Project/Area Number |
23K20936
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Project/Area Number (Other) |
21H01334 (2021-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2021-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
内田 秀和 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60223559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 有貴 埼玉大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (90344952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
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Keywords | 人工嗅覚 / 匂いセンサ / 二次元電気化学センサ / LAAS / ペプチドアレイ / 自己組織化単分子膜 |
Outline of Research at the Start |
鋭い嗅覚を持つイヌは探知犬として災害救助、防疫検査、犯罪捜査など多方面で活躍しており、近年では医療診断での活動も注目されているが、多数の探知犬を維持するには多くの困難を伴う。本研究はイヌの嗅覚に匹敵する感度と選択性を持つセンサを実現するために、新しい検出原理に基づくセンサを使って、これまで難しかった多数の微小なセンサを集積化した嗅覚器の研究を行う。本センサは実績のある電気化学測定法にペプチドを用いた人工受容体を網羅的に配列させるものであり、空気中の匂いを流動粘液中に取り込んで多数のセンサで感知する仕組みを構築することで、多くの外乱を含む大気中でも目的の匂いを感知できる嗅覚器の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイヌの嗅覚に匹敵する感度と選択性を持つセンサを実現するために、新しい検出原理に基づくセンサにより多数の微小なセンサを集積化した嗅覚器の研究を行った。 センサ感応膜に対する水溶液中の分子の影響についてより詳細なメカニズムを明らかにするため、電気化学インピーダンススペクトロスコピー(EIS)による測定を行った。金電極上にアルカンチオールによる自己組織化単分子膜(SAM)を形成すると電気二重層容量の変化は少ない反面、膜インピーダンスは大きく上昇し、極薄い緻密な膜が形成されていると推定された。SAM上にさらにペプチドを固定化した金電極を用いて水溶液中の匂い分子の測定を行うと、濃度の上昇と共に膜抵抗が低下する様子が観測された。これは匂い分子として用いたアルカナールによりペプチド固定化膜の構造が変化したことによるものと推定され、嗅覚センサの感応膜として有望であることがわかった。 また、気体中の匂い分子を水溶液中に効率的に取り込むために設計した流路について、実際にセンサ表面で動作させて気相と液相を接触させる実験を行なった。その結果、流路構造の疎水化とセンサ表面の親水化を行うことでセンサ表面に水溶液と気体を二層で流す目的通りの動作をさせられることがわかった。また、新たにオープンエア型流路についても試作を行い、流路の一部を大気開放して水溶液の一部を気相に接触させるセンサ構造の試作にも成功した。 低濃度の匂い分子の測定を行えるように測定システムの安定化についての検討も行なった。これまでは繰り返し測定によるばらつきの低減を図ってきたが、極微量測定においては対象物質の消費による信号低下や界面状態の繰り返し再現性が低いためにばらつきが大きいことがわかった。そこで、1度の測定でLAAS観測波形から目的の信号成分を抽出する技術について研究を行い、低濃度でも安定して測定が可能な手法を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EISにより確認された匂い感応膜の一つとして有望なSAM/ペプチド膜を二次元電気化学センサ(LAAS)上に形成して匂い分子のアルカナールの測定を行った。低濃度では有意な濃度依存性が見られたが、高濃度では逆に観測信号が低下する現象が観測された。濃度域により挙動が変化するメカニズムについては今後詳細を検討する必要性がある。現在、実験に用いたペプチドは先行研究から選定した4種類であり、アルデヒド基を含む匂い分子に特異性を持つと推定される1種類を含んでいる。今後、他の官能基に特異性を持つと推定されるペプチドを実験導入するための調査を開始した。また、より選択性を高めるために、ペプチドを固定化する際に匂い分子も共存させることで分子鋳型法に類似したペプチド配置を得る試みを進めている。 新型コロナウィルス感染症により遅れていた露光装置が完成したため、オープンエア型流路を試作して露光装置の性能確認を行った。数mm厚の流路でも1秒以下の時間で露光が可能であり、当初予定した性能を十分に発揮できることを確認した。また、露光面を水平移動するステッパーを設置して作成できる面積を十分に大きくすることに成功した。試作した流路は気液二層型とオープンエア型の2種類で、どちらも溶液に気体を接触させた状態で送液できることを確認した。しかし、センサ表面と流路との接触面から液漏れする場合があることが確認された。センサ基板と流路を圧着保持するための機構の精度が低いことが原因と考えられ、構造的な改善が必要と考えられる。 測定システムの高感度化を目指して新しい測定手法を検討し、低濃度でも安定して測定できる手法を見出した。しかし、現状では波形をPCに取り込んでオフラインによるソフトウェア処理を行っているため、リアルタイムの測定を行うことができない。本手法をハードウェア化してリアルタイム測定するための研究を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
センサ感応膜については継続してSAM/ペプチド膜について検討を進める。より高感度な測定をするにはSAMの固定化密度を高めることが重要と考えられることから、電界アシストなどによる密度固定化の手法を検討する。高密度化により膜抵抗を高めるとともに、金膜上での分子の流動性を抑えることで、ペプチド固定化後の位置変動を防止し、分子鋳型としての機能を維持することを検討する。SAM/ペプチド膜の評価にはこれまで通りEISを使用してより多くの評価パラメータを得ると共に、流路が完成した場合にはLAASデバイスを用いて測定を行いEISの評価との相互比較を行う。感応膜に用いるペプチドの配列についてはさらに調査を進めるとともに、匂い分子とのアミノ酸残基との相互作用について実験データの蓄積を行い、匂いセンサのペプチドをデザインするための指針を明らかにする。また、マテリアルズ・インフォマティクスなどでデータを利用することを考慮して蓄積する評価パラメータの種類について検討を行う。 気相中の匂い分子を効率的に水溶液中に取り込む流路について、流路とセンサ基板を圧着保持する機構の精度を高めることで液漏れの問題を解消したのち、匂い分子を含む気体を測定する実験を始める。また、匂い分子をあらかじめ溶解した水溶液を用いた測定も継続し、流路に供給するサンプル溶液を切り替えることで迅速な濃度依存性の評価を可能にする手法についても検討する。 LAASの測定方法について、これまで得られた見地に沿って1つの測定点を1回の励起光照射で観測する方法の研究を進め、高感度化に適切な観測波形のデータ処理方法を明確にする。また、波形処理プロセスをハードウェア化してリアルタイムの測定を実現し、センサシステムとして完成させる。 また、匂いセンサとして多種類の感応膜を並べるアレイ化センサに最適化するためのLAAS構造についても検討する。
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