Project/Area Number |
23K20913
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Project/Area Number (Other) |
21H01242 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 裕司 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (70261469)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | らせん渦 / 不安定性 / 乱流遷移 / 回転翼後流 / 曲率不安定性 / 楕円型不安定性 / 長波長不安定性 / 風車ロータ後流 |
Outline of Research at the Start |
らせん渦は風車ロータなどの回転翼から発生する渦のモデルである。らせん渦は、長波長不安定性・短波長不安定性・相互作用型不安定性などのさまざまな不安定性により不安定化し、最終的には乱流遷移し、ウィンドファームにおける風車後流の性質を決める。本研究は、らせん渦が乱流遷移する過程と遷移後の乱流の性質の体系的な理解を確立するものである。これにより、回転翼後流の統計的性質を予測可能な相図を作り、回転翼をもつ機器の性能向上に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、らせん渦が不安定化し乱流遷移する過程と、遷移後の流れの性質を、物理的素過程としての不安定性に基づいて体系的に解明することである。らせん渦を特徴づける複数のパラメータ(太さ・捩り・軸流・本数・レイノルズ数)と擾乱の性質に対する依存性の全貌を明らかにする。 令和5年度は、弱非線形理論による非線形飽和の条件と乱流遷移の判定条件の導出を、楕円型不安定性の基本モード以外の他のモードや曲率不安定性モードについて行った。これを、これまでの直接数値シミュレーション結果と比較し、非線形飽和の条件と乱流遷移の判定条件の評価を行った。その結果、曲率不安定性の場合は非線形飽和の振幅は小さいが、数値シミュレーションのレイノルズ数では粘性飽和の振幅の方が小さくなるため、非線形飽和よりも粘性飽和が起こりやすいことが明らかとなった。さらに、短波長不安定性のらせん渦のパラメータに対する依存性について、 (1) 軸流依存性、(2) ピッチ(捩り)依存性に関する研究を行った。軸流がある場合に発生する楕円型不安定性のモードが変わり、非線形飽和の振幅が小さくなることがわかった。数値シミュレーションでは高いレイノルズ数のときには乱流遷移が起こるが、低いレイノルズ数の場合には非線形飽和が起こることがわかった。また、ピッチを大きくすると、ピッチの値によってはひずみが小さくなり、楕円型不安定性が現れずに曲率不安定性のみが現れることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、概ね当初の計画にしたがって順調に進めることができている。まず、弱非線形理論により非線形飽和の条件と乱流遷移の判定条件の導出を、楕円型不安定性の他のモードや曲率不安定性モードについて行い、これを数値シミュレーション結果との比較により、非線形飽和の条件と乱流遷移の判定条件が有効であることを示すことができた。これは、風車ロータのような直接数値シミュレーションが難しい高レイノルズ数の場合においても、理論的に導かれた判定条件により、流れの状態を予測可能であることを意味しており、この点で大きな意義をもつ結果である。 また、短波長不安定性のらせん渦のパラメータに対する依存性について、 (1) 軸流依存性、(2) ピッチ(捩り)依存性を明らかにしたことは、らせん渦を特徴付ける5個のパラメータ(軸流、ピッチ、本数、レイノルズ数、太さ)に対する依存性を解明する上で大きな意義をもつ。本研究の最終目的の一つであるらせん渦の乱流遷移後の状態の5次元パラメータ空間中の相図の作成に向けた大きな手掛かりが得られたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上の進捗状況を踏まえて、令和6年度は、令和5年度からの継続として自然な擾乱による乱流遷移過程についての研究を行い、さらに乱流遷移後の統計的性質の解明を行う。 ①自然な擾乱による乱流遷移過程:風車ロータなどの工学的な応用の場面においてらせん渦が受ける擾乱を想定し、自然な擾乱による乱流遷移過程について研究する。特に令和5年度には着手できなかった自然風を模した人工乱流を与えた場合の乱流遷移過程がどの不安定性によるものかを同定する。これにより、応用の場面でどのシナリオが起こりやすいかを明らかにする。 ② 乱流遷移後の統計的性質の解明:らせん渦の乱流遷移過程と遷移後の流れの性質を体系的に明らかにするため、まず捩りと軸流を主要パラメータとし、他のパラメータを固定した場合の相図を作成する。これまでの研究結果のデータ解析を行い、平均流れについてはヘリシティなどの統計量の時間変化や平均速度・渦度分布などにより、乱流ゆらぎについてはエネルギースペクトルや相関関数などにより特徴付けを行う。乱流ゆらぎの構造を渦構造の動的可視化解析により調べる。これにより、元のらせん渦由来の秩序構造を保持した弱い乱流状態から、秩序構造が崩壊し乱れが十分に発達した乱流状態のどの位置にあるかを判定する。本数、レイノルズ数、太さを変えた場合の相図の変化を解析し、5次元パラメータ空間中の相図を完成する。
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