Project/Area Number |
23K19999
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1002:Human informatics, applied informatics and related fields
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯川 光 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80981365)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 協調作業 / 感覚刺激 / 感覚共有 / 知覚特性 / 力感覚 |
Outline of Research at the Start |
協調作業時の協調相手への共感が作業性の向上と心理負荷の低減に寄与すると考え、共感を誘発する代行的力感覚提示手法を開発する。社会的な行動に影響する共感を生起するためには、相手の状況を適切に理解する必要がある。しかし、代行的提示手法は作業を阻害しないが、刺激を解釈する必要があり直感性が低下する。さらに、我々の身体は個人差があり、同じ刺激を提示されても主観的負荷は異なる。そこで本研究では直感性と主観的な負荷の差異の観点から、共感を生起する刺激提示手法の設計論を検討する。また、設計論に基づきデバイスを作成し、実際の協調作業において作業性と心理負荷を評価し、主観的・客観的に有用性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は協調作業時に相手の状態を適切に理解することで、相手への共感を誘発する代行的力感覚提示手法を開発することを目的とする。直感性と主観的な負荷の差異の観点から、刺激提示手法の設計論を検討する。 本年度は感覚刺激の種類ごとの知覚特性の比較と、主観的な負荷の個人差を考慮した刺激強度変調を行うための身体パラメータの調査を実施した。刺激種類ごとの知覚特性では、ウェアラブルデバイスでの活用例が多い振動刺激と締め付け刺激を対象とした。識別能力を比較するために刺激強度ごとのJNDを評価し、ウェーバー比を算出した。その結果、振動刺激は刺激強度に関わらずウェーバー比に変動がなく識別能力が一定であったが、締め付け刺激は基準刺激の強度が強くなるほど識別能力が向上する傾向が示された。この結果は、例えば、ノイズが大きい環境で使用する場合、感覚刺激に対するマスキングを考慮すると、強い強度で高い識別能力を有する圧迫刺激が優位性を持つ可能性があるなど、感覚提示装置を作成する際の設計論として活用できる。 主観的な負荷の個人差については、表現したい現象に対して直感的に連関できる刺激強度を評価させるとともに、個人の身体特性との関係を明らかにし、負荷の個人差を予測可能な身体パラメータを考察した。自身が持ち上げた物体の重さを、振動刺激を用いて直感的に表現できる刺激強度を回答する実験を行った結果、重さに対して直感的と評価する振動強度には個人差が見られた。さらに身体特性との関係をみると、身長、筋肉量、 握力との間に負の相関が見られた。 すなわち同じ重さの重りを把持した場合でも、これらの値が大きいほど直感的な振動強度は弱く、 反対にこれらの値が小さいほど振動強度を強く評価することが示され、個人差を予測可能な身体パラメータの存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初と実施順を変更したが、概ね順調に進んでいる。本年度は、刺激種類ごとの知覚特性の比較と、来年度実施予定であった主観的な負荷に応じた変調に用いる身体パラメータの調査を先行して行った。本年度実施予定であった提示部位の検討については、作業の特性による要因が大きいことを考慮し、実際の協調作業をベースとした効果検証と並行して行う。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は刺激強度の補正手法を検討し、本年度の知見と併せて、直感的かつ個人の主観的な負荷を考慮した変調が可能な感覚提示装置を作成する。最終的には、作成したデバイスを用いて家具の組み立てなど複数の作業(運搬、位置の固定等)が混在する一貫した作業を対象とした検証を行う。行動的指標による作業性の量的評価、作業者の主観的評価、生理指標による作業内容の質的な評価および作業者の心理面の評価を行う。
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