Project/Area Number |
23K19732
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小野 翔矢 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (70980431)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 制御性T細胞 / Treg / 抗PD-1 / Tpex / 口腔癌 / 癌免疫療法 / 腫瘍免疫 / PD-1 |
Outline of Research at the Start |
再発転移口腔扁平上皮癌の標準療法である抗PD-1療法は、20-30%の患者にしか有益でない。この治療効果を高めるため、抗PD-1療法の予後不良と関連する「制御性T細胞(Treg)」を標的としたTreg除去療法の併用が注目されている。しかし、過去に研究されてきたTreg除去療法は抗腫瘍免疫応答に重要な細胞も除去するため、Tregをより特異的に除去する方法が探索されている。本研究では、口腔癌患者の腫瘍、リンパ節、末梢血からリンパ球を採取し、Treg除去療法の標的分子を発現する細胞分画やその機能を解析する。この結果から、口腔癌に対するTreg除去療法にとって好ましい標的分子や標的臓器を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌に対するTreg除去療法の開発にあたり、口腔癌患者の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、リンパ節リンパ球(LNL)、末梢血リンパ球(PBL)を採取し、表面マーカー・転写因子の発現および機能を評価することを目的に、研究を開始した。特に、抗PD-1療法の治療効果と関連する細胞集団に着目した。口腔癌と診断された患者の初回手術時に検体を採取した。採取した検体から末梢血は密度勾配遠心法で、他の検体は細切を行いリンパ球を分離し、うち2例において、フローサイトメトリーで細胞表面マーカーおよび転写因子の解析を行った。PBL、TILにおいて、CD3+CD8+TCF-1+PD-1+で認識される前駆疲弊T細胞(Tpex)分画の一部にCCR4発現がみられた。症例を重ねて検討する必要があるが、PBLにおいては健常人コントロールより発現頻度が高い傾向があり、末梢血を循環するTpexの一部がCCR4を標的としたTreg除去療法で除去される可能性を示した。TILに存在するTpexについては、一部CCR4の発現がみられるものの、PBLと比較して発現頻度は低かった。また、強い免疫抑制活性を有すると考えられているエフェクターTreg(eTreg)についても同時に評価した。eTregにおいては、Treg除去療法の標的分子ごとにPBLおよびTILの発現強度が異なる傾向がみられた。特にCCR4はTILよりPBLで強く発現し、CCR8はPBLよりTILで強く発現していた。従来型T細胞のTreg除去療法標的分子については、過去の報告通りセントラルメモリーT細胞にはCCR4の発現を認め、最終分化したエフェクター細胞ではCD25やCTLA-4、CCR4の発現を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初共同研究を予定していた3施設で倫理委員会の承認を受け、2023年9月末から検体の採取を開始した。臨床検体を採取する診療施設は2施設としたが、前年の実績より口腔癌の手術症例数が減少し、想定よりサンプルの収集が進まなかった。また、当初組み入れを予定していた患者においても、術前治療による腫瘍の縮小が著しく、病理診断に影響を与える恐れから検体の採取が行えない症例が複数みられた。研究期間内に予定していた症例数20例を組み入れることが困難であると想定され、他施設に協力を依頼した。2024年度中に1施設から協力を得て、当該施設の倫理委員会で承認を得た。 採取し得た検体については、フローサイトメトリーで細胞表面マーカーおよび転写因子の解析を行った。予備実験のマルチカラーパネルから変更を加え、健常人のコントロールを置いて実験を行ったが、実験系は問題なく、検体の収集次第適宜実験を行える状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
検体採取数の推移をみて、必要があればさらに他の施設に研究への協力を依頼する。5から10例程度の症例を収集した時点で、フローサイトメトリーによる表面マーカーおよび転写因子の発現に明らかな傾向がみられれば、その点に着目した機能解析実験を平行して行う予定である。当初の研究計画と比較して検体採取のスケジュールにやや遅れがあるが、現時点で研究内容の変更の予定はない。
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