に操作を与える側(患側)と与えない側(健側)の下腿皮膚を全層で切除し、急性期の皮膚潰瘍モデルを作成する。側副路が発達するなどの理由で慢性期の評価に適さない場合は、臨床治験が行われた遺伝子治療薬の動物モデルに採用された方法に準じて、外腸骨・深大腿・回旋動脈を含む大腿部へ向かう動静脈を可及的にすべて切除・結紮してモデルを作成した。短期的には潰瘍の形成が維持できたが、特に健常側における潰瘍底は創収縮による創縁の縮小が顕著で、2週間を超える慢性潰瘍の安定的な形成はラット・マウス共に困難であった。 また、潰瘍の作成部位による収縮の遅延が期待できるかもしれないと考えて、背側皮膚、腹側皮膚など様々な部位で潰瘍を作成したものの、結果的に優位な部位は特定できなかった。遺伝子解析に関する準備は進んでいるため、下記今後の推進方策を若干変更することで研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物の作成において、時間がかかり、長期持続された潰瘍の作成を達成することが困難であった。そのため、当初の計画にも記載した通り、過去の報告に従った虚血肢モデルに集中して潰瘍の解析を行うこととし、実験を継続する。 当初の計画通り、2年目に行う予定であった、RNA解析に移行する。マウスモデルの潰瘍部組織を採取し、市販のキットを用いてRNAを抽出する。つづいて次世代シーケンス法を用いて、潰瘍部における発現プロファイルの違いを網羅的に評価する。評価対象として極力個体差やサンプル差による誤差を減らすため、同一個体の健常側組織から採取したサンプルを比較対照とする。候補因子をリストアップし、qPCRを用いて各遺伝子の定量的評価を行い、患側で発現が弱い因子(mRNA)および、健側で強発現したものの拮抗となる因子(siRNA)を選択し、続くin vitroおよびin vivoの候補因子とする。 候補として選択した因子をレトロウイルスで間葉系細胞に導入した後に、創傷治癒能の有無をスクリーニングする1次的な系として、in vitroでの実験系を確立する。本研究では、in vitro操作の簡便性、安定性から、ヒト由来で汎用性の高いBJ fibroblastを用いて検討を行う。 in vitroスクリーニングにおいて、高い創治癒能が示唆された因子については、in vivo実験系でスクリーニングを行う。実験モデルと同一の局所循環不全操作を両側に加えた免疫抑制マウスの片側下肢皮下に移植し、一方で因子を付加しないBJ fibroblastを対側皮下に移植する。投与後の細胞群の生着を病理学的に評価し、移植後の創治癒程度を評価する。スクリーニングによって可能性が高いと想定された因子を、最適化した局所循環不全マウスの皮膚潰瘍に対してRNAによる遺伝子導入を行い、 創治癒に改善効果が高いものを選択する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)