Project/Area Number |
23K19690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堀江 謙吾 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20980197)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | オキシトシン / 島皮質 / 甘味 / 味覚認識 / オキシトシン受容体 |
Outline of Research at the Start |
味覚は舌や口蓋などに存在する味細胞で受容され、その情報は味覚神経を介して中枢神経系へと伝達される。味の識別や価値の評価は脳の島皮質で制御されるが、それらを制御する神経回路や細胞種、神経伝達物質、その受容体、分子機構は詳細には明らかにされていない。近年、島皮質が制御する情動、感覚、社会行動にオキシトシン受容体 (OXTR)を発現する神経細胞・回路が関与することが報告されており、島皮質OXTR神経細胞が味覚識別やその価値評価に関与する可能性が考えられる。本研究では、社会行動の制御に関わる島皮質OXTR神経細胞が味覚応答における甘味(嗜好)・苦味(忌避)の認識を制御するのか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
味覚は舌や口蓋などに存在する味細胞で受容され、その情報は味覚神経を介して中枢神経系へと伝達される。味の識別や価値の評価は脳の島皮質で制御されるが、それらを制御する神経回路や細胞種、神経伝達物質、その受容体、分子機構は詳細には明らかにされていない。近年、島皮質が制御する情動、感覚、社会行動にオキシトシン受容体 (OXTR)を発現する神経細胞・回路が関与することが報告されており、島皮質OXTR神 経細胞が味覚識別やその価値評価に関与する可能性が考えられる。本研究では、社会行動の制御に関わる島皮質OXTR神経細胞が味覚応答におけ る甘味(嗜好)・苦味(忌避)の認識を制御するのか明らかにする。 本年度は、前・後方島皮質のOXTR陽性神経細胞が甘味と苦味の舌刺激によって活性化されるかを調べるために、神経活性化の分子マーカーであるcFOSとOXTR陽性細胞と共免疫染色によって検出し、OXTR神経細胞の味刺激に対する応答を解明することを目的としていた。 OXTRは抗体での組織免疫染色で検出が困難なことが知られていたため、当初計画していた通りOxtr遺伝子の制御下で黄色蛍光タンパク質Venusを発現するOxtr-Venusマウスを導入した。Oxtr-Venusマウスの導入・繁殖を行い、Oxtr-Venusマウスを灌流固定し脳を取り出し、Venusのシグナルを観察した。Venus陽性細胞を前・後方島皮質で検出可能であることを確認した。次にOxtr-Venusマウスに甘味であるサッカリンまたは水を90分間自由摂取させ、灌流固定後に脳を取り出し、cFOSとVenusの共発現解析を行なった。パイロット試験の結果、サッカリン刺激により前方島皮質では一部のOxtr-Venus陽性細胞とcFOS発現が共局在する可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、マウスへの甘味刺激によって、前・後島皮質のOxtr陽性細胞が活性化されるかcFOS発現細胞との共免疫染色によって検証する予定であった。パイロットテストを開始したが、実験を遂行中であるため進行状況はやや遅れていると判断した。遅れの理由は、Oxtr-Venusマウスの繁殖が遅れていることが挙げられる。現在、Oxtr-Venusマウスを最大限繁殖させており、次年度前半で実験を完了させる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、Oxtr-Venusマウスを最大限繁殖させている。次年度前半でマウスへ甘味・苦味刺激を行い、Oxtr-VenusとcFOSの共局在が有意に検出されるか結論付ける計画である。Oxtr-Venus陽性細胞が甘味・苦味刺激で活性化された場合、次年度後半では、島皮質へOXTRアンタゴニストを投与し、味覚識別行動に影響を及ぼすか検証する。
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