Project/Area Number |
23K20750
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Project/Area Number (Other) |
21H00926 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岡崎 龍史 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50309960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 尚樹 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (00304973)
加藤 尊秋 北九州市立大学, 環境技術研究所, 教授 (20293079)
越智 小枝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20811904)
真船 浩介 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (50441829)
江口 尚 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50722146)
長谷川 有史 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70404879)
立石 清一郎 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (80570861)
林 卓哉 産業医科大学, 産業医実務研修センター, 非常勤助教 (80840305)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 放射線教育 / 福島原発 / 廃炉作業 / 放射線不安 / リスクコミュニケーション / 福島原発作業員 / 福島原発作業者 / アンケート / K6 / 福島原子力発電所 |
Outline of Research at the Start |
福島原発廃炉作業員に対する放射線不安を取り除くための放射線教育講習会を行い、これまで行ってきたアンケート調査票にて、知識の向上と不安の軽減について評価していく。そのために、講習会の内容に関しては、法令に準ずるものではなく、福島原発廃炉作業員が興味の持てる内容を東電職員らと協議しながら作成していく。 これらの教育講習会の内容は、e-learning化し、講習会に参加できなかった作業員や、他の原発作業員に関して共有できるようにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
福島原発作業者に対して放射線の教育講習会を行うために、作業員の不安や教育の状況のアンケートによって調査した。アンケートはこれまで行ってきたオリジナルの内容に加えて、Kessler 6 (K6) scaleを用いた。K6は元々、うつ病や不安障害などの精神疾患の可能性がある人を見つけるための調査手法で、精神的健康状態の指標となりうる。 東京電力ホールディングス株式会社を通じて1,650部配布し、1,114部の返却があった。回収率67.5%である。うちアンケートの回答に同意のあった833件について解析を行った。男女比は98%と2%であった。年代は20代から60代以上までそれぞれ、18%、23%、27%、24%、8%となっていた。業種はプラントメーカー8%、建設会社19%、東電グループ33%、東電23%、その他17%であった。経験年数は1年未満が10%、1から5年が26%、5から10年が21%、10年以上が43%であった。放射線教育に関しては0回が0%、1回が8%、2回が16%、3回が9%、4回が6%、5回以上は61%である。福島原発で働くことに対して不安があるものは21%であった。働くやりがいは76%があると答えている。放射線の影響に関する様々な疾患等に対する不安は全体的には低かった。またK6の値は9以上で精神的健康状態が悪いと考えるが、中央値2(平均4)で低かった。低い中でもK6を一般作業員と管理職と比較すると前者の方が高くなる。年代が高い、放射線影響の不安が少ない、やりがいがある、辞めたいと思わない、作業の説明を受けていることでK6は低くなる傾向にあった。 自由記載欄では、放射線不安はないという意見、教育の必要性、本研究の教育の期待する意見もあった。不安は放射線影響だけでなく、収入の不安定や失職などの不安もあった。教育に関してこれらを網羅できるような内容を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は福島原発作業員の放射線の不安、教育、知識等をアンケートにより調査することが目的であった。1,650部配布し、1,114部の返却で高い回収率(67.5%)となり、また自由記載欄の記載も非常に多く、福島原発作業員の状況を把握する上で非常に高い情報を得ることができた。今回の結果を参考にし、次年度の教育講習会における教育プログラムの内容を検討していくことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
教育プログラムをより福島原発作業員の興味が持てるようにするために、8月ごろ福島原発における作業員の作業状況を視察する。原発作業が行われている海外の状況を視察する。法令による教育、作業員の不安状況、安全の取り組み等を調査する。コロナの状況によっては次年度に繰り越し計画する。 さらに前年度のアンケートから得た情報も加えて、教育プログラムを組み立てる。座学として1. 放射線の基礎(放射線の種類、生体への影響等(a,b教育と重複しない内容)、H-3, Cs-137, Sr-90, Pu-234の影響など)、2. 放射線モニタリング(構内作業における汚染や被ばくの可能性と、その被ばく量の簡易的な計算等)、3. 放射線リスクコミュニケーション(種々のリスクと放射線の比較、科学リスコミについて)を行う。実習として、1. リスクコミュニケーション手法実践、2.放射線測定器取扱(α線、β線、γ線の測定とそれらの汚染と被ばく影響の確認)、3.防護服着脱、4.机上訓練(作業管理、作業環境管理の改善)を計画している。講習会の前後には、知識の確認、不安軽減効果などを確認するアンケートを行う予定である。
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