Project/Area Number |
23K20213
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Project/Area Number (Other) |
20H01802 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90244409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 剛史 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (60467446)
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 離散群 / 剛性 / 調和写像 / ランダムウォーク / Poisson境界 / 非正曲率距離空間 |
Outline of Research at the Start |
離散群の非正曲率距離空間への等長的作用を、調和写像、ランダム・ウォーク等を用いた幾何学的な視点から研究する。非正曲率距離空間は大きな広がりをもった距離空間であり、離散群が非正曲率距離空間へどのような作用をするかという情報は、離散群の性質を知る上で有用である。本研究では、離散群が「思いの外、非正曲率距離空間に自由に作用できない」という現象を捉えた極めて興味深い性質である「離散群の剛性」あるいは「離散群の固定点性質」の幾何学的な背景を明らかにすること目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当面の目標は、ランダム・ウォークが与えられた有限生成群Gが非正曲率距離空間Yに等長的に作用する場合における、Gの軌道に移植されたランダム・ ウォークの挙動を明らかにし、次のいずれかが成り立つことを示すことであった。 (1) GのPoisson境界からYの幾何学的無限遠境界へのそれぞれへのGの作用に関して同変な境界写像が存在する。 (2) Yの中にGの作用で不変な平坦部分空間が存在する。 すでに、Yが局所コンパクトな場合については、この目標は達成されている。その手法を拡張することにより、局所コンパクトではないが有限なtelescopic次元をもつYに対しても上記の成果を拡張することができた。上の(1)が成立しない場合、Yに移植されたランダム・ウォークの軌道の中で移動距離の増加幅が減少していくようなものが必ず存在する。この軌道から、実際にYとその幾何学的無限遠境界の和集合の中で収束する部分列の存在を示すことが課題であった。これは当初の予想の通り、超極限を繰り返しとる、というこれまでにない新しい手法により解決することができた。収束する部分列をもたないと仮定すると、繰り返し超極限をとり仮想的な収束先を与えることを繰り返すと、収束先にあたる余分な集合がYに付加されていき、得られる空間の次元が上がってしまうことを示すことができた。一方で、Yが有限なtelescopic次元をもつ場合には、Yの超極限の次元が元々のYの次元と一致することも証明できる。問題の列が収束する部分列をもたないとすると、このことから矛盾が導かれる。このようにして得られた成果を論文"Isometric group actions with vanishing rate of escape on CAT(0) spaces"としてまとめ、発表したところ、内外から高い評価を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症の感染拡大の影響で、昨年度半ばまでは研究分担者の納谷信(名古屋大学)および近藤剛史(鹿児島大学)と共同で取り組む研究がほとんど進められなかった。その部分の進捗に遅れが出ている。しかしながら、それ以外の単独で行う研究については、非常に順調に進んでおり、全体として「おおむね順調に進展している」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、「ランダム・ウォークが与えられた有限生成群Gが非正曲率距離空間Yに等長的に作用する場合における、Gの軌道に移植されたランダム・ ウォークの挙動を明らかにする」という当面の目標は予想通りの成果を挙げて達成されている。今後は、この成果を元に、離散群の「超剛性」という性質の幾何学的背景を明らかにすることに取り組む。 その最初のステップとして、すでに知られている局所体上の半単純代数群の格子の超剛性をさらに一般化し、かつ、幾何学的な手法で証明することを目指す。局所体上の半単純代数群にはRiemann対称空間あるいはEuclid的ビルディングと呼ばれる非正曲率空間が付随して現れ、代数群の格子はこれらの空間に非常によい作用をもつ。そこで、代数群の格子の非正曲率距離空間への作用に関する超剛性を、Riemann対称空間あるいはEuclid的ビルディングの幾何学的な性質を用いて(代数群の研究に用いられるような代数的な手法は用いずに)示すことを目標とする。 以下、代数群に付随するRiemann対称空間あるいはEuclid的ビルディングをX、代数群の格子をGとし、Gが非正曲率距離空間Yに等長的に作用しているとする。このとき、GのXおよびYへの作用に関する情報は、それぞれの幾何学的無限遠境界への作用からかなりの部分が復元される。また、GのPoisson境界はXの幾何学的無限遠境界に実現される。そこで、これまでの研究でその存在が保証されているGのPoisson境界からYの幾何学的無限遠境界への同変境界写像をXの幾何学的無限遠境界からYの幾何学的無限遠境界への同変境界写像に拡張し、この写像を通して、GのXおよびYへの作用をある意味で比較することにより、Gの作用の調合性を導くことができると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)