Project/Area Number |
23K20144
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Project/Area Number (Other) |
20H01476 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
工藤 教孝 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80334598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花薗 誠 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60362406)
宮本 弘暁 財務省財務総合政策研究所(総務研究部), 総務研究部, 総括主任研究官 (10348831)
田中 頌宇将 金沢星稜大学, 経済学部, 講師 (00847965)
尾山 大輔 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00436742)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | サーチ理論 / 産業構造 / 技術革新 / 労働市場 / 価格支配力 / 景気変動 / 産業組織 / 格差 / 市場支配力 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、微小な粒子同士のランダムなぶつかり合いとして経済活動を再定義する「サーチ理論」という新理論を用いて「市場支配力の源泉はどこにあるのか」を問う。これまでの研究において、支店の店舗数が多いなど、消費者が遭遇する頻度が高いという意味での企業規模が大きいほど、その企業の価格支配力が高まることを厳密な数理モデルの解析ならびにコンピューターシミュレーションを通じて明らかにした。また、サーチ理論を労働市場分析に応用することで、景気変動上の雇用調整を高い精度で分析可能な数理モデルを開発中である。
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Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト1:摩擦的市場における企業規模 本プロジェクトは、研究代表者が長年研究してきた「サーチ理論」を「産業組織論」に応用するという方法を採用し、産業組織論をサーチ理論を通じて再構築するプロジェクトである。研究分担者との共同研究の成果をまとめた論文「Priminence and Market Power: Asymmetric Oligopoly with Sequential Consumer Search」が権威ある国際学術誌 International Economic Review に掲載が決まり、オンライン版はすでに掲載されている。本プロジェクトにより、支店数の意味での企業規模拡大が価格支配力を与えるというメカニズムを明らかにした。
プロジェクト2:摩擦的市場と景気変動 研究代表者と研究分担者による共同研究の成果のひとつ「Time Aggregation and Unemployment Volatility」では、労働市場統計の集計上のバイアスが景気変動を過小に計測してしまう可能性についてシミュレーションによって明らかにし、Economics Bulletinという国際専門誌に掲載された。
本研究課題の重要テーマの一つである格差についての研究としては、分担者とともに「Robots and Unemployment」という論文に取り組み、技術進歩によって雇用が失われる可能性についての分析を可能にする数理モデルの枠組みを開発し、理論分析と数量分析を行った。また、労働分配率の推移を理解するために「Hours of Work and the Labor Share」というテーマで新規の研究を進めており、学外の研究会で発表を行いながら論文にまとめる準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト1の研究成果「Prominence and Market Power: Asymmetric Oligopoly with Sequential Consumer Search」が権威ある国際学術誌 International Economic Review への掲載が決まったため、全体的には目に見える成果の出た年度であったと評価できる。しかしながら、審査期間が非常に長く、論文の書き換え作業に多大な時間と労力を要したため、本プロジェクトから派生する新規プロジェクトの推進には思うように時間を注ぐことができなかった。
プロジェクト2については、全体としては共同研究の中で常に分析・仕上げ・新規派生プロジェクト立案が動いており、その意味では順調に研究が進んでいる。しかし、研究成果を高いランクのジャーナルに挑戦しては棄却されるということを繰り返した結果、ひとつの論文の書き換え作業が繰り返される結果となり、当初仕上げる予定の論文の完成に遅れが出ただけでなく、関連プロジェクトの仕上げスケジュールにも遅れが出た。しかしながら、挑戦するジャーナルのランクが高いと採択率が下がるのは当然のことであり、この遅れは当初よりある程度見込んでいる。研究自体の行き詰まりは生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト1「摩擦的市場における企業規模」については、引き続き研究分担者である花薗教授との共同研究を推進し、International Economic Review 誌に掲載が決まったばかりの論文「Prominence and Market Power: Asymmetric Oligopoly with Sequential Consumer Search」を起点として複数の新規プロジェクトを立ち上げる計画である。特に、企業の価格支配力(Market Power)について、摩擦の果たす役割に注目しながら更なる解明を進める計画である。
プロジェクト2「摩擦的市場と景気変動」についても引き続き研究分担者の宮本教授と研究を進める。すでに数多くの関連プロジェクトが進行中であるため、その中から優先的に仕上げるプロジェクトを選定し、それらの研究成果については最終年度である次年度中にそれぞれ論文にまとめていく計画である。また、関連する新規プロジェクトを複数立ち上げながら、より大きなテーマ設定を目指すことも目標としている。
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