Project/Area Number |
23K20373
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Project/Area Number (Other) |
20H04146 (2020-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2020-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60020:Mathematical informatics-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 里司 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40709193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 徳朗 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (80433142)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,640,000 (Direct Cost: ¥12,800,000、Indirect Cost: ¥3,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 経路選択ゲーム / 数理最適化 / ゲーム理論 / 進化計算 / 力学系 / メカニズムデザイン / 駐車所割当て / グラフニューラルネットワーク / 動的交通流 / 近似計算 / 無秩序の代償 / transfer graph / 多目的最適化 |
Outline of Research at the Start |
交通渋滞において、交通網全体の混雑度を測ることは交通政策立案上重要である。その上で、混雑の適切な分散により混雑の緩和を実現する施策が必要である。この問題の解決のために、混雑の均衡状態を分析する利己的経路選択ゲームによるモデル化を用いた分析や、公共政策のためのインセンティブ設計などを行う必要がある。本研究の目的は、(1)利己的経路選択ゲームを現実の交通をモデル化できるように拡張し、(2)その均衡状態を効率よく計算できるアルゴリズムを開発し、(3)適切な交通政策を立案できる機構を構築することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)利己的経路選択ゲームを現実の交通をモデル化できるように拡張し、(2)その均衡状態を効率よく計算できるアルゴリズムを開発し、(3)適切な交通政策を立案できる機構を構築することである。本年度は、(1)都市交通における駐車場マッチング問題、(2)数理最適化を用いたメカニズムデザインの応用、(3)グラフニューラルネットワークを用いた情報推薦モデルの構築、の3つのテーマについて、研究を実施した。 (1)について、都市部における渋滞原因の1つとして、駐車場の探索に時間がかかるという問題がある。近年では、駐車場とユーザのマッチングが研究されているが、実用化の側面での研究は少ない。本研究では、Deferred Acceptance Algorithm(DAA)とBoston Algorithm(BA)の2種類のマッチングアルゴリズムの性能評価を行った。DAAは安定マッチングを出力するアルゴリズムとして知られてる。一方、BAはアルゴリズムが単純で高速に動作するが、安定マッチングの保証はない。一般にユーザはマッチング結果全体を観測することができないため、BAでも実用に耐えうると考えられる。評価実験では、動的環境でのマッチング成立率、成立までの時間を評価し、BAの有用性を明らかにした。 (2)について、数理最適化を用いたメカニズムの解析手法の応用として、クラウドファンディングに対するメカニズムの解析を行った。結果として、経済的に望ましい性質を有するメカニズムの存在性を示すことができた。本手法を経路選択における渋滞緩和メカニズムに適用し、解析することを考えている。 (3)について、グラフニューラルネットワークを用いたSession baed recommendationの新しいモデルを提案した。ECサイトの購買データを用いた評価では、既存手法よりも推薦精度が向上することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)都市交通における駐車場マッチング問題、(2)数理最適化を用いたメカニズムデザインの応用、(3)グラフニューラルネットワークを用いた情報推薦モデルの構築、の3つのテーマについて、研究を実施した。 (1)について、都市部における渋滞原因の1つとして、駐車場の探索に時間がかかるという問題がある。近年では、駐車場とユーザのマッチングが研究されているが、実用化の側面での研究は少ない。本研究では、Deferred Acceptance Algorithm(DAA)とBoston Algorithm(BA)の2種類のマッチングアルゴリズムの性能評価を行った。DAAは安定マッチングを出力するアルゴリズムとして知られてる。一方、BAはアルゴリズムが単純で高速に動作するが、安定マッチングの保証はない。一般にユーザはマッチング結果全体を観測することができないため、BAでも実用に耐えうると考えられる。評価実験では、動的環境でのマッチング成立率、成立までの時間を評価し、BAの有用性を明らかにした。特に、日本で採用されているような固定従量課金制の駐車場とのマッチングにおいて、BAのマッチング成立率や成立時間がDAAよりも優れていることを実験的に示した。適切な駐車場の割当てとそこから得られる出発・到着データを組み合わせることにより、経路選択ゲームの均衡流を適切に求めることができる。 (2)および(3)について、次年度の研究に必要な要素技術の開発、研究を行えたため、おおむね順調に推移していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度実施できなかった、動的経路選択ゲームを微分方程式として力学モデル用いて定式化し、その振る舞いを数値実験によって調査する。具体的には、粒子法によるアルゴリズムの構築を目指し、精度保証を与えるような解析手法の開発も併せて行う。 また、今年度実施した駐車場マッチングに関する研究成果をこれまでの経路選択ゲームに組み込み、適切な駐車場の割当てとそこから得られる出発・到着データから、経路選択ゲームの均衡流を適切に求めるアルゴリズム開発を行う。 さらに、一昨年度作成したシミュレータを簡素化した被験者実験システムを開発し、被験者実験を実施する。そのために、データ収集、分析要員として、大学院生2名の雇用を考えている。 また、最終年度となるため、これまでの研究成果をまとめたワークショップの開催を考えている。
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