Project/Area Number |
23K20131
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Project/Area Number (Other) |
20H01409 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
島田 将喜 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (10447922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 高典 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30528724)
高田 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70378826)
高橋 康介 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (80606682)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 遊び / ホモルーデンス / フィールド実験 / フィールドワーク / 霊長類 / 人類学 / 進化 / 文化 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、フィールドワークとフィールド実験という2つの手法を用いることでホモルーデンス論を理論的・実証的に発展させることである。研究者は文化・進化・認知の3つの班に分かれて研究し、得られた成果を統合することで、各文化・社会・生業活動・環境下の人々や動物が、どのように遊びを実践し、また何を遊びと認知し、遊びはどのように社会ネットワークや生業活動と結びつくのかについて理解する。本研究は、あらゆる行動や現象の中に遊戯性を見出し、遊戯性の観点から人類や動物の文化・進化・認知を理解しなおそうとするホモルーデンス論の現代的発展の試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究に大きな進展があり、一部は当初計画を前倒しして実施できた。 まず霊長類班の島田(代表者)は2022年度に実施した野生チンパンジーの行動観察において発見した「チンパンジーの子どもの高所からの墜落事例」について学会発表を行い、その後論文化し、また成果の概要をSNSを通じて社会に発信し、成果還元を果たした。イタリア・シチリア島で開催された「遊び」に関する国際会議において、「ホモルーデンス科研」のこれまでの成果の集大成を、英語で公表した。国際会議後には、飼育下のチンパンジーやボノボの遊び行動の研究者として名高いピサ大学のElisabeta Palagi教授を訪問し、共同研究を推進した。さらに国内においてはシロテテナガザルの遊び行動と食物分配行動との関係性を明らかにするための研究の立ち上げを行った。またタンザニア・マハレ渡航を実現させ、野生チンパンジーに対するフィールドワークを通じて量的データの取得を行った。金華山における野生ニホンザルの行動調査では金華山D群に追随するサルの継続調査を実施した。 認知班の高橋はタンザニア・マハレ渡航を実現させ、遊びに関わる心理的メカニズムを明らかにするためのフィールド実験を予備的に実施した。とくに島田と共同で現地で実施した現地のカトゥンビ小学校では100名以上の子どもを対象として、自由作画をしてもらい、将来的にお絵描き実験が可能であることを確認した。文化班の大石はカメルーンに渡航し、バカやバクウェレの子どもの遊びに関するデータ収集を実施した。そして大石によるカメルーンのデータと協力者の田によるケニアのデータを島田によるタンザニアのデータと比較検討する作業を開始した。理論班の高田は遊びとしての音楽や乳児の発達におけるジムナスティックに関する研究成果を出版し、ホモルーデンスの進化についての理論化を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初実施計画で予定していた内容は、それぞれ達成できた。 研究代表者で進化班の島田は、国際ワークショップでの成果公表やタンザニア・マハレ山塊国立公園の野生チンパンジーとトングウェの人々の遊び行動のデータ収集、金華山の野生ニホンザル、ときわ動物園の飼育テナガザルの遊び行動データの収集を計画通り実施できた。 当初計画以上の成果は以下が挙げられる。昨年度の渡航時の発見に関する分析が順調に進み、23年度中に終えることができたため、学会発表を行い、成果論文を出版できた。また来日していたストラスブール大学のC. Sueur氏との共著論文を複数執筆し、共同研究について打ち合わせを行った。 認知班の高橋、文化班の大石、理論班の高田も当初計画をすべて達成できた。とくに高橋は、タンザニア・マハレに渡航し、フィールド実験を予備的に実施し、また島田と共同してカトゥンビ小学校の100名以上の子どもを対象に、お絵描き実験の可能性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本科研の最終年度である。コロナ禍の影響で後ろ倒しになっていて本科研の開始時点での予定より短い滞在にとどまっている各地のフィールドでの長期フィールドワークを継続させ、またフィールド実験の実現を急ぐ。 3つの班に分かれてそれぞれが小目的の達成に努める。各班の小目的とは、文化班は「遊びの経時的変化・通文化比較」、進化班は「ヒトを含む霊長類の遊びの機能」、認知班は「遊びにかかわる認知特性の追求」である。それぞれの班が明らかにする成果を統合し、ホモルーデンスにとっての遊びの意味について、学際的に検討することを目的とする。 来年度は、こうしたフィールド実験・フィールドワークに加えて、これまでに得られた成果を論文・著書として公表することを最大の目的とする。
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