Project/Area Number |
23K19680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北山 ちひろ 東北大学, 大学病院, 医員 (30980156)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 味覚 / 加齢変化 / MEG / 脳磁図 / GEFs |
Outline of Research at the Start |
日本は超高齢化社会に突入しており、高齢者ウェルビーイング実現のため健康寿命の延伸や高齢者のQOLの向上が求められている。高齢者の味覚障害は栄養状態に大きく影響し、食事の質の低下から体力低下、次いで食欲不振を引き起こす。しかしながら、高齢者の味覚の受容については不明な点が多い。そこで、非侵襲的脳機能測定法の一つの脳磁計に注目し、若年者と高齢者の味覚刺激時誘発磁界反応を比較することで、味覚の加齢変化を客観的に評価する。減塩等の味質を調整することで「おいしさ」を得る方法を探索でき、高血圧や肥満といった生活習慣病の問題の解決だけでなく、加齢変化を検討することでフレイルの予防やQOLの向上に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
味覚は、味の種類や濃度に加え、快不快の感情や過去の記憶、さらには周囲の雰囲気や体調、気分なども影響を及ぼす複雑な感覚である。味覚の認識メカニズムについては未だ不明な点が多く、今回脳磁図(Magnetoencephalography : MEG)でヒトの舌に味刺激を加えた際の味覚刺激時誘発磁界反応 (gustatory evoked magnetic fields: GEFs)計測し、4基本味受容とその認識メカニズムを検討した。また、若年者と高齢者のGEFsを比較し、味覚の加齢変化についても明らかにすることを目的としている。本年度、健常者10名と高齢者4名に対しマウスピース型口腔内装置を使用し、舌に限局した味刺激を与えた。感覚(認知)閾値の1, 2, 5, 10倍のNaCl, クエン酸, quinine, sucrose,グルタミン酸ナトリウム溶液と洗浄用蒸留水を、15秒間隔で交互に還流させ、誘発磁界反応を計測し、off-lineで時間周波数解析と信号源推定を行った。若年者のデータを解析したところ、味刺激時誘発磁の振幅、時間経過は被験者ごとに異なるが、味刺激後100~500 msで一次味覚野の島皮質に、400~1500 ms,1500~2000 ms付近で島皮質、頭頂弁蓋部、前頭野付近に、β, g帯域の持続した脱同期活動が共通して認められた。各味質、濃度によって時間経過、空間分布は異なっていた。味刺激時誘発磁界の解析により、味覚認識に関与する神経回路網を明らかにすることが、味覚認識メカニズム研究の進展に繋がると期待される。高齢者のデータは来年度以降解析を進め、若年者と高齢者の比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では本年度若年者10名、来年度高齢者10名を被験者としてリクルートする予定であったが、本学のMEGが今年度までしか使用できなくなったため、今年度前倒しで測定を行なった。結果として集まったのは若年者10名、高齢者4名である。来年度はこのデータの解析・評価を行なっていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
MEGが使用できないため、磁気共鳴イメージング法(magnetic resonance imaging: MRI)を用いて拡散テンソル画像(diffusion tensor image; DTI) を撮像したいと考える。DTIでは脳白質神経の構造を可視化できるため、味覚認識に関与する神経回路網をより明らかにすることができ、味覚認識メカニズム研究の進展に繋がると期待される。
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