Project/Area Number |
23K20023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1101:Environmental analyses and evaluation, environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 健太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50985538)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 都市化 / 人馴れ / 生態系ディスサービス / 都市の野生動物管理 / エゾリス |
Outline of Research at the Start |
現在、世界各地で人馴れに端を発した人と野生動物の軋轢が深刻化している。中でも、人を恐れない野生動物が人を襲う事例が急増し、対策が緊急となっている。しかし、人への攻撃行動と人馴れの関係性については、科学的な検証が行われてこなかった。効果的な対策を講じるためには、人への攻撃性の上昇を解明し、攻撃性が高まりやすい環境を予測することが不可欠である。本研究では、都市のエゾリスをモデルに、都市化に伴う野生動物の攻撃性の上昇と、過度な人馴れが、人への攻撃を高める可能性を実証する。さらに、広域での解析により、人への攻撃性が高まる環境を予測して、さらなる攻撃行動の発生を防ぐ環境整備策の提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、都市のエゾリスをモデルに、過度な人馴れが野生動物の人に対する攻撃性の上昇を招く可能性を検証する。さらに、広域での環境解析により、人への攻撃性が高まりやすい環境を予測するモデルを構築して、さらなる攻撃行動の発生を防ぐ環境整備策の提案を目指す。近年、様々な野生動物が都市や人間の生活圏に進出するようになっている。それに伴い、野生動物が人間を攻撃するケースが増えているが、そのメカニズムは解明されていない。効果的な対策を講じるためには、人への攻撃性の上昇メカニズムを解明することに加え、攻撃性が高まりやすい環境を予測することが不可欠である。本研究を行うことで、これ以上の人身被害を防ぎ、人と野生動物の共存の実現に貢献する、都市の緑地開発の方法を提案する。本研究では、自身が作成した行動指標を用いて、複数の都市と複数の公園に生息するエゾリスを対象に、人馴れと人間への攻撃行動を評価し、リスが生息する環境との関連性を解析する。それをもとに、行動と環境との関連性から、攻撃性が高まりやすい環境を予測するモデルを作成する。 初年度は、基盤となる行動データの取得を行った。複数の都市および複数の都市公園において、エゾリスの人馴れ(逃避距離をもとに)や人間への攻撃性(威嚇接近行動をもとに)の行動の評価を行った。当初の予定通り、様々な地点において上記の行動を評価することができ、十分な行動データが取得できたことから、研究はおおむね順調に進んでいる。今後は、それらと環境との関連性を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、複数の都市および複数の都市公園において、エゾリスの人馴れや人間への攻撃性の行動の評価を行った。これまで調査を行ってきた調査が、研究の候補地であったがいくつかの公園で行動を測定することができなかった一方で、新たに公園を加えることで、十分な地点数の確保に努めた。そのため、当初の予定通り、様々な地点において上記の行動を評価することができ、十分な行動データが取得できた。また、今後、新たに調査が実施できそうな公園を視察するなど、今後のさらなるサンプル確保に向けた準備を行うこともできた。そのため、研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各都市の各公園における行動の評価に加えて、それらに関連する環境要因の評価を行いたい。現地調査とGISを用いて、人馴れ度合いや人間への攻撃性に関連すると予想される公園の環境の特徴を定量化して、各行動との関連性を評価する。それらをもとに、攻撃性が高まりやすい公園の特徴をマッピングする。
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