Estimation through a comprehensive firm transaction network due to the impact on businesses and the economy caused by disaster and infectious disease measures
Project/Area Number |
23K20626
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Project/Area Number (Other) |
21H00743 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
井上 寛康 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (60418499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸堂 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30336507)
藤原 義久 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (50358892)
伊藤 伸泰 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, チームリーダー (70211745)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | サプライチェーン / シミュレーション / ネットワーク / 並列計算機 / 並列計算 / 災害 / パンデミック / 感染症 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大規模で網羅的なサプライチェーンデータを元に企業の生産活動をモデル化し、富岳コンピュータを用いたシミュレーションにより、災害や感染症対策が経営・経済に与える影響の精細かつ柔軟な推計を行う。本研究は重要な理由は:1.災害などのショックでは連鎖的な破綻など複雑な現象により被害が深刻化するが、従来研究のモデルではこのような過程を検証できない。2.複雑な現象の原因は企業をとりまくネットワークにあり、実際のネットワークデータなしで現実の現象を把握するのは困難である。3.本研究では160万企業と600万事業所のデータを用いる。4.これらの相互作用の計算は膨大であるため富岳コンピュータを用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大規模かつ網羅的なサプライチェーンデータを用いることで、複雑性を排除せずに企業の生産活動をモデル化し、富岳コンピュータほか並列計算機を用いたエージェントベースシミュレーションにより、災害・感染症対策による各企業および経済全体の被害推計を行うことである。具体的には、国内においては各企業が持つ事業所間のレベルでサプライチェーンをシミュレートし、被害がどのような速さで、また地理的にどのように広がっていくかなど、従来できなかった詳細な分析を行う。本研究では、東京商工リサーチより提供される企業数160万以上、取引関係600万以上の日本のサプライチェーンデータ、政府統計である経済センサス・企業活動基本調査から得られる600万にのぼる事業所に関する詳細データを用いてシミュレータを精細化する。 今年度は、サプライチェーンのモデルを、企業レベルから各企業が持つ事業所レベルへと精細化した。これまで東京商工リサーチ社提供の企業レベルのサプライチェーンデータを用い、企業の活動を本社1つとして扱っていた。特に本社住所は東京に集中している。そのため災害や感染症対策の地理的特性を分析する際には推計の歪みが生じていた。政府統計である経済センサスのデータを統合し、各企業が持つ事業所とその住所、事業内容を把握した。これにより160万企業のサプライチェーンを600万事業所からなるサプライチェーンへと精細化できた。企業データと事業所データの間には共通のIDなどが振られていないため、名称や本社住所等の情報からマッチングを行うこと、事業内容からその事業所が出力する財・サービスを当てはめるなど、多くの工数が必要であった。結果として、以前行った東日本大震災を用いたモデルの最適化をやり直し、改善することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究計画として当初申請したとおり、サプライチェーンのモデルを、企業レベルから各企業が持つ事業所レベルへと精細化した。企業データと事業所データの間には共通のIDなどが振られていないため、名称や本社住所等の情報からマッチングを行うこと、事業内容からその事業所が出力する財・サービスを当てはめるなど、多くの工数が必要であったが、無事に研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は、これも研究計画として申請したとおり、2022年度はグローバルサプライチェーンへのモデルの拡張を行う。ここまで、企業・事業所レベルのサプライチェーンデータは国内に限られている。しかしながら、パンデミックや災害により国際的なサプライチェーンの途絶が実際に起きているため、現代においての経営・経済的損失の推計には不十分である。そこで政府統計である企業活動基本調査のデータを統合し、各事業所ごとの輸入・輸出国の状況を反映する。ただし、事業所が他国のどの企業と取引があるかの完全なデータまでは存在せず、相手国レベルの把握となる。2023年度は、在庫の実データを取り入れる。従来モデルでも在庫は扱っていたが、分布からランダムに与えていた。ここでは経済センサスを元に実際の在庫量を事業所レベルで取り入れる。事業所の在庫量が推計に大きな影響を与える。2024年度は、上記により果たされたモデル改善を踏まえて、災害・感染症対策の精細で柔軟なシナリオについて推計を行う。たとえば、地震には周期性があるため、過去の地震を再度現代において評価することは意味がある。そこで、過去の地震が今起きるとどのような被害があるのかを推計する。また、南海トラフ沖地震・関東直下型地震は地震調査委員会を中心に細かな予測がなされている。これを用いて将来の地震・津波についても同様に推計する。異常気象による水害も同様である。感染症対策においては、COVID-19の状況も踏まえつつ、特定の国あるいは複数の国からの需要・供給が途絶する場合の我が国への影響を推計する。また緊急事態宣言が再度発令される可能性もあり得るが、たとえばある都道府県だけに発令するか、他の都道府県も一緒に発令しても企業間の関係性からほとんど損失に差がないのかなど、組み合わせ的に無数にシナリオが考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(21 results)