Project/Area Number |
23K20216
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Project/Area Number (Other) |
20H01807 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲浜 譲 九州大学, 数理学研究院, 教授 (80431998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 壮登 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (20823206)
村山 拓也 九州大学, 数理学研究院, 助教 (70963974)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 確率解析 / ラフパス理論 / 確率微分方程式 / 特異な確率偏微分方程式 / 大偏差原理 / 確率レーブナー方程式 / マリアバン解析 |
Outline of Research at the Start |
伊藤清が発明した確率微分方程式をいわば「決定論化」したのが、ラフパス理論である。確率微分方程式と言う確率論の文字通り中心にある。重要な研究対象物を全く違う角度から見る新しい理論である。またラフパス理論の考え方を確率偏微分方程式に適用してできたのが「特異な確率偏微分方程式」理論である。この理論により今まで解けていなかった確率偏微分方程式が系統的に解けるようになった。本研究はこれらの新しくて重要な話題を進展させることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
確率解析に関するいろいろな種類の研究を目標にしているが、研究代表者は主にラフパス理論とマリアバン解析に関することを中心に研究を進めた。それ以外にも確率微分方程式の緩急系に対する大偏差原理の研究をラフパス理論の観点から行った。 二人の分担者は当初の計画どおりに、それぞれ特異な確率偏微分方程式に関する研究と確率レーブナー方程式に関する研究を順調に進めた。この段落で触れた話題はどれも現在の確率解析において「花形」だとみなされており、非常に重要である。 ラフパス理論に関しては、擬確実解析と呼ばれるマリアバン解析におけるポテンシャル理論に相当する理論と組み合わせると、非常に相性のいいことが知られている。今回はこれをピン留めされた拡散過程の研究に応用して、Stroock-Varadhanの台定理と呼ばれている伝統ある定理の「ピン留め版」を証明した。またラフパス空間上においてマリアバン解析を用いて、Wong-Zakai近似と呼ばれる確率微分方程式に対する有名な近似定理の「確率密度関数版」を証明することができた。この種の近似に関する話題は重要なだけでなく、ラフパス理論の視点からは、まだまだ問題が残っているように見えるので、この先もこの方向に進むつもりである。 それから確率微分方程式やラフ微分方程式の連立緩急系の研究にも触れておきたい。この話題は一時の低迷期していたが、ここ最近は復活して非常に多くの論文が出版されている。これをラフパスの観点から見ると、かなり面白いことに気づいて論文を書いた。この路線はこれからも有望だと思うので続ける。 最後になるが、今年度はラフパス理論に関する著書を出版できたことも大きな喜びであった。数年間かけてコツコツと書いてきたのだが、ようやく出版にこぎつけることができた。この教科書が日本ラフパス業界の人口を増やすことに貢献するように期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ事件の影響で、研究会の参加や運営が難しい点は確かにあるのだが、数学研究そのものはおおむね順調に進んでおり、特に心配する点は無いように思える。
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Strategy for Future Research Activity |
この三年間のコロナ騒動にも関わらず、数学研究そのものは順調に進展しているので、方針を変えずにこのまま今後の研究を進めるつもりである。
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