Project/Area Number |
23K20528
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Project/Area Number (Other) |
21H00608 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森先 一貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90549700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國木田 大 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
出穂 雅実 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (20552061)
岩瀬 彬 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (70589829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 現生人類 / 環境適応 / 高精度編年 / 後期旧石器時代初頭 / 日本列島 / 後期旧石器時代前葉 |
Outline of Research at the Start |
現生人類(ホモ・サピエンス)が日本の後期旧石器時代を開拓した。現生人類だけが有する高い適応能力がそれを可能としたとされるが、実際彼らが日本列島に到来してからどの程度の時間で、いかに各地の環境に適応したのかは明らかになっていない。本研究では、地質編年と年代測定により後期旧石器時代初頭の考古編年の精度を一律に向上させ、共通した年代基盤で環境適応戦略が地域ごとに多様化したプロセスを考古学的に研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本列島における現生人類到来直後の後期旧石器時代前葉(約3.9~3.0万年前)の地域性形成プロセスを高精度に復元することである。当該時期の遺跡のうち、東北・関東・九州について、(1)放射性炭素年代測定と地学研究の組み合わせにより地質・考古編年の信頼性向上を図り、高精度の編年に基づいて各石器群に、(2)石器技術及び居住形態、(3)道具使用行動(使用痕分析)の観点から多面的な分析を加えることを方法とする。 2022年度は、(1)に関して当初予定に沿って岩手県奥州市上萩森遺跡の発掘調査を実施した。調査地点は昭和調査区の南側隣接地である。調査にあたり国土座標を有する調査原点を設置し、これに基づいて9箇所の調査区を設置、掘削を行った。調査では昭和調査の堆積層序の良好な残存を確認するとともに、昭和調査で出土した石器群の出土層準について検討した。また、これまでは未詳であったATを含むテフラの降灰層準をおよそ特定することに成功した。あわせて、調査では土壌化学性・粒度分析に供するサンプル、及び土壌DNAサンプルの採取を実施し、現在解析中である。これらの成果を揃えることで、東北地方における重要遺跡の地質・編年的位置付けをより明確化することが可能となる見通しがたった。 また、東北地方及び関東地方において過去の出土資料のうち、その由来が明確な炭化物のサンプリングを行うとともに、これら以外の地域のうち中国地方の関連資料についてもサンプル採取を行った。これらの年代測定のうち、およそ半数は2022年度に実施済である。当該資料については(2)の技術分析等をあわせて実施し、地質・考古編年の精度向上と人類適応行動の進化に関する重要データを着実に蓄積した。 この他、地質・考古編年の上で良好なコンテクストにある遺跡のうち、東海地方及び関東地方で(3)使用痕分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度までの調査により、当初予定していた研究項目の全てについて予定通りの進捗となっている。発掘調査で得られたデータについては今後の整理作業を通じて総合的に評価を加えていくこととなるが、2023年度中の公表にむけてすでに各種データの整理を進めている。また、年代研究、及び石器技術・居住形態・道具使用行動に関するデータについて2022年度までに予定の過半程度をすでに蓄積してきた。これらのことから、本研究課題は当初の予定どおりの進捗状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の中心課題のひとつである上萩森遺跡の発掘調査成果の公表に向けては、すでに調査データの整理には着手しており、引き続き現状のペースで作業を進め、おおよそ2023年度中には取りまとめを行いたい。また、進捗が十分であるため、2023年度のうちに周辺地域において将来的な調査の展望がある遺跡の探索を行う予定である。 また、関連遺跡の年代決定手法の検証と編年の精度向上の取り組みを継続する。すでにサンプリング済の資料の年代測定に加えて、数遺跡の追加調査を実施し、石器群の年代決定に有効なコンテクストで出土した炭化物の収集に努めたい。石器使用痕分析による道具使用行動の研究は、さらに東北及び九州で実施予定である。
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