Project/Area Number |
23K20619
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Project/Area Number (Other) |
21H00736 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 歩 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (10374886)
林 幸司 成城大学, 経済学部, 教授 (30612775)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 名誉教授 (40101620)
布田 朝子 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40533815)
渡辺 昭一 東北学院大学, 文学部, 教授 (70182920)
布田 功治 亜細亜大学, 経済学部, 准教授 (70609370)
須藤 功 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (90179284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | グローバル債務 / 直接投資 / 開発金融 / 累積債務問題 / 資本移動 / 国際資本移動 / ユーロカレンシ―市場 / 開発経済学 / 貿易金融 / 公的債務 / 国際金融機関 / 累積債務 / 開発援助 / 開発循環 / 中所得国 |
Outline of Research at the Start |
現代の世界では、債権国と債務国、黒字国と赤字国、工業国・産油国・非産油国、先進 国・新興工業国・発展途上国、といったカテゴリーが輻輳している。これらカテゴリー間の 債権債務関係は、短期の貿易送金・外国為替決済から長期にわたる投資・借款・融資にいたるまでグローバルな連関を構成している。本研究は、上述の資金移転・資本移動の総体を「グローバル債務」と定義して、この「グローバル債務」がどのような歴史的文脈を経て形成され、いかなる状況に直面しているのかを明らかにする。本研究は「グローバル債務」をその形成の起点に遡行して、歴史的文脈においてあきらかにするアプローチを展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の第三年度にあたる2023年度は、成果のとりまとめに向けた研究の深化と総括に進んだ。2023年6月22日にオンラインで研究会議を開催し「グローバル債務」と「グローバルヒストリー」の諸課題を整理し、2023年9月11日にはパネル準備会合研究会議を開催して研究報告の相互検討を行った。 これらをふまえて2023年10月28日に政治経済学・経済史学会秋季学術大会において科研費研究課題に即したパネル・ディスカッション「グローバル債務の歴史的諸相―開発金融と資本移動―」を開催し、研究代表者・矢後が趣旨説明を行い、研究分担者・布田(功)と菅原が報告を担当し、研究分担者・浅井がコメントを行い、研究分担者・林が司会を担当した。このほか、科研プロジェクト外から伊藤カンナ氏(名古屋大学)の報告をいただいた。 パネルでは「1970年代の国際経済的特徴」「国際資本移動の歴史化」「債務像の新しい展開」という論点が提示され、研究課題のとりまとめに寄与した。具体的には、これまで貿易収支・貿易環節の視点からとらえられることが多かった1970年代に至る国際経済の連関に「資本移動」の視点が提起された。また従来の「資本自由化」の内実をより歴史的に豊富化し、オフショア市場における「自由化」からメリットを引き出そうとする事例(シンガポール)、「自由化」が債権債務関係を再編しつつ「ターンテーブル」としての役割を見出していく事例(イギリス)、「自由化」に銀行部門を関与させながら困難なマクロ経済政策に転じていく事例(イタリア)が整理された。 この他、研究代表者・分担者はそれぞれに研究分担課題を深め、査読付き論文、国際共同研究等において成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は政治経済学・経済史学会のパネル・ディスカッションを行い、研究課題の総括的な整理と発信が進展した。このパネルに向けた研究課題の相互のすりあわせも年度内に2回行うことができ、当初計画以上の論点整理が達成された。 各研究分担者の研究も当初予定以上に進展した。研究代表者・矢後が国際共同研究に参加して、学術雑誌特集号の編集と座談の実現に寄与するなど、国際的な発信も行われた。さらたに研究分担者間の共同研究も当初予定以上に進展し、布田(功)・菅原を中心に国際資本移動と国際金融市場をテーマとしたディスカッションペーパー特別号の編成も緒についている。 こうした成果をふまえ、2023年度は当初研究課題で展望した「国際資本移動の歴史化」「国際金融市場と債務」という主題については成果のとりまとめに向けたおおよその見通しは立ったものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の最終年度にあたる2024年度は成果の取りまとめを展望して論点の総括に進む。 具体的には、第一に、これまでやや遅れていた「アジアの債務と重商主義」というテーマについて、中国、ミャンマー、シンガポール等をフィールドとするパネル・ディスカッション等の開催を予定している。このテーマは、当研究課題のなかでも比較的新しいアプローチであり、学際的な接近も必要になる。支出計画には、この分野の研究調査・連絡のための旅費を計上している。 第二に、国際資本移動・国際金融市場にかかる課題については、2023年度までの成果を踏まえて、国際的な発信に向けて準備を行う。すなわち、2024年11-12月に当該テーマの泰斗であるキャサリン・シェンク教授(オックスフォード大学)を招聘して、国際共同セッションを組み、これを基礎として2025年夏にスウェーデンで開催される世界経済史会議でのセッションを準備する(世界経済史会議へのセッション申請は済んでいる)。そのセッション開催のための諸経費を計上している。 第三に、2023年度のパネルで新たに切り開かれた「先進国におけるマクロ経済的対応」という論点について、日本、アメリカ等の事例を取り上げる。このテーマに向けて研究分担課題を再編成して、浅井・須藤を担当者に任じている。
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