Project/Area Number |
23K19835
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬場 研二 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30642615)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 外科教育 / 遠隔手術教育 / 内視鏡下結紮縫合トレーニング / 離島医療 / 内視鏡外科手術 / web会議ツール |
Outline of Research at the Start |
コロナ禍で人の移動が制限され、外科教育にも負の影響があった。そこに登場したWeb会議ツールは医師だけでなく、我々の生活の一つとして定着した。多数の離島を抱える鹿児島県において、Web会議ツールを用いた遠隔手術教育が、外科手術指導における有効な教育方法として確立できれば、離島をはじめとした遠隔地域の外科手術の向上につながるのではないかと考えた。この教育方法が確立すれば、外科診療全体のレベルアップに寄与し、外科治療の質の向上につながるとともに、最終的には患者の健康増進に広く寄与する社会的に意義のある教育方法になると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍でWeb会議ツールが拡がり、移動せずに会議に参加できる環境になった。本研究では、Web会議ツールを用いた遠隔手術教育は、鏡視下手術指導における有効な教育方法になりうるのではないか、という仮説をたてた。多数の離島を抱える鹿児島県において、遠隔手術教育の効果を証明し、臨床の現場で活用できるシステム構築を図ることを目的とした。 鹿児島大学を中心に、鹿児島市内の今村総合病院、離島の種子島医療センターと県立大島病院の計4施設をWeb会議ツール「zoom」で繋ぎ、各施設同じipadと内視鏡トレーニングボックス、縫合練習パッドを用意した。鹿児島大学を発信拠点とし、自施設含め各1~2名の研修医または専攻医を対象に、1回1時間、内視鏡手術の基本手技である結紮縫合における講義と実技を全3回行った。講義は15分とし、縫合結紮の座学や習得すべきタスクについてzoomで講義した。30分かけて、内視鏡トレーニングボックスを用いて縫合結紮の練習を行った。ipadのカメラで映し出された映像をzoom越しに鹿児島大学で観察し、適宜指導を行った。講習の最後15分で、結紮縫合のタイムトライアルを行い、全3回の時間を計測し、上達程度を評価した。また1回目と3回目には小テストを行い、講義内容の習得状況を確認した。また、受講者にとって遠隔での講義や実技指導が有効であるかについてのアンケートを、各講習毎3回行った。これまで計3回の講習を2コース14名に対して実施した。現在も新な講習を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の如く、使い慣れたzoomを持ちいた遠隔外科教育は、ハード面の準備、受講者の受け入れ状況など予想以上に導入が良好でスムーズに実施でき、忙しい参加医師が4施設同時間に集まるということにやや難がある以外は、おおむね進捗は順調である。医師の働き方改革による就業時間での実施や、研修医の参加状況などの問題はあるものの、受講者を広く設定したことで、受講者数を増やことは可能であり、更に本研究をすすめるべく取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
全3回の講習を現在2コース終了し、14名の受講者を得た。現在3コース目で8名参加している。今後さらに1コース施行し、4コースで約30名の受講者を行う予定である。30名終了時点で、タイムトライアルのデータや小テストの点数、アンケート結果を集計する。現在14名の終了時点では、14名すべてでタイムトライアルの時間短縮が得られ、遠隔での手術教育の効果を感じている。また、小テストも現地で講義を聞く環境と遠隔地で聞いても、点数に差はなく、web会議ツールによる講義というのは、改めて有効と感じた。アンケートでは、遠隔でも手技を見てもらうことができ、適切な指示や教育を受けることで、手技が上達したという感想がある一方で、現地でサポートしてくれる上級医のコメントの方が、zoom越しの教育よりも効果的であるという意見もあった。また同時刻に離れた環境で同世代とタイムトライアルなど競う環境が作られたことで、若手医師にとってのやる気や負けん気を起こさせているとう、当初本研究を開始する際には考えていなかった受講者からの意見は大変新鮮であり、本研究の効果の一つと感じている。今後は得たデータを集計し、学会や論文発表ができるようまとめ、本研究が今後の新しい外科教育の一つの形として形成できるようになればと考えている。
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