Project/Area Number |
23K19797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横田 理恵 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80981274)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 不妊 / 女性 / スティグマ / リプロダクティブヘルス / メンタルヘルス / ヘルスコミュニケーション / ストレスマネジメント |
Outline of Research at the Start |
日本では、近年、不妊治療が保険適用され、今後、患者の数は増えることが見込まれる。一方で、不妊治療を受ける女性の約半数には不安・うつが疑われる症状がある。この状況を鑑みると、不妊のスティグマによるストレス反応を軽減する取り組みは急務であるが、国内外で、このような取り組みは見当たらない。研究代表者らは先行実施した研究で、不妊患者のストレスマネジメントとして、スティグマを軽減し、自己非難を行わず、肯定的再解釈を促す必要があることを示した。本研究は、この研究成果を発展させ、ナラティブコミュニケーション理論に基づき、不妊治療を受ける女性のスティグマとそれによるストレス反応を軽減することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不妊治療を受ける女性のスティグマによるストレスを低減するための研究である。先の研究において、不妊治療を受ける女性は、スティグマを感じ、それに対して脅威を感じ、自己非難や感情表出のコーピング方略を行うほど、ストレス反応が高いことが明らかになった。逆に、肯定的再解釈のコーピング方略を行うほど、ストレス反応が低くなることが明らかとなった。本研究では、当事者の体験談が同じ境遇の人のスティグマを低減し、健康行動を促すという理論に基づき、①スティグマ、自己非難、感情表出、肯定的再解釈に関する不妊治療を受ける当事者のナラティブ(体験談)の収集・類型化、②介入効果が高く、介入に適したナラティブの再編成、③それぞれのナラティブのストレス軽減の効果の検証を目的に、研究を実施している。 2023年度後半の半年間は、まず、不妊治療を受ける女性のスティグマから心理的苦痛に至る経路を明らかにし、学会報告を行い、また、論文を国際誌に投稿中である。つぎに、「不妊治療を受ける当事者のナラティブ」の収集と類型化に向けての情報収集として、先行研究のレビューを行った。これにより、当事者のナラティブは、スティグマの低減や健康行動の促進に効果があることが分かった。一方で、不妊治療を受ける女性のスティグマの低減、健康行動の促進に効果があるかどうかは明らかになっておらず、本研究の意義がより明確になった。また、不妊治療を受ける女性のインタビュー調査を実施するため、ヘルスコミュニケーション学の専門家、医師、看護師に対し、研究計画に関するヒアリングを行った。その結果により、参加者の組入れ基準、除外基準を明確にし、インタビューガイドを洗練させ、同時に、研究体制の構築(監査証跡、ピアレビューの人材確保)を行った。現在、研究倫理申請を行っているため、審査が終了後、直ぐにインタビュー調査を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2024年4月に東京大学から星薬科大学へ異動し、研究倫理申請を異動先で実施する必要があり、研究倫理申請の提出に遅れが生じた。また、異動に伴う研究へのエフォートの変更を余儀なくされ、進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、異動先において、研究倫理申請を行っている。実施許可通知書を受け取り次第、すみやかに、不妊治療を受ける女性に対してインタビュー調査を行い、①スティグマを感じた経験、②自己非難のコーピング方略の経験、③感情表出のコーピング方略の経験、④肯定的再解釈のコーピング方略の経験など、不妊治療を受ける当事者のナラティブの収集する。インタビューデータがそろい次第、テーマティックアナリシス法を用いて分析を行う。この一連の過程で、専門家の監査証跡とピアレビューを受ける予定である。その後、国際誌への論文投稿を行う予定である。さらに、収集したデータから、介入効果が高く、介入に適したナラティブの再編成し、それぞれのナラティブの①スティグマ低減、②コーピング方略の行動意図、③ストレス軽減の効果の検証する予定である。
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