Project/Area Number |
23K20013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1002:Human informatics, applied informatics and related fields
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
大内 翔平 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 助教 (30982574)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | MRI / Deep Learning / 画像再構成 / 高画質化 / 深層学習 / 撮像高速化 |
Outline of Research at the Start |
磁気共鳴映像法(MRI)は人体に非侵襲な撮影が可能であるが、撮影が長時間に及ぶ課題があり、撮影の高速化法が提案されている。近年では、画像の再生に深層学習を導入することで、短時間での撮影と高品質な画像の再生を両立できる可能性が示された。その一方で、深層学習による画像再生法の実用化および、MRIによる診断の機会向上のためには、撮影時間のさらなる短縮と高品質な画像再生の両立が必要である。本研究では、上記の課題の解決に向けて、深層学習による新たな画像再生法を提案し、その有効性を明らかにする。また、撮影時に発生しうるノイズ成分が画像再生に与える影響についても検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴映像法(MRI)は、人体に非侵襲な撮像が可能であるが、撮像が長時間に及ぶため、高速化法が提案されている。近年では、MR信号からの画像再構成に深層学習を利用することで、MR信号の収集量を削減し、短時間での撮影と高品質な画像の再構成を両立できる手法が提案された。その一方で、依然として撮像中の患者の待機時間は長いため、深層学習を利用した手法の普及および、MRIによる診断機会の向上のためには、撮像時間のさらなる短縮と高品質な画像再構成の両立が求められている。本課題では、MR信号空間を任意の領域で切り出して作成したパッチを再構成時の”手がかり”として利用する方法および、撮像時にノイズが混入した場合を想定した、画像再構成とノイズの除去を同時に行う一体型CNNの2手法について検討を行う。令和5年度は、パッチ化を基本とした再構成法とパッチ化しない通常の手法との比較による、提案法の有効性の検討および、再構成とノイズ除去を同時に行う方法における画像品質について調査を行った。 パッチ化を基本とした再構成法では、パッチを各周波数帯域ごとに生成して再構成に使用することで、CNNが各周波数帯域の情報を有効に活用した再構成を行える。当年度は、MR信号の全周波数帯域を重複無くパッチ化する方法に着目し、パッチの生成枚数などを検討した。検討の結果、提案手法では通常手法よりも良好な再構成ができる場合があった。また、パッチ化の手法を応用した新たな再構成法を提案し、被写体の微細な構造に対して高い復元性能を持つことを確認できた。 再構成とノイズ除去を同時に行う手法については、少数のMR信号から再生した”乱れ”のある画像に対して、撮像時にノイスが混入した場合を想定したシミュレーション実験を行ったところ、比較的小さいノイズ量であっても、画像品質の低下に影響があることを確認したため、画質改善手法について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パッチ化を基本とした再構成法では、パッチ化する枚数の検討および、パッチ化を応用した新たな手法の検討を中心に行った。 本手法は、信号空間を任意の領域で切り出すことで、さまざまな特徴を有した画像を生成し、再構成に利用できる。当年度は、各パッチが低周波数から高周波数までの帯域を均等に含む条件となる4分割および、各周波帯域を独立に切り出せる9分割の2通りについて検討し、各パッチを逆フーリエ変換によって画像化して、画像空間上での再構成に利用した。その結果、MR信号の削減量が比較的少ない条件において、本手法はパッチ化をしない通常の手法よりも画像品質が向上すること、パッチの分割数が多い方が良好な結果を示すことを確認した。 また、パッチ化を応用した新たな手法として、MR信号空間のうち低周波数領域のみを含むパッチ、中間周波数領域までを含むパッチのように、次第に領域を拡大しながら複数回のパッチ化を行い、CNNでそれぞれのパッチを再構成する新たな手法を考案した。シミュレーションの結果、本手法では小脳のような微細な構造に対して高い復元性能が示された。 再構成とノイズ除去を同時に行う手法については、シミュレーション実験の結果、混入するノイズ量が小さい場合であっても、ノイズ混入のない、すなわち再構成のみを行った場合と比較して、画像品質の低下を確認した。本研究における画像品質の改善手法として、CNNを2段のカスケード接続とし、1段目のCNNは主に再構成処理を、2段目のCNNは1段目のCNNにおいて復元しきれなかった構造やノイズの除去を学習したところ、単一のCNNのみを用いる場合よりも画像品質が大きく向上することを確認した。以上より、本年度の研究はおおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
パッチ化を基本とした再構成法では、これまでの検討から、MR信号の削減量が比較的少ない場合に良好な性能を示していたが、この条件は、MR信号の収集において高周波数領域の削減率が少なかった場合に該当する。したがって、本手法に適したMR信号の間引き収集パターンの特徴について調査を行う。また、これまでに検討したパッチ化では、領域の重複が生じないように切り出しを行なっていたが、パッチ間での重複を認めた切り出しも可能である。この場合、生成できるパッチ枚数の増加や、これまでの重複のない場合とは異なる、新しい特徴を有した画像の生成が可能となるため、パッチ化の方法について改良を行う。 再構成とノイズ除去を同時に行う方法では、これまでに検討したカスケード接続による方法において、用いるCNN構造の改良を検討する。特に、MR画像の深層学習再構成においては、信号回復理論である圧縮センシングを応用した数式的な再構成法をCNN上に展開したUnrolling型CNNが存在する。圧縮センシングは、ノイズ除去に対しても高い性能を示すことが明らかにされているため、Unrolling型CNNを本手法に導入する。導入の有効性を検討するとともに、スパース化に用いる関数など、構造について改良を行う。
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