Project/Area Number |
23K20497
|
Project/Area Number (Other) |
21H00569 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
|
Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 英美 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (20876255)
長島 祐基 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 助教 (20979364)
新井 勝紘 専修大学, その他部局等, 参与 (40222707)
原山 浩介 日本大学, 法学部, 教授 (50413894)
高田 圭 法政大学, 国際日本学研究所, 准教授 (60837889)
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70568211)
根津 朝彦 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70710044)
西阪 仰 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (80208173)
今井 勇 聖学院大学, 人文学部, 准教授 (90451674)
秋山 道宏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (90813767)
田中 晋平 日本大学, 芸術学部, 研究員 (90612870)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
|
Keywords | 現代史 / 社会運動 / アーカイブズ / オーラルヒストリー / 成田空港 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1960年代から1970年代の日本で展開された住民運動のなかでも最大規模で長期に持続した三里塚闘争(成田空港建設への反対運動)を取り上げる。当初は局地的かつ短期に収束する可能性もあったこの運動に地域外から多様な支援運動が合流し、1970年代には全国レベルで支援運動が展開された要因と過程を一次資料を用いて解明する。三里塚闘争に関する多様な文書資料および聞き取り資料の分析に加え、動画等の視聴覚資料も駆使して、歴史学、アーカイブズ学、映画学、社会学の領域横断型の共同研究を推進する。文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法の確立を目指すとともに、戦後史研究に新たな方法的視座を提供する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本共同研究は、1960年代から1970年代の日本で展開された住民運動のなかでも、最大規模で長期に持続した三里塚闘争(成田空港建設への反対運動)について、当初は局地的かつ短期に収束する可能性もあったこの運動に地域外から多様な支援運動が合流し、1970年代には全国レベルで支援運動が展開された要因と過程を一次資料を用いて解明することを主な研究目的とする。そして、音声や動画などの視聴覚資料も駆使し、歴史学、アーカイブズ学、映画学、社会学の領域横断型の共同研究を推進する。文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法の確立によって戦後史研究に新たな方法的視座を提供することが本共同研究の研究方法論の面における研究目的である。 以上の研究目的のもと、2022年度には、引き続き研究組織をA文書資料研究領域(重点領域)、B視聴覚資料研究領域(重点領域)、C地域資料収集領域(副次領域)の編成として、各領域で主に研究対象とする重要資料の分析と資料のデジタル化を進展させた。具体的には、計2回の全体会議と計7回の研究報告会を開催し、研究対象とする資料の整理と分析を行う資料整理調査会は計7回・23日間にわたって対面開催した。新型コロナウイルス感染症の流行により全体会議と研究報告会はオンライン開催となったが、資料整理調査会は感染対策を徹底して、当初予定よりも頻繁な対面開催を実現した。以上をもとに学術論文と学会発表等を行った。 特に、資料調査の成果をもとに2022年7月には立教大学共生社会研究センターとの共催で公開セミナー「記録される生と死:アーカイブズと『名前』をめぐるディスカッション」をオンライン開催した。そして、2023年3月には2年間の共同研究の成果を社会・地域に向けて発信する講演会「文書・映像に記録された成田・芝山の現代史」を成田市内で対面開催し、約70名の市民・研究者に研究成果を報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は二つある。第一の目的は、三里塚闘争(成田空港建設への反対運動)および地域外からの多様な支援運動の展開要因と過程を解明することである。三里塚闘争の歴史的推移に関する実証研究は日本史学のみならず、隣接分野も含めて蓄積が少なく、特に支援運動の形成要因と展開過程は未解明である。本研究はこれらの歴史的過程を一次資料で実証的に明らかにすることを目指す。 第二の目的は、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立することである。関連するアーカイブズには未整理の膨大な文書資料が残されており、中には音声や動画等の視聴覚資料もある。領域横断型の共同研究でこれらを活用し、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立することを目指す。 2年目に入った当共同研究は、第一の目的について、主として全体会議と研究報告会の継続開催を通して重要資料を選定し、新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底したうえで、当初予定よりも資料整理調査会を頻繁に対面開催して重要資料へのアクセス機会を増やすことができた。また、第二の目的については、2022年度からデジタル化した視聴覚資料への本格的なアクセスを実現した。そして、成田空港空と大地の歴史館で継続開催した資料整理調査会に加えて、千葉県立中央図書館や立教大学共生社会研究センターへの資料調査も実施することができ、複数のアーカイブズを活用した共同研究へと本研究を展開させた。 以上をふまえて学術論文と学会報告等を実施し、2023年3月には2年間の共同研究の成果を社会・地域に向けて発信する講演会「文書・映像に記録された成田・芝山の現代史」等を開催し、市民・研究者への研究成果の発信を実現した。本研究は、2022年度に計画した内容を順調に実施し、社会・地域に向けた共同研究の成果発信を実現した。 以上から、本研究は、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究成果をさらに展開させるために、2023年度には成田空港空と大地の歴史館、千葉県立中央図書館、立教大学共生社会研究センター等のアーカイブズや専門図書館等における資料調査を着実に実現するとともに、A文書資料研究領域(重点領域)、B視聴覚資料研究領域(重点領域)、C地域資料収集領域(副次領域)の各領域の研究成果に基づいて、全体会議や研究報告会で議論を進め、共同研究の成果のとりまとめに向けた見通しをつける。また、2021年度に実施した重要資料のデジタル化の過程で、目録未作成の視聴覚資料がまとまって発見されたことから、これらの研究活用を念頭に置いた視聴覚資料のデジタル化も継続し、資料整理調査会において文書資料と視聴覚資料の双方にアプローチしていく。 以上の推進方策に基づいて、三里塚闘争における運動規模の拡大要因を実証的に解明しながら、領域横断的な研究推進によって、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立する本共同研究の成果を国内外に発信していく。
|