Geochemical Research on Dynamic Weakening of Fluid-Bearing Earthquake Faults
Project/Area Number |
23K20898
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Project/Area Number (Other) |
21H01194 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 剛志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究所長代理 (30270979)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | 地震 / 断層 / 地球化学 / 流体岩石相互作用 / 摩擦溶融 |
Outline of Research at the Start |
巨大地震が発生する沈み込み帯のプレート境界や付加体は水(流体)に満ちている。流体の存在は地震すべりによる断層の動的な強度低下(弱化)に大きく影響すると考えられているが、その実像には謎が多い。本研究では、研究代表者が考案した、断層岩に残された微量元素・同位体シグナルを読み解く手法を最大限に発展させて付加体等の断層に適用することで、化学的視点から「流体存在下で地震時に断層弱化がどう起こるか」の実像に迫ってゆく。
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Outline of Annual Research Achievements |
流体存在下での地震断層の動的な強度低下(弱化)プロセスを化学的な視点から明らかにする目的で、以下の研究を行った。 (1) 地震時に高温流体岩石相互作用を経験したと推測される、四万十付加体和歌山日高地域のアルバイト(Na斜長石)を含む断層岩および母岩について、微量元素およびストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)の分析を行った。その結果、断層岩において、地震時に350℃程度の高温流体岩石相互作用が生じたことを示す微量元素の増減およびストロンチウム同位体比の減少が観察され、それらがアルバイト形成とリンクしていることが判明した。 (2) 南アフリカのKhotsong金鉱山下で起こった2014 Orkney地震(M5.5)余震域を掘り抜いたコア試料の鉱物組成と主成分元素組成に基づく考察を行った。その結果、火山岩の一種であるランプロファイヤーが強い熱水変質を受けタルク等の含水鉱物を多く生じた部分が断層すべりの場となっており、それらの含水鉱物の存在が断層弱化の原因となった可能性があることが分かった。成果は論文として発表した。 (3)プレート境界断層のアナログとみなせるオマーンオフィオライト底部の玄武岩・堆積岩起源の変成岩(メタモルフィックソール)について得られた微量元素・同位体組成から、プレート境界断層に沿って上昇した流体の化学組成を見積もり、鉱物相平衡に基づくモデリングを開始した。 (4) 沈み込み帯の巨大地震およびスロー地震の断層すべりに関係する流体の類例として西南日本前弧域に湧出する深部流体のリチウム同位体分析を行った。その結果、いわゆる有馬型流体は沈み込んだフィリピン海プレートから放出されたスラブ流体であること、同様のスラブ流体が紀伊半島東部域でも広く湧出していることが判明した。成果は論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四万十付加体の断層岩および周囲の母岩については予定通りの分析を行い、地震時の流体岩石相互作用とアルバイト晶出とのリンクを示す基礎データを得ることできた。Khotsong金鉱山の断層コア試料の分析からは岩石の熱水変質が地震時の断層弱化をもたらしたことを示唆する成果を上げることができた。 オマーンオフィオライトを用いたプレート境界断層流体の研究では、分析に基づき見積もられた流体組成を鉱物相平衡の見地から検証できる見通しがつきつつある。 また、西南日本前弧の深部流体の分析からは、プレート境界にも存在すると考えられるスラブ流体の化学的認定と分布の推定を可能とする新知見を得ることができた。 以上のように地震時の断層帯に存在した流体とそこで生じた流体岩石相互作用の化学的キャラクタリゼーションと理解が深化しており、研究の進捗は概ね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
四万十付加体日高地域の断層帯については、これまでの研究で地震時の流体岩石相互作用の物理・化学的実像がかなり明らかとなってきたので、断層弱化の考察を含めデータの取りまとめの段階に入りたい。オマーンオフィオライトの研究については、見積もられたプレート境界流体の鉱物相平衡モデルによる検証を進める。 以上2つが当面の優先課題となるが、本研究課題に適した断層試料や流体試料の探索および化学分析は引き続き行ってゆく。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Presentation] ICDP DSeis: M5.5オークニー地震余震域から採取した断層試料の物質科学的特徴2022
Author(s)
宮本英, 廣野哲朗, 横山友暉, 金木俊也, 山本裕二, 石川剛志, 土山明, 片山郁夫, 矢部康男, ZIEGLER Martin, DURRHEIM Raymond, 小笠原宏
Organizer
日本地震学会2022年秋季大会
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