Floer理論に立脚したミラー対称性予想にまつわる幾何学の新展開
Project/Area Number |
23K20796
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Project/Area Number (Other) |
21H00983 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 啓史 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (50223839)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | シンプレクティック幾何 / Floer理論 / ミラー対称性 / 倉西構造 / 仮想基本チェイン / Arnold予想 / Morse-Bott / 指数減衰評価 |
Outline of Research at the Start |
代表者は、共同研究者とシンプレクティック多様体内のラグランジアン部分多様体に対するFloer コホモロジーの障害・変形理論の基礎理論を構築した。本課題ではその成果を土台とし、より圏論的枠組みの中で、ミラー対称性予想とそこから提起されるシンプレクティック幾何および(複素)代数幾何の新しい数学を構築し展開する。また、これらの数学を支える倉西構造による仮想基本チェインの理論の整備発展も並行して行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
境界付きリーマン面からシンプレクティック多様体への安定写像でラグランジアン境界条件をもつ写像について、その貼り合わせ写像のネック部分のスケールに対する指数減衰評価に関する結果を証明した論文が、長い時間を費やしたレフェリー過程に辛抱強く対応し続けた末に、今年度ようやく出版許諾を得ることができた。これは本課題の中心テーマであるFloer理論における擬正則写像の理論の土台にかかわる重要な結果のひとつと位置付けることができる。
これと並行して、シンプレクティック多様体上の周期的ハミルトン系に関する Floer 方程式の解の モジュライ空間を用いて、Hamiltonian Floer理論におけるFloerコホモロジーを定める「線形Kシステム」を、Morse-Bottの一般的な状況の下で幾何学的に実現し、その不変性と比較定理を証明した。系としてMorse-Bottの仮定のもとで、周期解の個数に関する Betti数版Arnold 予想が従う。この結果を論文にまとめる作業をおこない、arXiv上で公開することができた。ここでは2020年に出版された研究代表者とその共同研究者たちによるリサーチモノグラフ `Kuranishi structures and virtual fundamental chains', (Springer-Nature, 2020)の結果が有効に用いられる。特に、outer collarを用いてファイバー積とcompatibleな倉西構造の族が構成している。以上は、深谷賢治氏(SCGP)、Yong-Guen Oh氏(IBS CGP)、小野薫氏(京都大学)と研究代表者との共同研究の成果である。
また、依然COVID19パンデミックの状況にあり、国内外を込めて研究集会やワークショップ等において対面で議論することが殆どできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度にくらべ多少緩和されたものの、COVID19パンデミックのため、2021年度も国内外の出張や対面での研究集会、研究打ち合わせを行うには難しい状況が続いた。特に先の読めない状況で海外渡航を断念せざるを得なかったことは、国際共同研究計画を中心とする本課題遂行においては、少なからず影響を与え、通常の状態より遅れが生じたことは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
もちろん、COVID19パンデミックの状況に大きく依存されるが、徐々にではあるが政府の対応等に緩和が見られ、国内外の研究交流が再開されることを期待しつつ、なるべく当初の研究計画通り、研究協力者と密に連絡をとりながら国際共同研究を推進することを目指す。また、関連したテーマでの対面研究集会も徐々に再開していきたい。海外からの往来が難しい状況であれば、国内において研究集会やワークショップを開催し、広い視野をもって議論を深めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)