『源氏物語』写本の非破壊分析による書写年代推定法の開発と河内本の再評価
Project/Area Number |
23K20447
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Project/Area Number (Other) |
21H00508 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
横井 孝 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (60166866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤山 茂 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (00078213)
大和 あすか 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, アソシエイトフェロー (30823752)
佐藤 悟 実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)
上野 英子 実践女子大学, 文学部, 教授 (60205573)
日比谷 孟俊 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (60347276)
舟見 一哉 実践女子大学, 文学部, 准教授 (80549808)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | 源氏物語 / 古筆切 / 非破壊 / 紙質分析 / 河内本 / 紙質 / 打紙 / デジタルマイクロスコープ / 蛍光X線分析器 / 蛍光x線分析機 / 蛍光X線 / 和紙 / 藤原為家 |
Outline of Research at the Start |
『源氏物語』の現行テキスト「定家本」よりも古態と推測されながら、断簡という形で散在するため、軽視ないし無視されてきた写本(河内本)を、非破壊の方法を用いて信頼性を獲得し、より原作に近接するテキストの再建を目指すというのが本研究の課題である。特に、鎌倉中期の藤原為家を伝称筆者とする「為家本」の紙に注目し、3Dデジタルマイクロスコープ・分光光度計・蛍光X線分析器によって年代推定を行い、「定家本」を超える、もしくは匹敵する古態の本であることを証し、さらに加えて、それが極めて良質の紙であることを科学的に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ここにいう「為家本」とは藤原為家を伝称筆者とする『源氏物語』断簡群のもとの写本の形態を仮称するものである。断簡の様相などから一連のもの(ツレ)であることが明らかなものもあるが、判別の明瞭でないものもあり、高精細デジタル顕微鏡・高解像度スキャナ・蛍光X線分析器などのハイテク分析器を通してテキスト再建を目指すのが本研究である。当該年度には、論考として①~⑤の5篇を公表した。 A 廣田收・横井孝編著『紫式部集の世界』(勉誠出版、2023年7月)に、①横井孝「紫式部集の紙―高精細デジタル顕微鏡による演習」(pp.1-2,307-322)、②廣田收・横井孝「[対談]『紫式部集』研究の課題」(pp.323-387)、 B 江南和幸・佐藤悟・横井孝 編『紙のレンズがひらく古典籍・絵画の世界』(勉誠社、2023年11月)に、③横井孝・澤山茂・日比谷孟俊「為家本源氏物語幻の巻の研究―高精細デジタル顕微鏡・高解像度スキャナ・蛍光X線分析器による紙質調査を通して―」(pp.31-70)、 C 田中登・横井孝編著『源氏物語 古筆の世界』(武蔵野書院、2023年11月)に、④横井孝「『源氏物語』本文資料としての古筆切」(pp.515-533)、さらに、D実践女子大学文芸資料研究所『年報』第43号、(2024年3月)に、⑤澤山茂・横井孝「為家本源氏物語の紙(1)―填料としての米粉の存在―」(pp.15-27)を収めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の骨子である非破壊による方法で、写本の構成要素のうちの基盤である「紙」の繊維や元素組成の分析によって、鎌倉時代中期という、より古態の『源氏物語』テキストを再建する方法が可能であることが明らかになった。高精細デジタル顕微鏡により、試料である「紙」の繊維の同定作業、高解像度スキャナによって紙の制作工程の「紙漉き」の簀の目の同定分析、蛍光X線分析器によって紙の元素組成の調査を行った。前年度までの成果を踏まえ、その方法をさらに深化させたものである。 前年度までに発見され、実践女子大学に収蔵された伝藤原為家筆「源氏物語幻の巻」1巻全体を、既存の賢木・真木柱・薄雲の諸巻の断簡とともに調査対象とすることが出来、飛躍的にツレの同定がしやすくなった。為家本による河内本テキスト再建は、また大きく進展したものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
源氏物語の写本・断簡の数は膨大にあり、その中でもツレに相当もしくは該当する候補を選定するだけでもデータの多寡は重大な意義がある。これまでも資料自体の収集をしてきたが、再現性をより強固にするため、これまでと同様に高精細デジタル顕微鏡・蛍光X線分析器によって紙の元素組成の面からの同定作業をよって、更なるデータ収集につとめてゆく。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)
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[Book] 紫式部集の世界2023
Author(s)
廣田收・横井孝
Total Pages
404
Publisher
勉誠出版
ISBN
9784585390312
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