応力場の高速時空間制御による超精密フェムト秒レーザ加工技術基盤の創出
Project/Area Number |
23K20907
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Project/Area Number (Other) |
21H01224 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18020:Manufacturing and production engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 佑介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (90843227)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | レーザ加工 / 精密加工 / 応力波 / 応力分布計測 / 超高速計測 / フェムト秒レーザ加工 / 応力計測 / 応力制御 / 超高速イメージング / 透明材料 / フェムト秒レーザ / ガラス / 高速計測 / 高速イメージング |
Outline of Research at the Start |
本研究では,フェムト秒レーザ加工時に過渡的に出現する巨大応力場を制御することにより,透明硬脆材料の超精密加工を実現する.ピコ秒スケールで変動する応力場の定量計測技術と,瞬間的に出現する引張応力を抑制する応力場制御技術を開発し,両技術を統合することで,超精密加工技術基盤を創出することを目的とする.定量計測法,応力場制御法,それらを統合した計測制御システムの構築法,の3つの基礎理論を確立し,超精密レーザ加工の体系化を図る.
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Outline of Annual Research Achievements |
透明材料を微細に加工する手法としてフェムト秒レーザが注目されている.しかし,フェムト秒レーザ加工時にはクラックが生成されるため,精密加工が困難である.本研究では,フェムト秒レーザ加工時に過渡的に出現する巨大応力場を時間的かつ空間的に制御することにより,透明硬脆材料の超精密加工を実現する.従来の電気的・機械的なセンシング・アクチュエーションで,ピコ秒の時間スケールを計測・制御することは極めて困難である.そこで本研究では,ピコ秒スケールで変動する応力場の定量計測技術と,瞬間的に出現する引張応力を抑制する応力場制御技術を開発し,両技術を統合することで,超精密加工技術基盤を創出することを目的としている. 本年度は,応力波伝搬時の密度分布をピコ秒からナノ秒のオーダで計測する技術の開発と,同等の時間スケールで応力分布を制御する技術を開発し,両技術の複合によって引張応力を抑制することを目的とした. 密度分布計測には,ポンプ・プローブ撮像法とマッハ・ツェンダー干渉計を組み合わせた手法を開発し,高速変化の3次元分布を計測した.計測の結果,応力波の前方に分布する圧縮応力と後方に分布する引張応力の時間差と強度差を明瞭に示した.それをもとに引張応力の生じるタイミングで第2の応力波を生成し,圧縮応力を付与し,応力を相殺することを提案した. 提案手法の有効性を評価するために, 加工用のレーザ光をメインパルスとサブパルスに分岐し,微小な遅延時間を設けた後に同軸で加工試料に集光できる実験系を構築した.さらに,その際の高速現象を計測できるシステム構成とした.各種の条件で実験を行い,有効性を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計測法と制御法の両技術の開発を実施し,それらを複合したシステムの評価を行った. 密度分布計測のために,ポンプ・プローブ撮像法とマッハ・ツェンダー干渉計を組み合わせた手法を開発した.干渉計測では,屈折率変化の生じた領域で干渉縞の歪みが生じる.この歪みから,位相差を抽出することで,屈折率変化を知ることができる.屈折率変化と密度変化を対応付けることで,高速で変化する密度分布計測を実現した.さらに,試料厚み方向に積算された情報から,3次元情報を復元する手法を開発することで,密度分布の3次元高速計測を実現した. 応力分布を制御するために,複数の応力波を生成することを提案した.第1の応力波の引張応力の生じるタイミングで第2の応力波を生成し,圧縮応力を付与し応力相殺を試みた.計測法を組み合わせて提案手法の制御性を評価したところ,メインパルスとサブパルスのエネルギが同一であっても,サブパルスで現れる圧縮付与の効果が著しく小さいという結果を得た. メインパルス照射後の光の反射率をプラズマ中の電子密度の計算に基づき考察することで,電子密度の上昇がサブパルスの反射を促進したことが明らかとなった.この効果を回避するための手法を考案し,開発計画の目処が立った.
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Strategy for Future Research Activity |
超高速密度分布計測法を拡張し,応力分布計測技術基盤を確立する.この技術基盤をもとに,加工条件と応力場の対応関係の情報を有する応力場データベースを確立する.また,プラズマによるサブパルス反射の効果を低減する手法の開発を実施する. 密度分布計測法で取得される密度分布は,応力の「絶対値」分布と対応している.しかし本研究の実現には,絶対値に加え,応力の「方向」の情報が不可欠である.「方向」情報は,材料の複屈折性をもとに,超短パルス照明光の偏光状態の変化量から抽出できるが,精密計測のためには,計測結果の校正が必要となる.そこで,密度計測結果との対応づけによって正確性の保証された数値モデルを構築する.解析結果をもとに実験結果を校正することで,方向情報を含んだ応力分布を,超高速かつ3次元的に計測する. 次に,応力場データベース構成法を築く.予め応力場の加工条件依存性を把握していれば,その情報を用いた究極的フィードフォワード制御が実現する.そこで,計測技術基盤を活用し,多種の加工条件下で応力場情報を取得し,そのデータベースを構築する.
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Report
(1 results)
Research Products
(21 results)