Project/Area Number |
23K20193
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Project/Area Number (Other) |
20H01755 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50303920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 淳 法政大学, 文学部, 教授 (20401648)
中西 大輔 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (30368766)
平石 界 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50343108)
松本 晶子 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80369206)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 道徳 / 適応 / 進化 / 進化シミュレーション / 感情 |
Outline of Research at the Start |
従来の道徳心理学は、人々がなぜ特定の道徳内容を保持しているのかについて考察してきた。これに対し本研究は、道徳の本質的機能は、複数の対立する主張があるとき、人々を一つの陣営へと収束させることだけにあり、その内容は恣意的であっても構わないとするDynamic Coordination仮説を検証する。このような機能を持つ道徳が進化する条件を明らかにするために、社会心理学と倫理学、生態学の学際的な連携により理論を構築し、進化シミュレーションと実証研究によって検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、道徳の本質は集団内の対立解消にあるとする道徳進化仮説について、その理論的妥当性と、理論から予測される心理的基盤の存在を、シミュレーション研究と実証研究の両面から明らかにすることである。23年度は22年度に引き続き、理論・シミュレーション班において作成したシミュレーションプログラムの精度について検証を行った。また進化心理学が道徳研究に与えた影響について検討し、書籍や論文として発表した。実証班においては、同じ結果でも何らかの行動を起こした場合の方が、何もしなかった場合よりも道徳的に非難されるというomission effectを道徳進化仮説の観点から検討したDeScioli et al. (2011)の結果を、非難の程度をWeb画面上の10×10個のチェックボックスを塗りつぶしてもらうことで測定するチェックボックス法を用いて追試した。その結果、何もしなかったことが記録に残る場合には、残らない場合よりも非難されるという結果については追認されたが、他の参加者の回答を意識させるとその傾向がみられなくなるという、予想とは異なる結果も得られた。 さらに23年度においては、これまで新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた実験室実験に着手した。これまでWeb調査によって明らかにした、向社会的である人の方がそうでない人より、また苦境に陥った原因が他人の責任である場合の方がその人自身の責任である場合より同情を集めるという結果を、同情の程度を心拍数により測定することで追試しようとするものである。先行研究により、同情を感じるような状況では心拍数が低下することが明らかになっている。23年度はまず、苦境の原因が心拍数の低下に及ぼす影響について検討した。その結果、心拍数は低下するものの、その程度は原因によって影響されないということが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期してきた実験室実験を開始することができ、一定の成果を得ることができた。また、理論・シミュレーション班、実証班ともに成果を学会において発表し、学術論文や書籍として刊行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は最終年度であり、各班においてこれまでの成果をまとめ、公表していくことに主眼をおく。 理論・シミュレーション班は、これまでに設計を進めてきたDynamic Coordination Theoryに基づく道徳進化シミュレーションについて倫理学や生態学の視点から妥当性を検討し、理論的視点ならびに実社会との対応という視点から拡張する。24年度の主な課題は、シミュレーションのプログラムについて最終的な確認を行い、そこから得られる結果と実社会における現象との対応について検討することである。 実証班は、昨年度から着手した生体信号による道徳的感情の評価についての実験室実験を継続し、最終的なまとめを行う。この結果と理論・シミュレーション班によるシミュレーションの結果とを照らし合わせ、Dynamic Coordination Theoryに基づく道徳の進化についての総合的な考察をする。これらの成果については随時学会や学術誌等において発表する。
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