Project/Area Number |
23K20523
|
Project/Area Number (Other) |
21H00602 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
|
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
小田木 治太郎 天理大学, 人文学部, 教授 (90441435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 守 公益財団法人泉屋博古館, 学芸課(本館), 館長 (30565586)
菊地 大樹 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員教授 (00612433)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | 長城地帯青銅器文化 / 漢代王侯墓 / 蛍光X線分析(XRF) / 徐州博物館 / 早期秦文化 / 中国長城地帯青銅器文化 / 中国北方青銅器・オルドス青銅器 / 漢代諸侯王墓・列侯墓 / 徐州楚王墓 / フォトグラメトリ(SfM-MVS) / 長城地帯 / 中国北方青銅器文化 / 京都大学総合博物館資料 / 京都大学総合博物館 / 金銀製帯飾板 / 金属器製作技法・系統 / 大雲山墓:西漢江都王陵1号墓 / 北方的動物要素 |
Outline of Research at the Start |
中国の長城地帯は、北の遊牧世界と南の農耕世界との境界である。秦漢王朝は長城の南側に誕生した中国最初の帝国であるが、その中に北方異民族の要素が入り込んでいる。しかもそれらは皇帝陵や王侯墓という高位者の墓の副葬品に多い。本研究では長城以南で出土した北方要素を集成するとともに、現地に赴いてとくに注目される資料群を調査し、分析を進める。これにより、秦漢王朝と北方異民族との交渉・交流、また秦漢王朝におけるける北方異民族要素の意味、さらに王権内部での中央と諸侯国との関係性の解明に迫る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実施計画には、①漢における北方起源の器物・文様のデータベース作成、②中国での北方起源資料の調査、③国内の関連資料の調査研究、④過去プロジェクト成果の再検討・中国語化をあげた。研究代表者は本年度後半の半年間は中国・復旦大学に滞在したことから、下に示すように、特に①②④を大きく進めることができた。また③国内関連資料の調査研究は、本研究と期間が重なった前年度繰越研究の中で一定の達成を見たので、注力する必要がなくなった。 ①は、事例が報告されている文献を収集し、必要な部分をスキャンしてデジタル・データ化し、整理する作業を進めた。特に復旦大学文博系の図書および中国のオンラインサービスを活用し、日本では入手困難な文献に調査を及ばすことができた。特に漢代王侯墓および戦国後期墓のデータを集めた。 ②は、徐州博物館に研究代表者および分担者2名が赴いて、徐州博物館の共同研究者とともに資料の詳細調査を実施した。獅子山墓、北洞山墓などの漢代楚王墓、および簸箕山3号墓などの列侯墓の出土品を中心に、計測・写真撮影・フォトグラメトリ(SfM-MVS)を含む形態学的データの取得および蛍光X線分析を行った。なお調査を希望したうちの一部の資料は、管理当局の許可が間に合わず実施できなかった。また、山東省博物館、臨シ斉文化博物館、成都博物館、四川省博物館、甘粛省博物館、張掖市博物館、内蒙古博物院、広州博物館、広東省博物館、南越王博物院、湖南博物院、長沙博物館、武漢博物館、湖北省博物館などを調査した。中でも広東省南越王墓出土帯飾板・羊頭形器・馬面、広州漢墓出土帯飾板、湖南省曹セン墓出土玉製帯飾、安郷劉弘墓出土帯飾板を調査したのは意義深い。また第4回中国考古学大会に参加し、陝西省薄太后南陵出土品に関する情報を得られたのも重要である。 ④は、研究協力者の復旦大学・秦小麗氏と密接に連携して中国語化を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の概要に示すように、研究実施計画にあげた各項目を概ね達成できた。②の徐州博物館調査については、一部の資料に対する調査を実施できなかったが、他の博物館等で予定外のデータを取得することができ、総体として相応の成果に達したものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
①漢における北方要素データベースの構築、②徐州博物館調査データの分析と報告、③甘粛省における関連資料調査、④過去研究の再整理と中国語化、を進める。また最終年度であるので、成果としてまとめることに注力する。 ①は漢代王侯墓・中小墓に加え、戦国後期・秦代にも対象を広げ、集まったデータの分析検討を進める。②は昨年度ようやく実施できた中国・徐州博物館での資料詳細調査で得たデータの整理を進め、検討を行う。③は徐州博物館資料に次ぐ中国での資料調査である。甘粛省秦安地域には馬家ゲン遺跡をはじめ早期秦文化に関係する遺跡が多くあり、それらからは北方要素を含む遺物が多数出土している。それらに対して、これまでと同様の調査を行い、比較検討する。④は、本年度までで過去研究の再整理および中国語化は大詰めにたどり着いているので、再検討・考察を加えてまとまったモノにするよう注力する。
|