Project/Area Number |
23K20180
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Project/Area Number (Other) |
20H01662 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
白石 淑江 愛知淑徳大学, 愛知淑徳大学, 客員研究員 (10154361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 広昭 立教大学, 文学部, 教授 (00232281)
浅井 幸子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (30361596)
内田 祥子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (60461696)
井上 知香 静岡大学, 教職センター, 講師 (80710540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 子どもの声を聴く / 子どもの権利 / ドキュメンテーション / 保育実践 / レッジョ・エミリア / ドキュメンテ―ション |
Outline of Research at the Start |
本研究は、レッジョ・エミリアの「傾聴の教育学」の主要要素「ドキュメンテーション」の保育哲学や実践理論を探究し、これを日本の幼児教育・保育の場で実践するための方法論を探究する。海外調査では、スウェーデンのレッジョ・インスパイアードの就学前学校を視察すると共に研究者との研究討議を通して、自国の文脈を踏まえたドキュメンテーション実践の展開について知見を得る。また、日本国内の協力園において、ドキュメンテーションによる「子どもの声を聴く」保育実践を試み、実践的課題を整理する。そして、以上の調査結果を総合して、日本における「子どもの意見表明権(声を聴かれる権利)」を保障する保育実践理論の構築を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は5年間の研究の4年目であり、「ドキュメンテーション」による教育実践についての海外調査、国内調査の充実を図った。 【海外調査】①レッジョ・エミリア:浅井は、2024年2月にレッジョ・エミリア市を訪問し、研修に参加する(旅費や研修の参加費は別資金)とともに、書籍やドキュメンテーション冊子を収集した。また、井上は、レッジョチルドレン主催のドキュメンテーションに関連するテーマのウェビナーに参加した。②スウェーデン:石黒は、同国のウプサラとストックホルムのプレスクールを視察し、指導者インタビューを行った。また、ストックホルム大学の研究者らとの研究ミーティングを行った。白石と内田は、同国の研究者とのオンライン研究会を計3回開催し、就学前教育に関する研究や施策の動向について情報を収集した。 【国内調査】①浅井は、東京都内の経堂保育園で、ドキュメンテーションを用いた子どもの探究の研修に取り組んだ。②石黒は、過去に幼稚園で実施したアートワークショップのデータを再分析し、美的感性を育てる指導者のあり方について検討した成果をヨーロッパ幼児教育学会(EECERA)で報告し、論文化した。また、科学者、芸術家とともに砂を素材としたワークショップの実施可能性について検討するとともに、就学前児の音楽指導に関する研究報告に対して検討を加えた。③井上は、園内研修において、保育者同士が子どもの姿や保育について声を交わし合う場を醸成していく過程に参加するとともに、保育者が自身の実践をドキュメントしたものを用いた私的研究会を4回開催し、それらの成果を論文化した。④内田は、群馬県内にあるブラジル人運営の保育施設でドラムをつかったワークショップを開催し、文化的に多様な背景を持つ子どもの声を聴くプログラムの可能性を検討した。⑤白石は、名古屋市内の保育園において、ドキュメンテーションによる保育実践研究を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、「ドキュメンテーション」と呼ばれるレッジョ・エミリアの保育記録の営みに着目し、子どもの「意見表明権(聴かれる権利)」を保障する保育実践理論を探究することを目的とした5年間の研究である。最初の2年間は、コロナ禍により海外調査、国内調査ともに予定より遅れてしまったが、その後の3・4年目で、海外調査、及び国内調査においてその遅れを取り戻すことができた。 【海外調査】①レッジョ・エミリアに関しては、浅井と井上が、現地の視察や研修への参加、レッジョ・チルドレン主催のウェビナーへの参加、及び文献研究等によって、予定していた調査目的をほぼ達成することができた。②レッジョ・インスパイア―ドの国の調査についても、石黒が、Pedagogical Documentationを用いた教育実践の先進地域であるスウェーデンの就学前教育施設の見学、教師の聞き取り調査、同国の研究者との意見交換を行うとともに、内田、白石が同国研究者とのオンライン研究会を通して情報収集を行い、予定した調査目的をほぼ達成することができた。 【国内調査】研究分担ごとに、それぞれのフィールドにおいて実践研究に取り組み、その成果の一部を研究誌や国際学会、国内学会等において発表した。 最終年度を迎える次年度は、以上のような調査研究の成果を総括して、研究チーム全体としてシンポジウムの開催や共著書によって、「わが国におけるドキュメンテーション実践」に関する基本理念や方法を提言することを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度では、海外調査や国内調査の成果を総括し、わが国におけるドキュメンテーション実践の基本理念と方法について提言する機会を設ける。また、研究分担者ごとに国内で継続してきた調査研究の結果をまとめる。 【研究チーム全体】①2024年5月開催予定の日本保育学会自主シンポジウムにおいて、ドキュメンテーションによる子どもの学習について話題提供し、参加者と議論を深める。②海外からゲストスピーカーを招聘し、本研究の総括的なシンポジウムを開催する。③本研究の成果を踏まえ研究メンバー全員の共著書を出版する。「(仮)子どもの声を聴く保育実践の探求:ドキュメンテーションによる子どもの権利の保障」 【各研究分担】①浅井は、東京都内の経堂保育園で、ドキュメンテーションを用いた子どもの探究の研修を発展させ、法人での研修システムを構築する。②石黒は、協働的なファンタジー遊びを促進する指導の在り方について検討し、2024年9月開催予定のヨーロッパ幼児教育学会(EECERA)で報告する予定である。また、ストックホルムで活動するアーティストらとの研究会の開催も予定している。③井上は、園内研修への参加、私的研究会を継続実施するとともに、保育者らが声を交わしあう場の醸成について、2024年9月開催予定のヨーロッパ幼児教育学会(EECERA)にて報告を予定している。④内田は、群馬県内のブラジル人運営の保育施設で、音楽だけでなく造形的なワークショップも開催し、文化的に多様な背景を持つ子どもの声を聴くプログラムの開発を進める。また、保育者を志す学生の環境概念の脱構築を目的としたワークショップを国内の幼稚園で実施する。⑤白石は、名古屋市内の保育園と協力して取り組んだ、ドキュメンテーションによる実践研究を総括した共著書を出版する(2024年6月発刊予定)。
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