Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
本研究では、近代の日本において社会をその周縁ないし底辺から「支え」、近年その終焉がみすえられつつあるふたつの場、ハンセン病の療養所と日雇労働者の街(寄せ場・ドヤ街)に着目して、「老い」ゆく場と人びとの生の軌跡をとらえるとともに、その表象のあり方について考察し、やがて失われるであろう場と人びとの生の軌跡の歴史化を構想する。具体的には、大島青松園・沖縄愛楽園や山谷をおもなフィールドとして、人びとが自らの生きてきた場の「老い」や自身および身近な者の生・老・病・死をどのようにとらえ、むきあってきたのかを跡づける。それをとおして、「老い」ゆく場とそこに生きる人びとの生から、近代の日本社会をとらえなおす。