Project/Area Number |
23K19962
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1001:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 亮祐 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 特任助教(常勤) (90983122)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 光集積回路 / 自動設計支援技術 / 最適化アルゴリズム |
Outline of Research at the Start |
本研究では論理合成と配置配線を統合して一つの最適化問題として捉えて,その最適化アルゴリズムを構築する.さらに,構築したアルゴリズムから得られた回路図を基にチップ試作を行う.そして,測定結果を検証し自動設計アルゴリズムで用いるパラメータを補正することにより,アルゴリズムの性能をさらに向上させる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的である多数の論理ゲートが配置・配線される光論理回路の性能を最大化する自動設計技術の確立を目指して次の二つの研究項目に取り組んだ.(1)光論理回路の物理特性を考慮した自動設計アルゴリズムの構築.(2)光論理回路の実チップの設計. 研究項目(1)では,導波路の交差におけるクロストークや電力損失を削減するような自動設計アルゴリズムの研究に取り組んだ.光論理回路において導波路の交差はノイズの増加や消費電力の増大につながるため,導波路の交差がなるべく少なくなるような論理合成が不可欠である.この課題の対策として,光論理ゲートの端子を最大限に活用することで,導波路の交差を光論理ゲートに置き換える手法が提案されている.本研究では,これらの既存手法を組み合わせて導波路の交差が少なくなるような論理合成アルゴリズムを構築した.さらに,この論理合成アルゴリズムに導波路の交差におけるクロストークや電力損失を最適化の制約として組み込むことにより,論理合成により得られる回路の性能向上が期待される. 研究項目(2)では,研究項目(1)で構築したアルゴリズムにより得られた論理回路を光集積回路のチップ上に設計した.(1)のアルゴリズムは全ての導波路の交差を削除できるものではないため,設計した光論理回路は導波路の交差を含んでいる.このチップを測定・検証することにより上記の導波路の交差のパラメータを抽出する.得られるパラメータはアルゴリズム中で用いられる理論値とは異なることが予測される.したがって,得られたパラメータを用いて自動設計アルゴリズムを改良することにより,光論理回路の性能の向上が見込まれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では1年目に,(1)光論理回路の物理特性を考慮した自動設計アルゴリズムを構築すること,(2)自動設計アルゴリズムにより得られた回路を実チップ上に試作することを目標としていた. これまでの研究で,自動設計アルゴリズムを構築し,それにより得られた論理回路を光集積回路チップ上に設計した.このように(1)と(2)の両方の項目で目標を達成できたため本研究課題の進捗は順調であると言える. しかし,これまでの研究で構築した自動設計アルゴリズムは小規模な論理関数を対象とするものである.多数の論理ゲートが配置されるような大規模な光論理回路の性能を最大化する自動設計技術を確立するという本研究課題の目的を達成するためには,現状の自動設計アルゴリズムでは不十分であるためアルゴリズムの拡張が必須である.したがって,おおむね順調に進展しているという評価が適切であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の進捗と本研究課題の目的を踏まえて次の二つの研究項目に取り組む.(1)実チップの測定・検証すること.(2)自動設計アルゴリズムを大規模な論理関数にも対応可能なものに拡張すること. 研究項目(1)では,これまでの研究で設計した導波路の交差を含む光論理回路チップを測定・検証することにより,導波路の交差におけるクロストークや電力損失に関するパラメータを抽出し,論理合成アルゴリズムに組み込むことを目指す.この研究により,光論理回路の物理特性を考慮した自動設計アルゴリズムを構築することが可能になる. 研究項目(2)では,自動設計アルゴリズムを大規模な論理関数に対応可能なものに拡張することを目指す.これまでの研究で構築したアルゴリズムは論理関数に対して最適な回路を設計するものである.最適解を導出するために全探索をベースとしたアルゴリズムを採用しているために,大規模な論理関数に対して適用することが計算量の観点で非現実的である.そこで,今後は小規模な論理関数に対する最適な回路をライブラリとして大規模な回路をヒューリスティックに最適化するアルゴリズムを研究する.ヒューリスティックなアルゴリズムを採用することにより,大規模な論理関数に対応可能なアルゴリズムになることが見込まれる.
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