Project/Area Number |
23K20569
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Project/Area Number (Other) |
21H00660 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下井 康史 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (80261262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 妙実子 中央大学, その他部局等, 名誉教授 (20151821)
松戸 浩 立教大学, 法学部, 教授 (30292189)
晴山 一穂 専修大学, その他部局等, 名誉教授 (50106952)
渡邊 賢 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 客員研究員 (50201231)
皆川 宏之 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (50375606)
奥 忠憲 駒澤大学, 法学部, 講師 (50805314)
清水 敏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 名誉教授 (60136207)
田村 達久 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60304242)
早津 裕貴 金沢大学, 法学系, 准教授 (60732261)
島田 陽一 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 名誉教授 (80162684)
稲葉 馨 立正大学, 法学部, 教授 (10125502)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 国家公務員法 / 地方公務員法 / 勤務条件決定システム / 任免システム / 権利救済システム / 公務員法制の射程 / 公務員勤務条件決定システム / 公務員任免システム / 公務員権利救済システム / 非正規公務員 |
Outline of Research at the Start |
国家公務員法・地方公務員法の制定から70年余りが経過したが、両法は、その基本的姿を維持している。その間、制度の建前と実態の乖離という問題点が進行・複雑化した。他方、関連領域における法制度・学説・判例の変化は著しく、現行実定公務員法が、かかる変化に適応できるものとなっているのか、疑わしい。以上の点に関する理論的な検証を経た上で、法制度の抜本的な改革を検討すべきではないか。 かかる問題関心から、本研究は、行政法・労働法・憲法の各研究者が協働し、英米独仏との比較法研究を踏まえて、1.公務員法制の射程と内実、2.勤務条件決定システム、3.任免システム、4.権利救済システムを分析・検証・考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、日本公務員法の現状分析を中心に行い、外国法研究も並行して実施した。それらの成果の一部は、本研究の代表者及び研究協力者を中心メンバーとする研究会(公務員法研究会)で報告され、そこでの意見交換を通じて互いの知見が高められた。 同年度の公務員法研究会は、ハイフレックス方式で開催した。報告実績は、①下井康史「集団安保法自衛隊出動命令訴訟(最一小判令和元年7月22日民集73巻3号245頁)評釈」(令和4年6月18日)、②島田陽一=渡邊賢=田村達久「早津裕貴『公務員の法的地位に関する日独比較法研究』(日本評論社、2022年)にかかる書評」(同年8月29日)、③島田陽一「懲戒処分をめぐる一般労働法と公務労働法の比較」、皆川宏之「大阪医療刑務所事件(大阪地判令4・6・30)の検討」、下井康史「行政法学の観点からのコメント」(同年11月19日)、④早津裕貴「公務員の任用・勤務関係と労働者の契約関係の再整序に向けた一試論」(令和5年3月21日)である。 上記のうち②は、島田陽一=田村達久=渡邊賢「書評・早津裕貴著『公務員の法的地位に関する日独比較法研究』(日本評論社、2022年)」、季刊労働法279号(2022年)112-127頁として公表された。前年度の研究会報告の一部は、下井康史「「非正規」公務員をめぐる法的課題--公法学の観点から--」日本労働法学会誌135号(2022年)180-182頁、早津裕貴「『非正規』公務員をめぐる現代的課題 本ワークショップの趣旨と概要」日本労働法学会誌135号(2022年)172-173頁、皆川宏之=下井康史「市と締結した労務参加契約の法的性質と安全配慮義務違反の有無 浅口市事件・岡山地倉敷支判平成30・10・31判時2419号65頁」季刊労働法276号(2022年)193-210頁として公表されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、我が国の実定公務員法が、制定から70年余りを経過し、公務員法を取り巻く状況が大きく変化していること、とりわけ、制度の建前と実態の乖離という同法の抱える問題点が進行・複雑化し、また、関連領域における法制度・学説・判例は著しく変化していることを踏まえ、現行実定公務員法が、かかる変化に適応したものとなっているのか、検証が必要であるとの問題関心から、行政法・労働法・憲法の各研究者が協働し、かつ、英米独仏との比較法研究を踏まえて、公務員法制度の抜本的な改革を検討しようというものである。取り扱うテーマは、主として、1.公務員法制の射程と内実、2.勤務条件決定システム、3.任免システム、4.権利救済システムであり、これら各論点につき、現行実定公務員法の問題点を抽出し、比較法研究の知見を活かした解決策を、解釈論・立法論の両面から提言することを目的とする。 かかる目的の下、令和4年度は、上記各テーマに関する日本法の問題点を探るべく、各メンバーが、それぞれ固有の問題関心に基づき、具体的なテーマを取り上げ、分析・検証・考察を進めた。とりわけ、メンバーの一人である早津裕貴が、単著『公務員の法的地位に関する日独比較法研究』(日本評論社、2022年)を著し、そして、他のメンバーが同著を書評することにより、日本法のみならず、ドイツ法公務員法制に関する理論的な問題点の考察を深めた。以上の成果は、上記公務員法研究会や学会での報告を通じて発表し、さらには、一定数の論攷で公表することができている。 また、上記公務員法研究会では、多方面からの知見を得るべく、本研究のメンバー以外の研究者等による報告も適宜実施している。 新型コロナウイルスの影響で諸外国等の現地調査などは実施できていないが、研究会はハイフレックス方式で実施した。 以上のことから、研究の目的はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究推進予定は以下の通りである。 まず、日本法については、引き続き、1.公務員法制の射程と内実、2.勤務条件決定システム、3.任免システム、4.権利救済システムを主たる対象として、現行実定公務員法が抱える制度上・運用上の問題点を洗い出す。その他、判例研究等を通じて、上記4点以外の新たな問題点の発見に努める。研究成果は、適宜、公務員法研究会等で検証する。また、同研究会では、多方面からの知見を得るべく、引き続き、本研究のメンバー以外の研究者等による報告も適宜実施していく。その際、法学以外の領域の研究者の報告も依頼する。 次に、同時に、上記4点に関する比較法的分析も並行して実施する。その際、資料収集・文献研究のほか、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、適宜、米英仏独各国への現地ヒアリング調査も実施する。同調査に際しては、既知の現地研究者の協力を得た上で、現地においても、本研究と同様の分野横断的かつ国際的な議論を実施できるよう準備する。調査の成果は、公務員法研究会で報告する。 以上を踏まえ、わが国の実定公務員法制の抜本的改正の要否の検討、及び、これが必要とされる場合の理論的視点を精査し、その成果は、逐次、公務員法研究会で報告し、また、学会報告などの実施も検討する。
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