Project/Area Number |
23K20212
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Project/Area Number (Other) |
20H01801 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小磯 深幸 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 名誉教授 (10178189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 圭佑 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (10830002)
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50334917)
可香谷 隆 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60814431)
松江 要 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (70610046)
安本 真士 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (70770543)
本田 淳史 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90708611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 変分問題 / 測地円 / 区分的に滑らかな曲面 / ピローボックス / 非等方的エネルギー / 可展面 / エネルギー勾配流方程式 / 離散曲面 / ガウス曲率 / 曲面の特異点 / 等長変形 / ピロー型ボックス / 自由境界問題 / 幾何解析 / 離散幾何 / ウルフ図形 / 平均曲率 / エネルギー極小解 / ローレンツ・ミンコフスキー空間 / 区分的に滑らかな超曲面 |
Outline of Research at the Start |
滑らかな超曲面、区分的に滑らかな超曲面、多面体の全てを含む超曲面の新しいクラスを定義し、このクラスに属する超曲面に対して法線、法変分、曲率などの幾何的概念の一般化を定義して、非等方的エネルギー(結晶のエネルギーの数理モデル)の変分問題をモデルとして変分法を構築すると共にエネルギー勾配流方程式を解析する方法を構築する。また、それを離散曲面の幾何学に応用する。さらに、物理学や建築工学の研究者との協働により、物理現象解明やより良い物作りのための具体的な変分問題に対し、本研究で得た理論を応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる研究対象はユークリッド空間内の区分的に滑らかな曲面(piecewise smooth surface. 以下ではPWS曲面と呼ぶ)及びその一般次元版である。PWS曲面とは、いくつかの滑らかな曲面を連続的に繋いだものであり、各点の近傍として円板がとれるようなものである。本研究では、PWS曲面について、特に、頂点や辺上の点のような特異点での曲がり具合などの幾何概念の整備及び変分法構築を主課題としている。2021年度に、PWS曲面についての変分問題の例として、ピローボックスと呼ばれるPWS閉可展面の体積についての変分問題を研究し、「与えられた二重長方形と等長なピローボックス」の体積に関する平衡曲面の一意存在、解の体積最大性、解の楕円積分を用いた表示式を得た。2022年度は、平面からピローボックスに至る自然な連続等長変形(伸び縮みせずに連続的に変形すること)を具体的に構成した。 また、滑らかな曲面S上の各点Pを中心とする半径rの測地円の長さL(r)のrについての級数展開の公式であるBertrand-Puiseuxの定理を、PWS曲面に対して一般化した。Bertrand-Puiseuxの定理では、L(r)の0次の項は0,1次の項の係数は2πr,2次の項は0,3次の項の係数は-2πKである。ここで、Kは点Pにおける曲面Sのガウス曲率である。本研究で得た公式から、PWS曲面の特異点(頂点や辺)を定義し、L(r)の0次の項により「頂点の尖り具合」、2次の項の係数により「辺の尖り具合」、3次の項の係数により「曲面の曲がり具合(ガウス曲率K)」を定義した。なお、PWS曲面が可展面であることは,辺上では「尖り具合も曲がり具合も0」と言い表せ、これは、折り紙工学等で広く知られている可展面となるための必要条件である「各点のまわりでの角の和が2π」の一般化・精密化を与える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果をフルペーパーにまとめて学術雑誌に投稿するという作業が予定よりも遅れているが、フルペーパー1本とレターペーパー3本を出版した。また、Bertrand-Puiseuxの定理の一般化は当初予期していなかった研究成果であり、本科研費の研究課題の遂行に大きく貢献すると共に、さらに進んで区分的に滑らかな曲面の局所的な性質が大域的な性質にどの程度影響するかという課題に取り組む足掛かりとなると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得た平面からピローボックスへの連続等長変形を例として、区分的に滑らかな可展面の位相形と平面からの連続等長変形の存在非存在との関係を定式化する。また、Bertrand-Puiseuxの定理の一般化から得られた区分的に滑らかな曲面の内在的曲率の概念を利用し、区分的に滑らかな曲面の局所的な性質が大域的な性質にどの程度影響するかという課題に取り組む。2023年度には研究分担者との対面での研究連絡が2022年度までよりも行いやすくなることを有効活用し、区分的に滑らかな曲面に対するエネルギー勾配流の研究を進める。
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