Project/Area Number |
23K20670
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Project/Area Number (Other) |
21H00812 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
望月 寛子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, グループ長補佐 (60450318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 文代 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, グループ長補佐 (00282905)
山田 一夫 筑波大学, 人間系, 教授 (30282312)
河合 崇行 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (50425550)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 味覚 / 日内リズム / ストレス / 日内変動 / 疲労 / 概日リズム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ヒトの味覚における日内変動を明らかにする。次に、味覚感覚の変動要因として、心理的ストレスや身体的疲労の影響を明らかにするため、自律神経系の状態と味覚感度との関係を網羅的に調べ、ヒトの味覚に関する基礎的知見の蓄積を目指す。さらに、応用的研究として、味覚体験によるストレス軽減効果の検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒトの味覚における日内変動を明らかにする。次に、味覚感覚の変動要因として、心理的ストレスや身体的疲労の影響を網羅的に調べ、ヒトの味覚に関する基礎的知見の蓄積を目的としている。 2023年度は、ヒト試験を継続して実施し、データの拡充と多変量解析による分析を行った。味覚刺激(グラニュー糖、食塩、クエン酸、カフェイン、L-グルタミン酸ナトリウムの各水溶液)を用いて5段階の濃度を設け、それぞれ、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味に対する検知閾値と認知閾値を検討した。後味検査では、高濃度の水溶液を口に含み、吐き出した後のあと味の変化を120秒間答えさせた。試料溶液の提示には全口腔法を用いた。20歳から50歳代の19名の研究協力者を対象として、朝、昼、夜の3回、味覚テストを行ったところ、甘味、うま味、苦味、酸味の閾値に日内変動を認めたが、その傾向は一様ではなかった。とくに認知閾値は、昼に低下する味、夜に低下する味など様々であった。体調との味覚感度との関連を検証した重回帰分析では、身体的疲労は主観的味の強度を高めるのに対し、精神的疲労は低下させることが示された。今年度得られた結果をもとに、出願済みの特許技術(3件)に対して優先権主張出願を行った。 さらに、2023年度は、動物(ラット)のリッキング行動を測定し、味覚の変動を検証した。その結果、甘味水溶液と苦味水溶液に対するリッキング行動は、明期と暗期で異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト試験が順調に進捗し、想定していた味覚の日内変動、および体調による影響が明らかとなった。2024年4月24日に優先権主張出願を済ませたことから、2024年度には学会や専門誌上での成果の公表を予定している。動物試験では、リッキング装置を用いた味覚試験系を確立することができた。ヒト試験と動物試験を組み合わせた基礎から応用までの幅広い知見を得られることができている。味覚を変化させるようなストレスへの対処法としては、軽度の環境変化や乳酸菌(H61株)の摂取が有効であることを明らかにし、論文公表の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト試験データの解析を進める。具体的には、重回帰分析以外の手法で味覚感度と体調との関連を検証し、摂食時の生体と味との関係を示すモデルを構築する。また、結果の公表を積極的に行う予定である。学会発表3件、論文公表2件を予定している。動物試験では、ヒト試験で認められた味覚の日内変動をラットを用いた試験で再現し、そのメカニズムを検証する。とくに、光条件(12時間明暗周囲または、24時間明期)、摂食ホルモン、時計遺伝子の発現に焦点を当てた検証を行う。
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