Project/Area Number |
23K20756
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Project/Area Number (Other) |
21H00933 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 桐子 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (00235152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 あすか 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50745982)
森永 康子 広島文教大学, 人間科学部, 教授 (60203999)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 組織・集団 / ダイバーシティ / インクルージョン / リーダーシップ / ジェンダー / 多文化主義 / 人種・民族 |
Outline of Research at the Start |
いかなる集団状況においても所属性,正真性,及び独自性の3要素は包摂性の構成要素として妥当なのか,また3要素で構成される包摂性の高さが個人及び集団にどのような効果をもたらすのかを,縦断調査等により明らかにする。包摂性の有益な効果が認められた場合は,さらに集団のあらゆるメンバーの包摂性を高める方策を,集団のリーダーシップとダイバーシティ・アプローチの点から検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,包摂の対象となる個人が知覚する包摂性に焦点を当て,包摂性の構成要素を明らかにすると共に,包摂性が個人と集団に及ぼす影響について検討することである。令和5年度は,「包摂性の高さが個人及び集団にもたらす効果の検討」および「集団のあらゆるメンバーの包摂性を高める方策の検討」を行った。具体的な研究方法と結果の概要は次の通りである。 1.職場の部署に所属する人々及び部活・サークル・市民団体などに所属する人々を対象とした縦断調査の2回目を実施した。交差遅延効果モデルによって分析したところ,職場集団については,包摂性知覚が心理的安全性知覚と集団課題へのモチベーションを高め,プロアクティブ行動やボイス(建設的な提案行動)を促進することが示された。ただし,ボイスに対する包摂性知覚の効果は比較的弱いものであった。一方,部活・サークル・市民団体等の集団については,包摂性知覚が心理的安全性知覚,集団活動へのモチベーション,およびボイスを高める効果は弱かった。なお,個人包摂目標(集団に包摂されることを望む程度)及び集団メンバーの主観的多様性(集団メンバーが様々な点で異なっていると知覚する程度)によって包摂性知覚の効果が異なるかどうかを検討したところ,明確な違いはいずれの集団についても認められなかった。 2.文化に関する理解を促進し,間接的に留学生等の包摂性を高める方策の一つとして,文化心理学の授業の効果を検討した。文化心理学の授業前後に調査を実施し,受講が多文化主義的視点を高め,文化的多様性に対する受容的態度を促進するかどうかを検討したところ,そのような効果は見られず,文化心理学を履修していたのはそもそもポリカルチュラリズムが強い学生であることが示された。そのため,授業の効果が天井効果となった可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に計画していた縦断調査を予定通り実施した。企業からの調査協力が得られにくいため集団単位の調査は遅れているが,縦断調査の結果より「包摂性の高さが個人及び集団にどのような効果をもたらすのか,またその効果がメンバーの多様性の程度によって調整されるのかを明らかにする」という目的については概ね達成できていると考える。また,「集団のあらゆるメンバーの包摂性を高める方策」の検討を充実させ,異文化への受容的態度を促進する文化心理学の効果の検討を新たに行った。さらに,令和6年度に計画していた「ダイバーシティ・アプローチを操作したシナリオ実験」の準備及び「包摂的なリーダー行動」の予備的検討は既に完了しているため,令和6年度は速やかに計画の実施に移ることができる。以上より,全体的には概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は計画通りに進める。具体的には,リーダーの包摂的行動を測定する尺度を作成し,それがメンバーの包摂性知覚に及ぼす効果を検討するとともに,ダイバーシティ・アプローチがメンバーの包摂性知覚に及ぼす効果を調査及びシナリオ実験によって検討する。集団単位の調査データも引き続き収集に努めるが,企業等からの協力が得られない場合は,代わりに「集団のあらゆるメンバーの包摂性を高める方策の検討」に関する新たな研究を加える。
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