Project/Area Number |
23K20223
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Project/Area Number (Other) |
20H01815 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
宮地 晶彦 東京女子大学, 現代教養学部, 研究員 (60107696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (70422392)
冨田 直人 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10437337)
筒井 容平 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40722773)
澤野 嘉宏 中央大学, 理工学部, 教授 (40532635)
小林 政晴 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30516480)
中井 英一 茨城大学, 基礎自然科学野, 特命研究員 (60259900)
古谷 康雄 東海大学, 理学部, 特任教授 (70234903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 調和解析 / 実関数論 / 関数解析 / 関数方程式 / 関数空間 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は,(1)多重線形特異積分作用素の性質,(2)調和解析に現れる非負関数の不等式,(3)特異積分作用素と関数空間の応用,について研究することである.これらの課題の探求方法として実関数論の方法を用いる.研究課題はいずれもユークリッド空間またはその領域上の関数とそれに作用する作用素に関する調和解析の研究課題であり,それらに対する実関数論の方法を開発する点とその応用をめざす点に特色がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
多重線形のフーリエ乗子作用素の理論で、乗子がヘルマンダークラスに属す場合は、作用素の有界性が古くからよく知られているが、2023年度における我々の研究では、双線形の場合で、ヘルマンダークラスの乗子に、ある特殊の形の1次斉次相関数で定義される振動項を入れた乗子を調べた。これは、線形作用素の場合に波動方程式の初期値問題の解の表示に現れる作用素の一般化であり、我々の研究した双線形の場合は、将来、非線形の波動方程式の解の挙動を調べる場合に鍵になるものと考えられる。我々の研究に先立ち、ロドリゲツ・ロペツらは2014年以降に、ヘルマンダークラスのシンボルに特殊の形の斉次1次相関数をもつ振動項を入れた双線形擬微分作用素やそれを一般化したフーリエ積分作用素を考察し結果を得ていたが、2023年度における我々の結果は、彼らの結果を大幅に改良する新しいものである。この結果は論文としてまとめ発表した。 調和解析に現れる作用素に対する重み付き不等式についてのルビオ・デ・フランシアの補外定理は古典的な定理としてよく知られているが、2023年度における我々の研究において、この補外定理の多重線形の場合を得た。同様な多重線形補外定理は、クルツ・ウリベ、マーテル、ペレツらが2020年に示しているが、我々の得た定理は、彼らの定理よりも重みのクラスの定義が簡単で扱いやすいものとなっている。 変動指数のハーディ空間、オルリッツ・モーレー空間などの関数空間の性質を調べ、それらの空間での分数階積分作用素の評価などを得た。またベゾフ・モーレー空間を利用してケラー・ジーゲル方程式の解の存在とパラメータの整合性を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多重線形擬微分作用素など、調和解析に現れる多重線形特異積分作用素の研究は、本研究の大きな課題のひとつであるが、2023年度までに、ある特殊の形の斉次1次相関数をもつ振動項を含む双線形フーリエ乗子作用素に対して、新しい有界性を得ることができたのは大きな成果である。また、この研究によって、一般次数の斉次関数を相関数とする振動項を含むフーリエ乗子の場合にも有界性を調べる見通しがついた。 2023年度に得た多重線形の補外定理は、我々が研究している重み付き不等式について、とくにその多重線形版について、わかりやすい展望を与えるものである。これは、具体的に与えられた作用素の重み付き不等式を示す問題を、2乗可積分関数の場合に帰着できる点でことに利用価値が高いと思われる。 調和解析に登場する種々の関数空間を調べることに関しては、変動指数のルベーグ空間やモーレー空間などに対して、いくつかの成果が得られた。これらの関数空間に限らず関数の分布関数だけから決まらないいくつかの関数空間に対して、成果が得られた。 実関数論と調和解析の結果と方法を関数方程式の解析に利用することに関して、ナビエ・ストークス方程式、ケラー・ジーゲル方程式などの偏微分方程式に対して、種々の関数空間を利用した解析を展開することができた。また、振動項を含む乗子で定義される双線形のフーリエ乗子作用素の解析は、非線形波動方程式などへの応用が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
双線形のフーリエ乗子作用素の研究に関しては、2023年度までに、ヘルマンダークラスのシンボルにある特殊の斉次1次相関数をもつ振動項を入れた場合に対して、よい結果が得られた。2024年度はさらに、一般の形の斉次1次相関数の場合や、一般次数の斉次相関数の場合を調べたい。この研究は、宮地と冨田が中心となって進める。 非負作用素や非負関数に関する不等式の研究は、これまで主に田中と澤野が中心となって進め、ハウスドルフ・コンテントや2進直方体を利用した研究において成果を得た。2024年度以降も、田中と澤野が協力し、実関数論の方法と種々の関数空間の方法を取り入れて、重み付きモーレー空間の性質や分数階積分作用素の評価について研究を進める。 調和解析に現れる関数空間の研究では、2024年度も重み付き空間やモーレー空間など再配列不変でない関数空間の研究を進める。この研究は、中井と澤野が中心となって進める。実関数論の方法や調和解析の結果と方法を関数方程式の解析に応用する研究は、2024年度も引き続き、筒井、小林、澤野が中心となって進める。 調和解析、実関数論、関数解析、関数方程式、関数空間などに関する研究集会やセミナーにおいて、解析学の広い分野の研究者と最近の研究に関して研究連絡・研究討論を行う。研究集会などに本研究の代表者・分担者が出席するだけでなく、研究協力者にも出席を依頼し研究連絡・研究討論を行う。2020年度からの我々の研究成果をまとめて振り返り、今後の新しい研究の計画を立てる。
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