Project/Area Number |
23K20074
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Project/Area Number (Other) |
20H01220 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (10231721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 晃平 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 非常勤講師 (50792131)
井出 明 金沢大学, GS教育系, 教授 (80341585)
加藤 有子 名古屋外国語大学, 世界教養学部, 教授 (90583170)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 芸術と社会 / 表現の自由 / ホロコースト / 戦後現代美術 / 観光学 / 戦後日本美術 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、文化芸術活動と社会との関わりについて、いわゆる「表現の自由」や検閲と倫理の相剋に留意し、歴史的経緯をふまえつつ、最新の現代美術の状況に至るまでそれがどのように推移し機能しているのかを検証する。また、その際とりわけ、歴史修正主義(史実の一部を歪曲し、否定するような動き)の陥穽に留意し、その様相を明らかにする
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2020年度から2021年度にかけて実施した国際ワークショップを振り返りつつ、その成果に基づいて国際会議を開催し、多角的な視点より芸術と社会の複雑な関わりや直面する問題点について討議し、意見交換のプラットフォームを形成することができた。ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ大学、マグダレナ・アバカノヴィチ芸術大学やヤギェロン大学教授、ザヘンタ国立ギャラリー学芸員らと連絡を取りながら、資料収集や整理を行った。夏にクラクフ(ポーランド)の日本美術技術博物館マンガにて日本とポーランドの作家を交えた企画展を行い、秋には兵庫県たつの市で「たつのアート2023」においてポーランドやウクライナの作家たちを紹介しながら、表現の自由と規制の問題について実践的に考察を深め、芸術家たちが厳しい規制を受ける中でどのように困難に立ち向かい、創造活動を継続しているかを示した。 研究分担者の井出明は、国際会議およびまとめを目指して、美術作品や文献資料等の調査活動に勤しむとともに、ダークツーリズムに関する芸術界の動向について考察を進めた。加藤有子はアメリカおよび日本国内で、引き続き占領期の連合軍検閲資料、戦中・戦後の写真の調査を行い、現地の研究者と連携しながら動向を探り、知見を深め、反ユダヤ主義の展開についても調査を行った。山下晃平は「日本の芸術表現と文化の基層構造」(1980年代以降のアートワールドと隣接領域を横断する)をテーマに、日本の芸術表現とその環境を、根幹にある日本文化の構造を手がかりとして考察し、継続的に日本文化論に関する研究を精査しながら、2023年度は主として1980年代以降の表現の自由に対する規制の事例を調査し、比較情報として、映画、小説、写真等の美術の隣接領域に関する情報を整理し、関連する作品や記録資料を確認した。国立国会図書館及び美術館や大学図書館にて、資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の状況も落ち着きを取り戻し、人の行き来も可能になってきたため、これまでオンラインで開催してきたワークショップにかえて、ようやく対面での国際ワークショップを開催することができ、また複数のゲストを海外から招いての国際会議も開催することができ、大いに議論が深まり、対面での議論の重要さ貴重さが実感された。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2020年度より実施してきた研究成果の発露として、2022年度から2023年度にかけて行った国際ワークショップおよび国際会議の成果をまとめ、『芸術と社会』(仮)として出版し、研究成果を広く公開する。多角的な視点より芸術と社会の複雑な関わりや直面する問題点について広く討議し、意見交換のプラットフォームをさらに堅固にし、ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ大学、マグダレナ・アバカノヴィチ芸術大学やヤギェロン大学教授、ザヘンタ国立ギャラリー学芸員らと連絡を取り、意見交換と資料収集を継続する。秋には兵庫県たつの市で「たつのアート2024」 においてポーランドやウクライナの作家たちを紹介しながら、表現の自由と規制の問題について実践的に考察を深め、芸術家たちが厳しい規制を受ける中でどのように困難に立ち向かい、創造活動を継続しているかを示す。 研究分担者の井出明は、国際会議を踏まえた論考のまとめを目指し、美術作品や文献資料等の調査活動に勤しみ、ダークツーリズムに関する芸術界の動向について引き続き考察を進める。加藤有子はアメリカおよび日本国内で、引き続き占領期の連合軍検閲資料、戦中・戦後の写真の調査を行う。現地の研究者と連携しながら動向を探り、知見を深め、反ユダヤ主義の展開についても調査する。山下晃平は日本の芸術表現とその環境を、根幹にある日本文化の構造を手がかりとして考察し、これまでの研究で分析した芸術表現と大衆、そして大衆の価値基準と制度受容という視点から、論考にまとめる。そのために必要な日本文化の対外文化受容に関する研究について、国立国会図書館や大学図書館で継続的に文献調査と分析を行う。また理論研究に並行し、美術館や画廊ではなく街中や地方で開催される美術展を調査し、芸術表現と場との関係についても継続的な分析を実施する。
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