Project/Area Number |
23K20220
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Project/Area Number (Other) |
20H01811 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 博樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00467440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 正人 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20251598)
イェーリッシュ ヨハネス 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (90741869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 力学系 / 大偏差原理 / マルチフラクタル解析 / エルゴード最適化 / カオス力学系 / 測地流 / 連分数 / 周期軌道 / 可算マルコフシフト / 連分数展開 |
Outline of Research at the Start |
一般に「カオス」として知られる非双曲力学系の典型例である2次写像やエノン写像に加えて、数論・幾何学に由来するフックス群作用やタイヒミュラー測地流などの非コンパクト・非双曲力学系の大域構造を大偏差原理により精密に解析する。これに基づき、一般の非コンパクト・非双曲力学系の大偏差原理による理解に向けた理論基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
力学系の周期軌道の分布に関して、2つの結果を得た。(1) 単峰写像力学系の経験分布の大偏差原理について、研究分担者の辻井正人氏(九州大学・教授)と行った共同研究で得た知見を元に、無限回くりこみ可能な単峰写像力学系の周期軌道に関する大偏差原理を証明することができた。この結果はすでに論文として刊行されている。(2) ランダム力学系では通常の意味での周期軌道が定義できないが、鈴木新太郎氏(東京学芸大学・講師)との共同研究で「ランダムサイクル」という周期軌道の代替物を導入し、その分布を解析することで、ランダムサイクルから構成される自然な確率測度の列がstationary measureに収束することを証明した。この他、斎木吉隆氏(一橋大学・教授)、James A. Yorke氏(University of Maryland・教授)等との共同研究で導入したヘテロカオス・ベーカー写像力学系に滑らかさを与えて少し修正した力学系の不変多様体の非横断的な交わりの集合のハウスドルフ次元を評価することに成功し、論文にまとめ学術雑誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者のJaerisch氏、および辻井正人氏との共同研究が順調に進んでいる。それだけでなく、「ヘテロカオス・ベーカー写像の研究」という当初は構想になかった新しい方向の研究も着実に芽生えてきており、今後のさらなる発展も見込まれる。よって概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
有限生成フックス群の双曲面への作用に関するレベル1の大偏差原理、およびその精密化(refined large deviations)を論文にまとめる(研究分担者Johannes Jaerisch氏(名古屋大学・准教授)との共同研究)。ヘテロカオス・ベーカー写像力学系の相関の減衰などの統計的性質について研究を進める(研究分担者辻井正人氏(九州大学・教授)との共同研究)。研究分担者2名と相互に連絡を取り合い、集中的に議論を重ねる。
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