Project/Area Number |
23K20589
|
Project/Area Number (Other) |
21H00696 (2021-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
|
Research Institution | Osaka University of Economics (2023-2024) Osaka University (2021-2022) |
Principal Investigator |
孫 寧 大阪経済大学, 経済学部, 招聘海外研究者 (30302384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU YU 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (40807450)
青柳 真樹 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50314430)
數村 友也 京都大学, 経済学研究科, 講師 (50804960)
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 招へい教授 (90252717)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Declined (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | オークション理論 / マッチング / アルゴリズム設計 / 経済実験 |
Outline of Research at the Start |
マッチング・モデルを含む広い意味でのオークション・モデルにおいて、最先端の理論研究を行うとともに、現実社会への応用を目指す。理論研究では、非準線形な選好を許容する一般的な環境で、最も望ましい性質をもつ多数財オークションを分析する。その際、最初からメカニズムの候補を絞るのではなく、広い候補の中から、効率性や公平性などの望ましい条件を可能な限り満たすメカニズムを検討する。さらに、オークション理論の研究を現実社会で役立てるために、経済実験によって理論的分析結果を検証する。経済実験でうまく理論的性能が発揮できない場合には、それを発揮させるための工夫も試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
① 政府は、雇用する人々に応じて金銭的な動機付けをしばしば行う。例えば、外国人労働者を雇用する企業に特別に税金を課したり、逆に地元の労働者を雇用した場合には、補助金を出したりなどである。そのような金銭的な動機付けを行う政策が、労働市場における均衡の存在と安定性に与える影響を分析した。労働者ー雇用者マッチングの標準的なモデルにおいて、(粗)代替性条件は、均衡の存在と安定性にとって非常に重要であることが知られている。(GulandStacchetti, 1999, 2000; Milgrom, 2000; Hatfieldetal., 2013; Yang,2017)本研究では、金銭的な動機付けを行う政策を、雇用する労働者の集合族から実数への移転関数として定式化し、どのような移転関数が代替性条件を保持し得るかを分析した。その結果、加法的に分離可能でかつ基数的に凹型な移転関数の和であることが、移転関数が代替性条件を保持し得る必要かつ十分条件であることを示した。ここで、加法的に分離可能であるとは、各労働者に実数が割り当てられ、移転額が雇用する労働者に割り当てられた実数の和になるということである。このような特徴は、いわゆる「積極的格差是正措置」政策とも一致している。 ② 複数の非同質財を非準線形な選好を持つ入札者に配分するオークション・モデルにおいて重要な同時競り上げオークションについても研究を進めた。 ③ より多くの現実的応用を可能にするため、宅地開発事業における家屋の割り当てモデルにおいてコアを分析し、配分がコアであるための必要かつ十分条件がワルラス均衡であることを示した。さらに、コア配分を達成しるための振り子オークションを考案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で説明したとおり、本研究の主要分析テーマである多数財のオークション・モデルやマッチング・モデルなどで分析を進めている。純粋理論的な分析だけではなく、①政府が税金や補助金により介入している労働市場、②世界の多くの国(日本以外の全てのOECD加盟国)で実施され、落札額が巨額になる周波数オークションや③宅地開発事業におけるオークションなど、現実の多様な環境に応用できるように、モデルにいろいろな工夫を凝らした上で、分析を行った。 「研究実績の概要」の①の成果をまとめた論文は、世界の経済学全体でTOP5の一つとされるThe Review of Economic Studiesに公刊された。これは、日本の経済学全体でもまれにみる快挙である。「研究実績の概要」の②の成果をまとめた論文も、当該分野で世界のトップジャーナルの一つとされるGames and Economic Behaviorに公刊された。この研究結果も非常に優れていることの証左である。「研究実績の概要」の③の成果についてはまだ公刊に至っていないが、世界的に重要なジャーナルへの公刊を期待できる成果である。 長らくコロナの蔓延が続いたが、2022年度途中から出張可能な環境になってきたので、【学会発表】にリストしたように、積極的に国内外のコンファレンス、ワークショップ、セミナーに参加して研究をアピールした。上述したように、昨年度に引き続き、世界的に重要な成果を次々と出しているので、本研究は「順調に進展している」と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降も、本研究の研究目的に沿って、研究を進めていく。すなわち、マッチング・モデルを含む広い意味でのオークション・モデルにおいて、最先端の理論研究を行うとともに、現実社会への応用を目指す。理論研究では、非準線形な選好を許容する一般的な環境で、最も望ましい性質をもつ多数財オークションを分析する。その際、最初からメカニズムの候補を絞るのではなく、広い候補の中から、効率性や公平性などの望ましい条件を可能な限り満たすメカニズムを検討する。さらに、オークション理論の研究を現実社会で役立てるために、経済実験によって理論的分析結果を検証する。経済実験でうまく理論的性能が発揮できない場合には、それを発揮させるための工夫も試みる。 2022年度途中までコロナの蔓延が続いていたので、研究成果をアピールするための出張が限られていた。代わりにオンラインでの交流を続け、直接出張できないことをなんとか補っていたが、やはり直接出張してアピールするほどの効果は難しい。今まで不十分であった直接の交流を補うために、これからはより積極的に直接出張してアピールする計画である。また2022年度途中から出張可能な環境になってきたが、中国は2022年末までゼロコロナ政策を続け、やめた直後には逆にコロナ蔓延状態が急激に悪化し、実質的に交流が不可能であった。そのため、2023年度以降には、中国との研究交流を特に積極的に行う計画である。
|