Project/Area Number |
23K20061
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Project/Area Number (Other) |
19H03695 (2019-2020)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2019-2020) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金丸 和正 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20792500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 聡子 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (20360589)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Ceased (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,035,541 (Direct Cost: ¥2,335,031、Indirect Cost: ¥700,510)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2019: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / C型レクチン受容体 / ハウスダストマイト |
Outline of Research at the Start |
アトピー性皮膚炎の病態の全容は未だ解明されていない。アトピー性皮膚炎モデルマウスであるマウスAではC型レクチン受容体の発現が消失している。マウスAのC型レクチン受容体の発現を修復した結果、皮膚炎が改善したことから、C型レクチン受容体の機能不全が病態の原因の1つであることが示唆された。本研究ではアトピー性皮膚炎におけるC型レクチン受容体の機能を明らかにすると共に、受容体のリガンドを同定する。また、ヒトにおける機能的相同分子の同定と、ヒトアトピー性皮膚炎への関与を検証する。これにより糖鎖成分のアトピー性皮膚炎の病態における役割を解明し、新規制御法開発に向けた基盤的知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
ハウスダストマイト(HDM)はアレルギー性疾患における主要アレルゲンである。本研究ではHDMに対して感受性の高いNC/NgaマウスのClec10a遺伝子にナンセンス変異が存在することを見出し、HDM高感受性の原因であることを明らかにした。Clec10a遺伝子がコー ドするClec10aはC型レクチン受容体の1つであり、アレルギー反応における機能はこれまで不明だった。 HDMに対する免疫応答におけるClec10aの詳細な機能を解析するため、野生型(WT)及びClec10a遺伝子欠損(KO)マウスにHDMを塗布し皮膚炎を誘導した結果、Clec10a KOマウスで皮膚炎が増悪した。またHDM刺激後にClec10a KOマクロファージの炎症性サイトカイン産生が亢進したことから、Clec10aはマクロファージの活性化を 制御する抑制性受容体であることが分かった。更にHDMに存在するClec10aのリガンドに対して、糖鎖解析手法の1つであるレクチンマイクロアレイ解析を行なった 結果、Clec10aリガンドが高度に糖鎖修飾されたムチン様分子であることが示唆された。またLPS誘導性皮膚炎へのClec10aリガンドの添加により皮膚炎が抑制されたことから、Clec10aリガンドの抑制的機能が示唆された。ヒトにおけるマウスClec10aの機能的相同分子を探索した結果、ヒトAsgr1がマウスClec10aと同様にHDM に含まれるムチン様分子を認識し、HDM刺激後のマクロファージ活性化を抑制することが分かった。更にムチン様分子に含まれる糖鎖をスクリーニングした結果、マウスClec10aのリガンド糖鎖を同定した。今後、ヒトにおけるClec10aリガンド糖鎖およびヒトAsgr1の役割を解明することにより、アトピー性皮膚炎に対する新規治療法開発に繋がる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) HDMに対する免疫応答における Clec10a の機能の解明 野生型 (WT) およびClec10a遺伝子欠損 (KO)マウスにHDMを塗布した結果、皮膚マクロファージの炎症性サイトカイン発現がKOでWTと比較して亢進した。またin vitroで分化誘導した骨髄細胞由来マクロファージを HDM刺激した結果、炎症性サイトカイン産生がKOで亢進し、TLR4阻害剤によりKOのサイトカイン産生亢進が消失したことから、Clec10aはマクロファージのTLR4シグナルを抑制することが示唆される。 2) HDMに存在するClec10aリガンドの同定 HDMに存在するClec10aリガンド (Clec10a-L)をClec10a-Fcを用いて抽出し、レクチンマイクロアレイ解析を行なった結果、Clec10a-LはO型糖鎖を多く含むムチン様分子であることが示唆された。LPS誘導性皮膚炎にClec10a-Lを添加することにより皮膚炎が抑制された。Clec10a-Lに含まれる機能的糖鎖構造を同定するため、Clec10a-Lのレクチンアレイ解析結果から候補糖鎖を選択しスクリーニングした結果、LPS誘導性皮膚を抑制する糖鎖を同定した。ことから、Clec10aリガンド糖鎖にはTLR4による皮膚炎を抑制 する機能があることが示唆される。 3) ヒトにおけるマウスClec10aの機能的相同分子の同定と、アトピー性皮膚炎病態への関与の検証 候補分子であるヒトAsgr1およびヒトClec10aのHDMへの結合性を検証した結果、ヒトAsgr1がマウスClec10aと同様の糖鎖に結合することが示唆された。またヒトマクロファージのAsgr1遺伝子をsiRNAによりノックダウンした結果、HDM刺激後の炎症性サイトカイン産生が亢進したことから、ヒトAsgr1は抑制性受容体として機能することが示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Clec10aリガンドに含まれる機能的構造の解析 HDMに含まれる Clec10aリガンド(Clec10a-L)の抑制的役割を担う構造を明らかにする。同定したClec10aリガンド糖鎖の機能を詳細に解析するため、in vitroでLPS刺激したマクロファージに添加し、炎症性サイトカイン産生の制御するか検証する。またHDMに含まれるムチン様分子であるClec10aリガンドのコアタンパク質を同定するため、Clec10aリガンドの質量分析を行う。 2. Clec10aリガンド糖鎖のヒトへの応用 1.で同定した抑制性リガンド糖鎖がヒトにおいて同様の機能を持つか検証する。ヒト末梢血よりマクロファージを分化誘導し、LPS刺激後の炎症性サイトカイン産 生を抑制性リガンド糖鎖添加の有無で比較する。また同様にヒト皮膚を in vitroで刺激し、炎症性サイトカイン産生が抑制性リガンド糖鎖の添加により抑制されるか検証する。
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