Project/Area Number |
23K19705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
清川 裕貴 朝日大学, 歯学部, 助教 (70980530)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | iPS細胞 / 乳歯歯髄細胞 / 1型糖尿病 / 再生医学 / インスリン産生細胞 / マウスへの細胞移植 / 抗腫瘍性 / β細胞 / 糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、乳歯歯髄細胞から組織特異的膵臓幹細胞(iTSC-P)を作製し、1型糖尿病(T1D)の根治的再生療法の開発を行うことである。T1Dは膵臓のインスリン産生細胞が自己免疫で破壊される疾患であるが、その根治的療法は未開発である。そこでiPS細胞を用いた膵臓の再生研究が進められているが、奇形腫形成や分化誘導の非効率性などが問題点として挙げられる。 そこで今回、乳歯歯髄細胞に遺伝子導入を行い、幹細胞特性と膵臓細胞の性質を併せ持ったiTSC-Pを作製し、T1Dモデルマウスへ移植することにより、in vivoにおける腫瘍形成の抑制、インスリン分泌細胞の再生、血糖値改善について検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病(Type 1 diabetes, T1D)は、膵臓のランゲルハンス島に存在するインスリン産生細胞(β細胞)が自己免疫により破壊されて引き起こされる疾患である。現在、T1Dの根治的療法は未開発のままであるため、T1Dの新規治療法としてiPS細胞を用いることによる膵臓の再生研究が進められているが、iPS細胞では奇形腫形成のリスクや目的組織への分化誘導の非効率性などが問題点として残存している。申請者らはこれまでに乳歯歯髄細胞(HDDPC)から、独自の分化誘導法による幹細胞特性と膵臓細胞の性質を併せ持った組織特異的膵臓幹細胞(Induced-Tissue-Specific-Stem-Cells-Pancrease, iTSC-P)を樹立し、インスリン分泌細胞の作製に成功した。しかし、将来的な臨床応用を考慮すると動物モデルによるiTS-Pの有効性を証明する必要がある。そこで本申請では、iTSC-PをT1Dモデルマウスへ細胞移植することで、腫瘍形成の抑制、インスリン分泌細胞(insulin-producing cell, IPC)の再生、血糖値の改善に関して検討を行い、T1Dのテーラーメイド型新規再生療法の有効性を示す。 当該年度においては、HDDPC由来のiPS細胞に対して、未分化転換培地(LIF、MEK inhibitorなどを含む)を用いて、培養を行うことで、マウスES細胞と同等の未分化性を有するNaive stem cells (NSC)の樹立に成功している。これは未分化マーカーであるSSEA1、Oct3/4についてRT-PCRにて確認を行った。次に膵臓への分化誘導遺伝子(NGN3、PDX1、MAFA)を搭載したベクターをpiggyBac系トランスポゾンベクター(pT-NPMTP)へと改変を行った。そしてpT-NPMTPベクター+ pTrans(transposase)+ pT-puro(puromycin耐性遺伝子)+ pT-EGFPをエレクトロポレーション法を用いて樹立したNSCに対して遺伝子導入を行い、選別試薬にて培養を継続している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、HDDPC由来iPS細胞に対して、未分化転換培地を使用することにより、ドーム状の形態をとるコロニーを認めたため、NSCへの未分化転換に成功している。RT-PCRにより未分化マーカーについても確認済みであり、NSCの樹立に至っていることを確認できた。 更にこれに対して、膵臓への分化誘導遺伝子を遺伝子導入することにより、遺伝子導入株を作製しており、緑色蛍光の発現を確認したことから、問題なく遺伝子導入について行えている。現在ではこの細胞に対してpuromycinを用いることで導入株と非導入株についての選別を行っている状態であり、細胞の回復を待っている状態である。 上記からほぼ予定通りに研究計画が進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、選別して得られた細胞のコロニーを徐々に拡大していき、cDNAを抽出した後に、未分化マーカーや膵臓分化誘導遺伝子が導入されているのか確認を行う。膵臓分化遺伝子が確認できた次第、膵臓分化誘導培地にて段階的に膵臓方向への分化誘導を行い、HDDPC-iTSC-Pを作製する。このHDDPC-iTSC-Pに対してもRT-PCRを実施することにより、未分化マーカーと膵臓細胞特異的マーカーに関して確認を行って未分化性と膵臓分化が維持されているのか確認を行う。 遺伝子発現を確認した後にHDDPC-iTSC-PをT1Dモデルマウスの膵臓へと移植することにより、血糖値の改善が可能であるのか、また移植部における腫瘍形成についての検討を行う。さらに凍結切片を作製し、免疫染色を行うことにより、インスリン産生細胞の再生について検討を行う。
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