Project/Area Number |
23K19930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
石澤 里枝 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 講師 (20760218)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 腸内細菌由来毒素 / 機械受容チャネル / 骨格筋の感覚神経 / 運動昇圧反射 / 骨格筋の求心性神経 / 肥満 |
Outline of Research at the Start |
肥満患者では運動時に過剰な血圧上昇を示すことが知られており、この異常な血圧応答は心筋梗塞といった心血管疾患の危険因子となる。しかしながら、肥満による運動時の過剰な血圧上昇のメカニズムについては明らかとなっていない。肥満患者においては悪玉の腸内細菌(グラム陰性菌)が上昇していることが分かっており、悪玉の腸内細菌は感覚神経の感作を引き起こすことが報告されている。運動時の血圧応答は骨格筋の感覚神経の活動を介して生じることから(運動昇圧反射)、本研究では悪玉の腸内細菌による骨格筋の感覚神経の感作を介した運動昇圧反射の応答について明らかとすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
肥満患者では運動時に過剰な血圧上昇を示すことが知られており、この異常な血圧応答は心筋梗塞といった心血管疾患の危険因子となる。しかしながら、肥満による運動時の過剰な血圧上昇の原因については明らかとなっていない。そこで本研究では、肥満における運動時の過剰な血圧上昇のメカニズムとその原因を探るために、腸内細菌由来の毒素リポポリサッカライドLPSが機械受容チャネルPiezo1に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 本年度はまず、ラット骨格筋-神経標本を用いて、LPS刺激後にYoda1添加(Piezo1アゴニスト)に対する骨格筋の感覚神経IV群線維の神経活動を確認した(ex vivo実験)。その結果、LPS刺激によって骨格筋の感覚神経IV群線維におけるPiezo1の応答が有意に上昇した。さらに、HEK293細胞を用いて、LPS刺激後のPiezo1タンパク質の変化をウエスタンブロッティング法によって検証した(in vitro実験)。その結果、コントロールと比べて、LPS刺激によってPiezo1タンパク質の増加傾向が示された。したがって、肥満による運動時の過剰な血圧上昇の原因はLPSによる骨格筋の感覚神経IV群線維のPiezo1の活性化によって引き起こされる可能性が示唆された。 現在、HEK293細胞を用いて、LPSによるPiezo1の細胞質から細胞膜への移動(トランスロケーション)に関する実験を遂行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度より国外から現在の所属機関へ変わったため、実験室や実験機器などの環境を整えることに時間を要し、実験の着手が当初の予定よりも遅れた。本所属の実験環境を整えると共に、他大学の研究協力者からもサポートいただきながら本研究を遂行している状況である。研究実績の概要の項に記した通り、LPSが機械受容チャネルPiezo1に及ぼす影響について本研究の土台となるデータは得られているが、当初の予定であったPiezo1のトランスロケーションの検出までには至っていないため、『やや遅れている』と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
LPSがPiezo1に及ぼす影響について、ex vivo実験系ではそのデータが得られたものの、in vitro実験系でのPiezo1のトランスロケーションについてはまだ明らかとなっていない。今後は、HEK293細胞を用いてLPS刺激による細胞膜Piezo1タンパク質の検出を行い、LPSによるPiezo1のトランスロケーションについて明らかにする予定である。
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