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Creation of a new Regenerative-rehabilitation for depression treatment with soluble Siglec-9 and exercise

Research Project

Project/Area Number 23K19932
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section 0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

松原 弘記  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60976009)

Project Period (FY) 2023-08-31 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords分泌型Siglec-9 / 高脂肪食摂取抑うつモデル / 脳内炎症 / ミクログリア / うつ病 / 運動 / 再生リハビリテーション
Outline of Research at the Start

近年、うつ病と脳の炎症との関連が注目されている。ストレスが脳内免疫担当細胞のミクログリアを活性化させ、脳内に炎症を引き起こすことで、神経萎縮、神経新生の減少が生じ、うつ様行動が出現するとされる。本研究では、過去に代表者が報告した抗炎症・組織再生ミクログリア誘導因子である分泌型Siglec-9をうつ病モデルマウスへ投与し、脳内炎症抑制効果や神経新生促進効果、うつ様行動改善効果を評価する。さらに、分泌型Siglec-9投与と、うつ病に対して効果実績のある運動を組み合わせ、その相乗治療効果を検証する。これにより、再生と運動を組み合わせたうつ病治療に対する新しい再生リハビリテーションの創出を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、計画通り動物実験を主に研究を進めた。先ず、C57/BL6マウスに4週間高脂肪食(HFD)を摂取させた。その結果、普通食摂取群と比較しHFD摂取群において有意な体重増加を示した。また、抑うつ行動評価で、HFD摂取群で有意な抑うつ様行動を示した。以上から、治療介入開始時期をHFD摂取開始後4週とした。
次に、HFD摂取開始4週後からHFD摂取群を、HFD摂取群(H群)、HFD摂取+s-Siglec-9投与群(H+S群)、HFD摂取+自発運動群(H+E群)に分け、4週間継続飼育を行なった。その結果、HFD総摂取量と総摂取カロリーに有意差がないにも関わらず、H群と比較し、H+S群、H+E群において有意な体重減少を示した。また、スクロース嗜好性試験、尾懸垂試験、強制水泳試験、オープンフィールド試験で、抑うつ様行動の有意な改善がみられた。これらの結果から、HFD長期摂取によって誘発された抑うつ様症状に対し、s-Siglec-9と自発運動は抗抑うつ効果を示すことが示唆された。さらに、HFD摂取+s-Siglec-9投与+自発運動群(H+S+E群)を作成し、4週間継続飼育を行なった。その結果、H+S群、H+E群と比較し、H+S+E群では有意な体重減少を示し、それは普通食を8週間継続摂取した群と有意差を認めない程だった。また、各行動評価においても、H+S+E群では、H+S群、H+E群と比較し改善を認める傾向を示した。以上の結果より、s-Siglec-9投与に自発運動を組み合わせることで、より強い抗抑うつ効果を示すことが示唆された。
現在、各群脳の免疫組織学的・遺伝子学的解析を行なっており、脳内炎症の評価と治療介入による病態変化を検証中である。また、併行し培養ミクログリアを用いた活性化ミクログリアに対するs-Siglec-9の直接的抑制効果も検証開始しており、良好な結果を得ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、本研究の主軸となる高脂肪食(HFD)長期摂取抑うつモデルマウスの安定的作成プロトコルの樹立と、適切な治療介入時期の綿密な検討を行い、今後継続的な動物実験を行える環境を整えることを第一の目標とした。
当初の計画通り、HFD摂取開始4週の時点の評価で、普通食摂取群と比較し、HFD摂取群で有意な体重増加と抑うつ様行動を示したため、治療介入開始時期をHFD摂取開始4週後と設定することができた。また、治療介入群として設定したs-Siglec-9投与群、自発運動群、s-Siglec-9投与+自発運動群においても、s-Siglec-9の投与方法・手技、投与濃度や投与頻度、自発運動の回転運動器具の種類や設置方法などを予め事前実験で検討し、最適な治療介入方法を策定することができたと思われる。各治療介入群の介入後の体重経過や最終的な行動評価の経過は非常に良好で、次年度も継続的に本研究を進めることができると考えられた。
一方で、2023年度末までに予定していた脳の免疫組織学的・遺伝子学的解析は多少遅れが生じており、現在の直近の課題となっている。さらに、2023年度終わりからは、動物実験に併行して培養ミクログリアを用いた活性化ミクログリアのs-Siglec-9による活性化抑制の検証を開始しており、事前実験を重ねて実験プロトコルを樹立しつつある状況である。これらの経過から“おおむね順調に進展している”と自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

2024年度前期の第一の課題としては、脳の免疫組織学的解析と遺伝子学的解析を進めていくことである。これら解析によって、高脂肪食(HFD)長期摂取抑うつモデルマウスが示す抑うつ様行動が、治療介入を行うことで改善を示す病態変容メカニズムの解明を目指す。HFD長期摂取によるミクログリアの活性化・脳内炎症の惹起を免疫組織学的・遺伝子学的に評価し、治療介入群とで比較検証する。これら解析のために必要な試料・試薬・器材はすべて揃っているため、研究計画に合わせて粛々と進めていく予定である。また、追加の検証で試料がさらに必要になった場合に備え、前年度に樹立した本研究の動物実験プロトコルも継続して実施し、適宜試料の補充を行う。その際は、体重経過記録と抑うつ行動評価の検証も行い、実験の再現性を常に確保しながら実施する。
第二の課題としては、現在併行して行なっている培養ミクログリアを用いた活性化ミクログリアのs-Siglec-9による活性化抑制の有無の検討を進め、s-Siglec-9の活性化ミクログリアに対する直接的な抑制効果を検証することである。現在、実験プロトコルは確立しており、s-Siglec-9による活性化ミクログリアの効率的な活性化抑制を遺伝子学的解析により確認している。今後、他の解析手法でも検証していく予定である。
2024年度後期からは、これら結果を順次まとめ、本研究におけるs-Siglec-9や自発運動の抑うつ様行動に対する治療効果をその病態メカニズムから理解する。そして、年度末の研究成果報告に向けて国内外の学会発表や論文制作を進めていく予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-09-11   Modified: 2024-12-25  

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