限界集落のコミュニティ・オーガナイジング実装と地域住民のエンパワメント評価研究
Project/Area Number |
23K20169
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Project/Area Number (Other) |
20H01602 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
渡辺 裕一 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (70412921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 亮次 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (00633116)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | コミュニティ・オーガナイジング / 限界集落 / 地域住民 / エンパワメント / 評価 / 実装 / 関係構築・リーダーシップチーム構築 / 1対1 / 対話 |
Outline of Research at the Start |
我が国の高齢化率は2065(令和47)年には38.4%に達すると推計されている。いわゆる「限界集落」では、様々なコミュニティ機能の低下から地域生活が継続できず、社会的に弱い立場の住民が地域生活から排除される可能性が高い。「限界集落」は将来のわが国の縮図である。地域住民自ら地域生活継続可能性を高める方策として地域住民のエンパワメントを検討した成果から、本研究では、①限界集落内で弱い立場に置かれている住民自ら、地域での生活継続を阻害する要因に向き合うコミュニティ・オーガナイジングの実践とその効果検証をすること、②限界集落におけるコミュニティ・オーガナイジングの実践モデルを検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
コミュニティ・オーガナイジングの実装について、初年度(2020年度)は新型コロナウイルスの感染拡大により実施できなかった。2年目に当たる2021年度分として、2022年度に新型コロナウイルスの影響を受けにくい、現地の機関にコミュニティ・オーガナイジングの実装を再委託した。しかし、関係構築・リーダーシップチーム構築を進める計画だったが、新型コロナウイルスの影響で対面の機会を思うように作ることができず、期待していたコミュニティ・オーガナイザーの配置には至らなかった。コミュニティ・オーガナイジングを実践できる体制づくりとして、配置するオーガナイザーの研修等に取り組んだ。 住民へのインタビュー調査として、関係構築・リーダーシップチーム構築に向けた取り組みと重ね、まちづくりの中心人物になり得ると考えられる方々12名を対象に話を聞いた。音声データの整理・分析は、今後実施する予定である。 研究報告の実績として、「地域住民による高齢者への生活支援活動の類型化から周縁化集落における調査をもとに~(日本老年社会科学会第64回大会)」として、「機会づくり」「見守り」「付き添い」に地域住民による高齢者への生活支援活動を類型化した。このうち、「機会づくり」を「居場所づくり」との関係で説明し、「"IBASHO" and the objective well-being of older adults in a marginalized community(GSA2022)」として、その活動への取り組みが客観的な幸福感(この地域は高齢者が幸せに暮らせる)と関連していることを明らかにした。また、ソーシャルサポートの担い手を分析した結果を「Who provides social support in a Marginalized Community in Japan(IAGG2022)」として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地の機関に再委託したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、対面でのチームミーティングの実施が困難となり、計画のようなコミュニティ・オーガナイザーの配置とはならなかった。また、1対1のミーティングも、計画通りに進めることができなかった。再委託先の職員は、2023年3月に退職することになり、委託の見直しなど、コミュニティ・オーガナイザーの配置も改めて検討する必要性に迫られている。再委託先の状況の変化や職員の退職が、本研究の進捗状況に大きな影響を与えている。 加えて、当初の予想以上に、限界集落の地域住民間や集落間の関係性の複雑さも明らかとなり、コミュニティ・オーガナイジングの実施が困難な状況もあった。これにより、本研究課題の進捗状況は、やや遅れていると判断した。進捗状況は遅れているものの、この状況自体が、コミュニティ・オーガナイジングを限界集落において実装するために乗り越えなければならない困難であり、本研究課題の大きなテーマである「限界集落におけるコミュニティ・オーガナイジングの実装」とその実践モデルの検討には必要不可欠な経験とも捉えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
はじめに、コミュニティ・オーガナイジングの実装にかかる職員配置に向けた再委託を見直し、研究機関における非常勤嘱託職員の採用に切り替える。その際には、当該地域に明るく、地域住民とより良く関係構築ができている社会福祉士を採用する。また、研究代表者は、2023年度において、これまで以上に現地に足を運び、これまでオンライン中心のミーティングから、直接現地に足を運び、実装の状況を把握するよう努める。 コミュニティ・オーガナイジングの実践を担当する社会福祉士には、引き続き、専門性の向上に向けたトレーニングを実施するとともに、これまでの取り組みをもとに地域が取り戻すべき資源等のターゲットの明確化、パワー分析、住民との1対1ミーティング、小規模人数でのミーティング、地域組織との関係構築を強化し、実践の計画及び戦略を改めて見直すこととする。そのためには、2023年度においても、コミュニティ・オーガナイジングの基盤となる関係構築・リーダーシップチームの構築に向けて、地域組織との協働を進める。 データの収集・整理・分析は、コミュニティ・オーガナイジング実装に並行して行う。これまで、インタビュー調査は実施しているものの、2019年度に実施して以来、量的な調査は実施できていない。途中経過での評価の機会を得られなかったものの、2024年3月の実施に向けて、具体的な準備を進める予定である。 研究の成果は、2つの学会での発表をすでに申し込んでおり、本研究費での成果を積極的に公開できるよう取り組む。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)