Project/Area Number |
23K20088
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Project/Area Number (Other) |
20H01252 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
渡辺 直紀 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80409367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊木 勉 天理大学, 国際学部, 教授 (70330892)
柳 忠熙 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90758202)
波田野 節子 新潟県立大学, その他, 名誉教授 (50259214)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 韓国 / 韓国学 / 民族主義 / 第三世界 / アメリカ研究/日本研究 / 文学 / 冷戦文化 / 帝国大学 / アメリカ / シベリア抑留 / 文化冷戦 / ポスト帝国 / 高等教育 / 引揚 / 韓国文学 / 母語 / フェミニズム |
Outline of Research at the Start |
本年度の研究については、現在、韓国の一部の研究者たちの間で研究が始まっているが、同時代の日本では類似の現象がどのように起きていたかなどについては、まだ十分に言及・参照・比較されていない。さらに韓国と同じく日本の植民地から独立し、冷戦体制の真っ只中に投げ込まれた台湾においても同様の現象が見られるが、それとの比較・対照の作業はまだ本格的に始まっていない。本研究では、参照軸としての日本、台湾という視点をこの主題に絡ませながら、韓国で生起した出来事をより複眼的に見つめていく姿勢を確保する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4(2022)年度繰越金および令和5(2023)年度分で、両年度の研究課題「帝国大学の人文学研究と韓国・台湾」「解放後韓国文学における批評理論と内なる〈アメリカ〉:日本との比較」の資料収集・会議を行った。23年6月には韓国系アメリカ人作家スーザン・チェ氏を東京に招聘し、祖父である英文学者の崔載瑞やチェ氏の父の解放後の経歴、また自身の創作動機についてインタビューを行った。また同月には韓国の大邱・慶北大で開催されたAASinAsia学会に参加して関連の発表を行うことができた。帝国日本の日本語文学と戦後/解放後の日本・韓国文学の連続と不連続について、それぞれの発表を通して理解を深めることができた。7月には韓国・李泳禧財団理事長の金孝淳氏を日本に招聘し、その著書『朝鮮人シベリア抑留』(渡辺直紀・訳)について東京外大および立命館大で書評シンポジウムを行った。日帝時代に徴兵され満洲に送られた朝鮮人青年たちは、解放と同時にソ連軍の捕虜となり、シベリアに抑留され、その間に故国は分断された。命からがら38度線を越えて南の故郷に帰った者たちに待ち受けていたのは、生涯に及ぶ過酷で非道な日々だった。そのライフヒストリーを記録した本書の著者と今後のこの問題/テーマの掘り下げ方について議論を深めることができた。また24年2月には日本・韓国・香港の研究者を招聘し、新潟県立大で国際シンポジウム「朝鮮近代文学研究の新たな地平:言語・移動・メディア」を開催し、植民地朝鮮の文芸誌『文章』や延辺出身の詩人・尹東柱、解放後の韓国女流作家の世界紀行文、1930 年代大阪で刊行された朝鮮語新聞『民衆時報』、在日朝鮮人詩人・金時鐘、植民地朝鮮の文芸評論家・李源朝、植民地朝鮮の作家・崔明翊、北朝鮮の『世界文学選集』出版、解放後韓国の作家・孫昌渉などについてより深く議論・検討を重ねることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナもほぼ沈静化し国内外の旅行・出張が可能になることで、国内外で予定していた研究うちあわせやインタビュー、シンポジウムの開催などを、予定・予想以上に大規模に開催することができたため。韓国系アメリカ人作家スーザン・チェ氏とのインタビューを通して、植民地期から解放後にかけての韓国とアメリカの文学者の移動についてとても深い見識を深めることができた。また、韓国・リ・ヨンヒ財団理事長の金孝淳氏を日本に招聘し、その著書『朝鮮人シベリア抑留』と関連する主題について深い検討ができたと同時に、氏が刊行でジャーナリストとして活動した足跡についてもより深い見識を得ることができた。さらに24年2月に開催したシンポジウムでも今年度のテーマから派生して考えられる問題系について、さらに詳細な展望を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6(2024)年度「1960年代の韓国における民族本質論と「韓国学」の形成――鏡としてのアメリカ・日本」をテーマに資料を収集し、以下のように研究を行なう。(5月)東京で研究打合せ(武蔵大)、(7月)国際シンポジウム開催(武蔵大)、(8月)韓国で資料調査および研究協力者と研究打合せ。(10月)関西か九州で研究打合せ(天理大か福岡大)。なおそれぞれの研究会や研究打合せ、シンポジウムの開催の日時や場所については多少変動がありうる。
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