Project/Area Number |
23K19749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0907:Oral science and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 佳愛 九州大学, 大学病院, 医員 (50982633)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 炭酸アパタイト / 炭酸基含有量 / 破骨細胞 / 骨形成 |
Outline of Research at the Start |
炭酸アパタイト骨補填材は世界初の骨の無機成分による人工骨補填材であり高い骨伝導性を有し、骨リモデリングに調和して新しい骨に置換される。申請者は炭酸アパタイト中の炭酸基含有量が材料の生体吸収性に影響を及ぼすことを報告しているが、炭酸基含有量が破骨細胞の分化および活性化、また、それに伴う骨芽細胞による骨再生に与える影響は明らかにされていない。そこで本研究においては、アパタイト中の炭酸基含有量が破骨細胞の分化や活性化に及ぼす影響を評価し、そのメカニズムを解明する。また、炭酸アパタイト上で活性化された破骨細胞と骨芽細胞の細胞間情報伝達を解析し、炭酸アパタイト中の炭酸基の骨再生における役割を明確にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
炭酸アパタイト骨補填材は世界初の骨の無機成分による人工骨補填材であり高い骨伝導性を有し、骨リモデリングに調和して新しい骨に置換される。申請者は炭酸アパタイト中の炭酸基含有量が材料の生体吸収性に影響を及ぼすことを報告しているが、炭酸基含有量が破骨細胞の分化および活性化、また、それに伴う骨芽細胞による骨再生に与える影響は明らかにされていない。そこで本研究においては、アパタイト中の炭酸基含有量が破骨細胞の分化や活性化に及ぼす影響を評価し、そのメカニズムを解明する。また、炭酸アパタイト上で活性化された破骨細胞と骨芽細胞の細胞間情報伝達を解析し、炭酸アパタイト中の炭酸基の骨再生における役割を明確にする。 当該年度は炭酸アパタイト中の炭酸基含有量が破骨細胞の分化や活性化に及ぼす影響の評価を行った。異なる炭酸基含有量を有する炭酸アパタイト上にRAW264.7細胞を播種して50 ng/mL RANKL刺激下で培養し、破骨細胞の分化マーカーである酒石酸抵抗性ホスファターゼ(TRAP)およびカテプシンK(CtsK)のmRNA発現量をリアルタイムPCRにより評価した。結果として、TRAPおよびCtsKの発現量に炭酸基含有量による有意差は認めなかった。また、走査型電子顕微鏡観察により炭酸アパタイト上で分化した破骨細胞数および吸収窩の数と面積を計測したところ、炭酸アパタイト上で分化した破骨細胞数はアパタイト中の炭酸基含有量が高くなるにつれて増加し、さらに、炭酸アパタイトに形成した吸収窩数および吸収面積は増大した。したがって、炭酸アパタイト中の炭酸基含有量が増えることで吸収性が増加するだけではなく、分化する破骨細胞数が増加する可能性が示唆された。現在は、破骨細胞の分化に関わる他の因子を検討し、炭酸基含有量の差により破骨細胞数が増加したメカニズムの解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験計画ではマウスの造血幹細胞を使用する予定としていたが、当該年度の途中で細胞の種類をマウスマクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞に変更し実験を行った。また、炭酸アパタイト上でのRAW264.7細胞から破骨細胞への分化に関わる培養条件を確立するのに時間を要し、当初当該年度に予定していた骨芽細胞を用いた研究を次年度に延期することとしたため、実験がやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、当該年度に実施した破骨細胞を用いた研究を進めると同時に、炭酸アパタイトディスク上の破骨細胞が骨芽細胞に及ぼす影響を検索する。実験方法としては炭酸アパタイトディスク上で破骨細胞を活性化し、その1 mm上に設置した多孔性メンブレン上で骨芽細胞を分化させ、アルカリホスファーターゼ(ALP)活性、コラーゲン産生、細胞の石灰化評価を行う。さらに、動物実験にて、炭酸基含有量の異なる炭酸アパタイトが生体内での破骨細胞、骨芽細胞の分化に与える影響を定量評価する。実験方法としてはうさぎ大腿骨に炭酸基含有量の異なる炭酸アパタイトを埋入し、埋入部位のTRAP抗体、CtsK抗体、ALP抗体等で免疫染色を行うことで、炭酸アパタイト中の炭酸基含有量が骨関連細胞の分化に及ぼす影響を生体内にて検索する。
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