Project/Area Number |
23K20847
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Project/Area Number (Other) |
21H01086 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
遠藤 基 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70568170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥井 武道 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 協力研究員 (20837637)
北野 龍一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50543451)
飛岡 幸作 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 協力研究員 (70784461)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 軽い新粒子 / クォーク / レプトン / ミューオン加速 / アクシオン |
Outline of Research at the Start |
素粒子には「世代」と呼ばれる同じ性質をもった粒子のくり返しがある。その起源・役割・必然性は標準理論の謎であり、とくにクォークの世代とレプトンの世代の関係性は実験からも明らかにされていない。この不可解な構造にはなにか深遠な理由が隠されているに違いなく、その解明は素粒子物理学の最重要課題である。本研究では、世代間をつなぐ新しい長距離力(軽い新粒子)の検証研究を行う。最近の実験結果から、微弱ではあるが、1GeV以下の低エネルギー領域に世代の正体に迫る手がかりが残されている可能性が高まってきた。将来の実験を踏まえ、どのように検証されるか、また、世代とは結局なにか、素粒子の根幹にある謎に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに素粒子標準理論では説明のできない素粒子現象が実験から報告されてきた。これらの結果はクォークやレプトン(素粒子標準理論を構成する素粒子)が未知の相互作用をもつことを示唆している。遠藤はこれらの結果に基づいて素粒子標準理論を超える新しい物理理論の正体の解明に向けて研究を行なった。とくに、最近フェルミ国立加速器研究所から発表されたWボソン質量の新しい測定結果に基づいて、電子とミューオンの間に未知の相互作用が存在している可能性を指摘した。また、準アクシオン粒子が電弱精密測定に与える効果について研究を行い、従来の研究では非常に大きな効果が見落とされていたため、これまでの結果が大きく変更されることを指摘した。北野は、正電荷ミューオンの冷却技術を利用した新しいミューオンコライダーを提案し、そこで可能となる様々な物理実験の検討を行った。とくに、散乱過程の角度分布の情報から新物理の影響を引き出す研究を行い、その結果100TeVの物理に感度があることを示した。また、本研究課題で雇用された研究員と共にミューオンコライダーに関する研究結果をまとめている。飛岡は、64人の研究者が参加したK中間子・ハイペロンと新物理の探査のレビュー論文を完成させ学術誌に出版した。レビュー論文の新しい視点は、信号の軽い新粒子のモデル・制限と関連する信号を相互参照するかたちでまとめ、新しい結果もいくつか追加された。また、ILC実験のビームダンプで生じるメソンスペクトラムを調べた。とくに、メソン崩壊などから生じるステライルニュートリノの探査感度を調べ、ILCビームダンプ実験では非常に感度が高いことを示した。奥井はモノポールの「semiton問題」や原始ブラックホールの生成について研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠藤はクォークやレプトンに働く未知の相互作用を探る研究を概ね予定通り進めている。北野は未知の粒子や相互作用を探るために新しい実験を提案して検討を進めている。飛岡はこれまでの研究に加えて、新たにビームダンプ実験を用いた軽い新粒子の研究を始めた。奥井は予定通り宇宙論に関する研究に着手して進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
遠藤は引き続きクォークやレプトンに働く未知の相互作用を探る研究を進める。とくに、2023年度にはBelle II実験やLHC実験からの新しい実験結果の発表が予定されている。これらの実験結果に基づいて未知の相互作用の特定を目指す。北野は正電荷ミューオンを使ったコライダー実験についての検討を更に進め、ヒッグス粒子や暗黒物質の物理がどこまで探れるのか明らかにする。飛岡はカビボ角アノマリーに関する研究を完成させる。また、アクシオン粒子が初期宇宙に与える影響について研究を進める。奥井は現在進めているモノポールや原始ブラックホール生成に関する研究の完成を目指す。
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