Project/Area Number |
23K20016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1002:Human informatics, applied informatics and related fields
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
後藤 瑞甫 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 流動研究員 (40981113)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 発達障害 / 感覚過敏 / 感覚鈍麻 / 感覚特性 / 自閉症モデル動物 |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症(ASD)者の多くが複数の感覚の問題を抱える。代表的なものに特定の感覚刺激が過剰に感じられ苦痛を伴う感覚過敏、逆に感覚刺激を感じづらい感覚鈍麻があり、これらの特性は日常生活や社会活動への参加の妨げにつながる。感覚の問題の現れ方は個人により異なり、その神経基盤は明らかにされていない。本研究では、ASD者にどれだけの感覚の問題が関係し合い併発しているかを調査する。さらに、マウスにおける関連する脳領域の解明や神経操作による感覚の問題の再現・緩和を試み、感覚の問題の併発の神経基盤の解明と介入手法の提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、自閉スペクトラム症(ASD)者の多くに見られる感覚過敏、感覚鈍麻をはじめとした感覚の問題同士がどのように関係し合うのかを調査し、感覚の問題の神経基盤の解明および支援につなげることを目的としている。令和5年度は、日常生活での感覚に関連した体験を尋ねる質問紙を作成、ASD者および定型発達(TD)者を対象とした予備調査を2回にわたり行った。はじめに、臨床現場で感覚の偏りの評価に用いられている質問紙や感覚の問題の先行研究の調査を行い、日常で経験する具体的な感覚の問題を網羅した質問紙を作成した。最初に実施した予備調査では、感覚のカテゴリーを超えて感覚過敏に起因する項目同士・感覚鈍麻に起因する項目同士の回答が連関していること、および異なる感覚カテゴリー同士の感覚過敏と感覚鈍麻が併発する可能性が示唆された。さらに、作成した質問紙についてASD当事者およびその家族などから意見を募り、質問文の表現・回答尺度の見直し、項目の追加、視認性の改善等を行った。その後、さらなる質問項目の吟味や予備的解析が必要であると考え、ASD者および定型発達者を対象に2回目の予備調査を行った。回答に加え、実験参加者に答えやすさや質問内容についての感想を聴取した。今後は予備調査の解析結果や実験参加者から得られた感想を踏まえ、質問項目の改訂や不要な質問項目の削除を行った後にASD者、TD者両方を対象とした数百人規模での本調査に移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、簡易的な質問紙調査をもとに問題提起された感覚の問題を、動物実験を用い実証、応用する内容であった。具体的な感覚の問題同士の連関自体が未知の問題であり、調査そのものに重要性を見出し、当初と比べより広汎な感覚の問題を網羅した質問紙を使用した大規模でより精密な調査研究を実施することとなった。現段階で質問紙が完成していること、予備調査の収集を終えていることを踏まえると、研究全体として概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査で得られた結果および実験参加者からの感想をもとに、質問文の表現の改訂や構成の見直しを行う。回答結果の解析をもとに、不要な質問項目の削除を行う。その後、ASD者およびTD者を対象として、センターへの来所およびWeb上両方で数百名規模の回答を募る。得られた回答から、発達障害診断の有無、性別、年齢などの属性による差異を踏まえたうえで感覚の問題の発現パターンや感覚の問題同士の連関を明らかにする。あわせて、自閉症スペクトラム指数など認知傾向の指標との比較も行う。
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