Project/Area Number |
23K19769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
畑 菜都希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (70981041)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 可溶性エポキシド加水分解酵素 / 臍帯血 |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症(ASD)の有病率は高まっているが、原因不明のために生物学的診療手段が確立していない。近年、ASD特性の関連する分子として可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)が注目されている。先行研究では、ASDモデル動物の脳で生じるsEH増加とエポキシ脂肪酸(EpFA)低下が、ASD発症につながる可能性を示している。しかし、ヒトで胎児が曝露するsEHと、出生後のASD特性との関連は検討されていない。 そこで、本研究により浜松母子出生コホート研究データを用いて、臍帯血血清のsEHとASD特性との関連を明らかにし、ASD特性の予測に基づく超早期介入といったASD児への有効な支援に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)は社会的コミュニケーションの障害、興味の限局と常同的・反復的行動を特徴とする神経発達症である。有病率は高まっているが、病態は不明であり、ASD早期診断に資する生物学的指標は未だ存在しない。近年、ASDの病因に可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase: sEH)の関与の可能性が注目されている。sEHはエポキシ脂肪酸(epoxy fatty acid: EpFA)の代謝を調節し、ASDと関連する行動に影響を与えることが示されている。本研究では、浜松母と子の出生コホート研究で得られた臍帯血検体を利用して、臍帯血中のsEH濃度を測定し、出生子の発達指標との相関を解析することを目的とした。 共同研究先である米国UC DAVISの研究室より提供されたsEH ELISA試薬を元に、簡便性の高い酵素免疫測定法ELISAにて臍帯血からsEH濃度の測定を行った。しかし、sEH濃度の定量に必要な標準曲線の再現性が得られなかった。特に、標準曲線の算出に必要なsEHタンパク質の濃度値にバラツキがあったことや、試料以外の非特異的な干渉を減少させるためのブランク値の吸光度が高いといった技術的問題が確認された。再現性の高い標準曲線を確立するために、研究期間中にはELISA実験のプロトコルの改善や第三者による手技の確認など技術的向上および原因の探索を行った。その結果、ウェル内の洗浄が不十分であることが主な問題であることが明らかとなった。洗浄操作を改善することで、再現性の高い標準曲線が確立され、臍帯血中の sEH濃度の定量が可能となった。現在、約200例のサンプルを測定し、最終的に1258例の臍帯血サンプルの定量を目指すため、引き続き測定を進めていく状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
米国UC DAVISの研究室から提供されたsEH ELISA試薬を用いて、最終目標とする1258例の臍帯血からsEH濃度を測定する予定であった。しかし、sEH濃度の定量に必要な標準曲線の再現性に問題が生じた。特に、sEHタンパク質の濃度にバラツキがあり、非特異的な干渉も問題であった。これらを解決するため、ELISA実験のプロトコルの改善や第三者による手技の確認など技術的向上および原因の探索を行う必要があった。 現在、洗浄に問題があったことが分かり、再現性の高い標準曲線が確立され、臍帯血中の sEH濃度の定量が可能となった。約200例のサンプルを測定している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終的に1258例の臍帯血サンプルのsEH濃度の定量を目指すため、共同研究先である米国UC DAVISの研究室より提供されたsEH ELISA試薬を元に、正確なデータを取得できるように測定を進める予定である。すべてのサンプル測定が完了次第、測定した臍帯血血清中のsEHがASDの超早期診断指標として有用となるかの検証を行う予定である。
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